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山とコロナとある紳士

世の中、コロナコロナでもう大変です。

電車に乗れば8割近くの人がマスクをしているにも関わらず、どの薬局に行ってもマスクは売り切れ。

アマゾンでマスクを検索すれば、異常なまでの高値表示。

世間を広く見渡せば、ディズニーランドもUSJも営業を停止し、各地のライブもコンサートも軒並み中止。株価も恐ろしいほどの急降下でニュース速報にもなる始末。

日本全体がコロナで振り回されていると言ったところでしょうか。

しかし、私は思います。これだけ世間を騒がせる出来事にも必ず裏の顔がある。つまり、コロナというピンチの裏には何かしらのチャンスが転がっているのではないかと。

そこを見極めて大儲けしよう!ということではありません。今まで気づかなかったことが、コロナ騒動によってあることに気づくことができた、ということです。

テレワークでの業務や時差出勤もその1つではないでしょうか。これまで判を押したように決まった時間にオフィスに出勤し、パソコンを開き、カタカタと仕事をする。定時になれば帰宅し、夕食を食べて寝る。

コロナ騒動は、そんな当たり前の生活に一石を投じることになったわけです。

時差出勤で仕事にゆとりができ、テレワークで時間に余裕が生まれる。そうなるとまた新たなことをする気持ちの余裕が生まれることになる。

当然、休みの日の過ごし方も変わってくるはずです。これまで休みを有意義に過ごそうと大型テーマパークやライブ、コンサートに出かける人も多かったはずですが、コロナ騒動でどこも営業停止の開催中止。コロナ騒動は、判を押したような休みの過ごし方にも一石を投じることになったわけです。

先日、ある紳士から登山ガイドの依頼をいただき、山にお連れしました。最初にカフェでお会いした時のその方は、高級そうなスーツをビシッと着こなして、手にはワニ皮の超高級(そうな)ビジネスバッグ。おしゃれにヒゲを生やしたやり手ビジネスマンでした。

話を聞くとやはり世界を股にかけるビジネスマンで、訳あってしばらくは日本で休養をとるとのこと。

登山の日時と行程をお伝えし、後日登山口最寄り駅でお会いしたその方は、最新の登山服を身に纏い、目にはカッコいいサングラス、完璧な登山スタイルでの登場!

なんと、この日のために登山用品店で全て揃えられたとのことでした。

山道で私は質問してみました。なぜ山に登ろうと思ったのかと。するとこんな回答が返ってきました。

「イタリアで休暇を過ごすはずだったが、コロナの影響で入国できなくなり、仕方なく日本に帰ってきたが、日本でも状況は同じ。そこで山にでも登ってみようかと思い立った。」

またその方は、コロナ騒動がなければ山に登るなど考えもしなかっただろうともおっしゃっていました。

依頼者たっての希望で少し厳しめの山にお連れしたため、登山中はやはり少し辛そうでしたが、山頂に到着した時の表情は本当に満足げで、本当に嬉しそうな顔をされていました。

そして恒例の山頂ランチは、シンプルにきつねうどんをご提供。すると・・

「これまで何度も高級料理店で食事をしてきたが、これほど美味いランチは食ったことがない!」とのことでした!

その後下山し、駅に到着してその日のガイドは終了、お別れの際はこんなことをおっしゃっていました。

「コロナのせいで散々な目にあったが、そのおかげで登山という楽しみができた。コロナに感謝しなきゃな!」

コロナ騒動は確かに未曾有の大惨事ですが、考え方次第では新たな気づきを得るチャンスにもなる。今回の紳士のように何事も前向きに捉える姿勢は、私も見習うべきと気付かされたのでした。

今回の紳士のように登山をしてみようと思い立った方は、是非ともツアーに参加してみてくださいね!

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