見出し画像

イラストができるまで

ヤマノ印刷 企画・校正担当Aです。
先日、定期刊行物についてのお話をさせていただきましたが、その記事のヘッダーイラスト。実は描き下ろしで描いていたのですが、見ていただけましたでしょうか?(笑)

ヤマノ印刷では、イラストや漫画の制作も承っています。制作物に彩りを添えたり、内容を分かりやすく説明するために効果的です。

今回は、このヘッダーイラストを例に、どうやってイラストが出来上がっていくのかを簡単にご紹介いたします。

1.    ざっくりしたラフ

まず、紙にざっくりとしたラフを描いていきます。
このあたりに人物を配置して、どちらを向いて何を持っているかなど、頭の中のイメージを薄く描いてみて、全体のバランスを取ります。
まだ、細かいところは決めません。

2.    下書き

ざっくりしたラフでイメージがつかめたら、鉛筆(シャーペン)で線画の下書きをしていきます。
人物の顔の表情や、小物の形などを線にして決めていきます。
お客様からのご依頼の場合は、この時点でイメージと異なっていないかお客様に確認していただきます。
まだ、鉛筆書きなので消しゴムで修正が可能です。(逆に言うと、次の3.ペン入れの工程以降に進めば進むほど、修正が難しくなっていくため、この下書きの段階で形を決めておきたいというのがあります)

余談ですが、私の場合は黒色ではなく、水色のシャーペンで下書きを描いています。
このことは、今後の4.スキャニングの段階で少し役立ちます。

3.   ペン入れ

下書きが完成・決定したら、次は黒色のインクで線をなぞっていきます。
私の場合は、パイロットのデスクペン(万年筆の軸が細いもの)にセーラーのナノインク極黒を入れたものと、コピックマルチライナーのブラック0.8を気に入って使用しています。

4.   スキャニング

ペン入れが終わったイラストをスキャニングしてデータとして取り込むとこうなります。
ここでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、水色で描いた下書きの線が消えています。
黒で下書きをすると、ペン入れ後に消しゴムで消さなければいけないのですが、水色で描いておくとスキャンする時に黒の線だけを拾うことができるので、消しゴムの手間が省けます。

5.   着色

スキャンした線画をパソコンのお絵描きソフトで着色していきます。

①    範囲選択

塗りたい範囲をクリックして選択します。
ここでは、弊社キャラクターのヤマちゃんの髪の毛部分を選択しています。

②    ベタ塗り

選択した部分に、髪の毛の紺色が均等に塗られました。

③    影付け(アタリ)

紺色一色だけだと奥行きが感じられないので、少し濃い色で影を付けていきます。
何となく暗くなりそうな部分に濃い色を置いていきます。

④    影付け(馴染ませ)

自然に感じられるように、濃い色と地の色の境界線を馴染ませます。

⑤    光を入れる

最後にハイライト(光)を表現するために白に近い色をポイントで置きます。
これがあることで、髪の毛がツヤツヤしているように感じられます。
紙や布など光沢のない素材を描いた場合は割愛することもあります。

この①~⑤の工程を、全ての部分で繰り返していきます。

6.完成!

そうして完成したヘッダーイラストがこちらです!


いかがでしたでしょうか?!
イラストを描いたことのある方には、お馴染みの基本的な作業かと思いますが、描いたことのない方にも、どのような工程が行われているかイメージが湧きましたら幸いです。

※今回ご紹介したイラストの絵柄や作成方法は一例になります。担当スタッフや状況によって変わってきますので、ご依頼の際はご相談ください。