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めまいがしてひまを謳歌した日の記録

「またかぁ」
ぐわんぐわんしている壁を見て眉をしかめた今日は、朝から回転性のめまいがした。

20代半ばくらいから、年に何回かめまいを起こすようになった。
会社に勤めていた頃は過労とか、ストレスとか寝不足が原因だと思っていた。
季節の寒暖差もめまいの原因だと知ったのは、たしか昨年のこと。

昨日は暑く、今日は少し涼しいくらいの気温だったので、それが起きたのだ。

「あぁ……今来るのはちょっと面倒」

納期にはまだ余裕があるけれど、自分としては気持ち的になる早で仕上げたい原稿があった。音声チェックをしていたので、最終チェックを終えたら3記事ほど提出する予定だった。

こういうとき、大体午前中はめまいが強く、顔を洗おうと下を向いたらまた回ってしまう……みたいなことがある。そのため、もしできれば、仕事は午後からすることにした。

気温差が7度以上あると、めまいが起こりやすいらしい。寝る時にどうしても足首が冷えてしまうときがあるので、100均へレッグウォーマーを見に行った。あまりしっかりしたものだと足を締め付けてしまって良くない気がしたので、100均のゴムのゆるさがちょうどよかった。

お目当てのレッグウォーマーを購入したら、食材を買いにスーパーへ。
オープンしてすぐの時間に買い物できることが、うれしい。

夏の暑い日は涼しい夕方に買い物に行くようにしていたが、今は午前中でもわりと出かけられるような気温の日も増えてきた。
午前中に並ぶ野菜は大ぶりのものや質の良いものがあり、見ていて楽しい。

そういえば、会社員時代の金曜といえば、ゆ〜っくりスーパーを回って知らない商品をじっくり見るのが好きだった。

スーパーで、もともと買いたかった卵や乳製品、それになんだか新鮮そうな顔をしていた小松菜をはじめとする野菜を入れてレジへ。
本当は肉も買ってもよかったけれど、買い物を口実に秋の散歩に出かけるため、毎日必要なものをちょっとずつ買うのも悪くない。
冷蔵庫には鶏もも肉があるので、今日は肉コーナーを足早に去った。

家に帰って11時過ぎ。
クライアントから連絡が来ていたので、対応してなる早で返さなければ。
あとコミュニティの連絡も見なければ。

対応する箇所は自分の情報をフォーマットに入力することくらいだったので、すぐに完了した。

お昼はパスタにした。
このお昼の時間が毎日好きで、昼にクリームパスタを作っているようなときはなんとも幸せな気持ちになる。
これは、フルタイムで仕事をしているとき、疲れてさほど料理できないときが続き、しなしなのほうれん草が冷蔵庫の奥から出てきて「一生をこんな形で終えさせてごめん」と思ったところからきている。

傷みそうな野菜があるのにコンビニでお弁当を買って食べているときに「なんて動線が悪いんだ」と思ったところからもきている。

お昼を終えて少し横になった。
パワーナップの気持ちでいたが、寝転ぶとまた少し、壁がくるくると回った。
今日のめまいは、かまってちゃんだ。

右を向いたら回るけれど、左を向いたら大丈夫みたいなことがあるため、大丈夫なほうに顔を向けて少し瞑想した。疲労感が足りないのか、眠れなかった。

30分くらい仕事してもいいだろう……と思ってパソコンを開いた。
作成中のドキュメントを開いたらなんだかまたくらくらした。

(今日は仕事しちゃだめな日ってことか)

こういう不可抗力がかかったときは、よく「天からの指令だ」と思っている。
信仰しているものや思想はないのだが、おそらく天からなんかすごい偉い人が見ていて「あ、今日こいつ頑張ったらだめになるから、めまいでも起こさせとこう」って見えないビームを放っているに違いない。

パソコンを閉じてまた瞑想スタイルに入った。
とはいえ、ひまだ。
普段パソコンで仕事をしているし、家にいると何かしら家事をしたり目につくあれこれをしていると「ひまだ」と思うことは、まずない。

