【いそがしいとき日記】その23
甲府です!
滞在10日目です。
まいにち演劇につま先から頭のてっぺんまで、ずぶずぶと浸っています。
好きなことができる日々というのはいいものです。表現の可能性と自分の限界と闘いつつも、田舎の空の下で深呼吸をしながら、美味しいものを食べています。
今回も安定の「フォーハーツカフェ 」さん。
県産野菜のめちゃくちゃ旨いお皿と、県産ワインとの饗宴に、特別な夜を過ごしました。
居酒屋での全体飲み会のあとに「もう一杯だけ、美味い酒飲みたい」と駆け込んだのは「Hops And Herbs」さん。1階の醸造所でつくったできたてのビールを、2階のパブでたっぷり飲めます。
初めて訪れたのは「ristorante koen」さん。窯で焼いたピザが絶品。特に野菜ピザは本当にやばい。コースでの利用もオススメです。
今回、行きたいけどまだ行けてなくって、おそらく行けそうにないなぁと悲しんでいるのが「鮨処 花桜」さん。海なし県でもここまで美味しいお鮨が食べられるのは、誇り。
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昨日場当たりで舞台上に寝転びながら、ふと思ったんですよね
出てる舞台は観られないし
観てる舞台には出られないんだなあ
って。
いや!あたりまえのことなんだけど!
特に今回やっている「ヤマガヒ」という作品は、衣装のテイストが面白くって、それが照明と美術と相まったときにどう見えるのか、本当に気になるのです。
舞台稽古中の資料写真や資料映像を見ることもできるんですけど、だから、なんとなく雰囲気を確認することもできるんですけど
そうじゃなくって!肉眼で!観たい!のだ!!!
でも悲しいかな、出ている舞台は観ることができないのだ。どう転んだって。どう足掻いたって。
逆に、客席で観ながら「うおーーー!めっちゃすごいこの舞台!!!なんなん!!!!出たかったやーーーん!!!!」って思っても、その時点からじゃどう頑張っても出られないのだ、その舞台には。
僕は、舞台に出るのも好きだし、舞台を観るのも好き。
どちらも体験できている人生っていうのは、幸せだなあと思います。
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大勢でひとつのものを作るっていうのは、本当に難しいことだと思います。
「育ってきた環境が違うから」それぞれの思う"良いもの"も違うし、そこにたどり着くまでの方法論だって違う。
だからこそ、コミュニケーションをとりながら、ときどきぶつかったりしながら、ああでもないこうでもないとやるわけです。
誰かひとりが「自己実現のために」や「自己肯定のために」を優先順位の最高位に据えてしまうと、全体としての歩みが狂ってしまうし
かといって、全体の善を優先するがゆえに、個々人の自己実現や自己肯定を踏み潰しながら進んでいくのは絶対に違うし。
それぞれに、稽古場での居方のクセみたいなのがあるわけですが、本番が近くなってくると「本番をどういうダイナミズムで迎えたいか」の思いにも個人差が出てきます。
僕は、場当たりだろうがゲネプロだろうが本番期間の途中だろうが、「より良くするための演出的変更」は望むところだ!ってかんじなのですが、全員が全員、そうであるわけではない。
事故や怪我を防ぐためにも、あくまでも稽古場で積み上げてきたことを舞台上に具現化することが大切だ、という考え方にも深く賛同します。
つまりは、「その瞬間に、そこに集まった人たちで、何ができるか」なのだと思います。そこにいる人たちの力以上のことは、できないわけだし。
今日はこのあと、ゲネプロです。衣装をつけての、本番同様の最終稽古です。
明日はいよいよ初日。
ひきつづき、がんばります。
読んでくださってありがとうございました!サポートいただいたお金は、表現者として僕がパワーアップするためのいろいろに使わせていただきます。パフォーマンスで恩返しができますように。