だが今日は、ひまを謳歌する日にした。
俵万智さん風にいうと「ひま記念日」だ。

横になって大丈夫な方向を向き、YouTubeをだらだらと眺めることにした。
見たのはローランドさんのYouTubeだ。
ローランドさんのポジティブマインドや名言が好きで、たまに見て楽しい気持ちになっている。石川県に訪れて講演されたみたいだ。そういえば一度行ってみたいな、石川県。
震災のイメージが石川県全体で起こっているものだととらえられて、そのイメージから観光客が減っているみたいな話があったかな。

そのあとも、これでもかというくらいにだらだらとYouTubeを眺めた。
以前、YouTubeでカズレーザーさんがおっしゃっていた「一度きりの人生なんだからダラダラした方がいい」という言葉をショーシャンクのように浴び、今日の自分におろした。
こういうダラダラしているときに、自分を正当化するような言葉を流行語大賞にしたい。

YouTubeをだらだらと眺めてリビングの椅子に座ったら、メモ用紙が目に入った。
何気なくボールペンでちゃちゃっとイラストを描いた。
本当〜に、テキトーに下書きなしでちゃちゃっとイラストを描くときが、よくある。
なんだか今日の気分をうまく表せるようなイラストを描けた。
気に入ったので、色鉛筆を出してきてテキトーに色を足した。
裏紙に描いた、デタラメなイラスト。

ちょっとして「そろそろ本当に寝といたほうがいいなと思ったので、ベッドに行くことにした。次の日はアポが2件ある。めまいっていうのは厄介なもので、急に来るし急に治まるので、次の日が大丈夫なのか、ダメなのかが自分でもわからない。

大丈夫な可能性を高めるために能動的回復を図った。
……が、全然眠くならないため、また大丈夫な方向を向いてだらだらとスマホを見た。
ふと、日記アプリが目についた。2022年〜2023年まで使っていた。今は紙の日記を使い、書けるときは書くみたいな感じでゆるっと仕事のことを書いている。

「そういえばどんなこと書いてたっけ?」
そう思って開いてみた。

2022年、テレワーク中に見た富士山がきれいだと書かれていた。
あと、とにかく眠いと書いている日が多かった。Kindleの出版準備をしているらしい。

2023年、金融ライターになろうか、Kindleを書き続けようか迷っているらしい。
今、どちらもしておらず、今興味のある別分野で執筆している。未来は予測できないものだ。
別の日は「家にいて掃除や洗濯をしていたい」と書いている。
今、まさにそんな生活をしているぞ。1年で変わるものだ。
あと「デザインを9枚作った。なんだかこの作業は全然疲れない。楽しい」と書いてある。
そういえば、ライティングも嫌いではないけれど、デザインとはイラストを描く仕事も、なんとなく興味がある。
あと「休んだら顔のコリがなくなった。仕事しないことって、健康につながる」と書いてある。
いろいろな自分の体験や気持ちを都度綴っていたことから、ほどほどな仕事が幸福度を上げると仮説を立てて実行しているのが、今だ。
あと「昇進はアリジゴクの巣だ」って書いてある。
極論すぎて笑ったけれど、その当時の正直な気持ちだと思った。

もうなんとなく見たいものも尽きたので、目を閉じた。30分くらいまどろめた気がする。

そろそろ夕食を作る時間だ。今日はさつまいもシチューの予定だ。
本調子ではないので諦めようかとも思ったが、下を向いてぐるぐる回ってしまうほどではなかったので、具材を切ってコトコト煮込んだ。
いつもアクをレードルで取り除くのだが、アク取りシートみたいなものがあってもいい気がする。そんなことを思ったが、アクを取りたいときなんてそんなに頻繁にこない気がする。
そのうちに「アク取りシート、どこにしまったっけ」とか思いそうだったので、いらないかと思った。

シチューを食べ、ついでに体に良さそうなもずくやら梅干しやら納豆やらを食べて願掛けとした。明日は目が回らないでほしい。頼んだ。
もしも明日目が回ったとしたら、こんな日記をつらつらと書いていた今宵の自分をうらむだろう。

さて次の日はどうなったのだろうか。知りたい方は以下の記事へどうぞ。

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