【Vol.7】複数のステイクホルダーが意思決定に関与する場合
前回はビジネススキルとは少し離れて、(息抜きで)私の子育てのために決意した移住やマンションリノベについて投稿しました。
当初noteを始めた目的は、転職をきっかけに「有休消化期間中にこれまで得た知見をまとめておこう」でしたが、次の会社が来週の月曜からスタート。
のんびり過ごしていたので、気づけば発信が全然追いつきそうにないです。
(昨晩も早々に娘を寝かしつけ、3時間ほどStray KidsのMV鑑賞しながらストレッチして1日を終えてしまった…)
ビジネススキル編は今回とあと1回くらいにまとめておいて(少し諦め)、近々満を持して アラフォーのStray Kidsへの熱い想いも綴りたいなと思います。
前々回は決裁者商談におけるポイントに関してまとめました。
今回は「決裁者」「影響者」「推進者」など複数のステイクホルダーが意思決定に関与する場合の進め方に関して、です。
顧客にとっても「導入」ではなく「活用」がゴール
誰のYESが必要?
・サービス利用者が決裁者のみ
・決裁者直轄の部署のみなど、サービス利用範囲が限定的
・利用範囲に関わらず決裁者トップダウン
上記においては、決裁者との商談で意思決定がなされ得るかと思います。
前職は建設業の現場で活用いただくproductだったため
「実際に利用するのは現場なので、現場の意見を聞かないと」というケースが頻繁にありました。
推進者の合意後は、この先「誰がYESと言えば良いか」の確認が必要です。
【1】【2】【3】いずれかで、次の場設定でのゴールが異なってくるからです。
巻き込む人は最小限に
課題を感じていても「現状維持」せざるを得ないほどの多忙に追われている人は珍しくありません。
建設業界のようにアナログな手法がまだ根強い業界は、大半がそうだったように感じます。
「新しいことを覚える・覚えさせる」には一定のパワーが必要だからです。
「他者にも意見を聞かないといけない」と言われた場合は
①人により視野と視座は異なるので、広く意見聞けば聞くほど分散する
②(契約後の)利用浸透までのプロセス段階での巻き込みでは不可なのか
大きく上記2つを確認。
その上で、意思決定に複数のステイクホルダーを巻き込む必然性があれば、進め方に関して推進者と整理していきます。
推進者合意後のステップ
ここでも大切なことは事前準備
推進者と次回、複数の人に向けてのプレゼンを設定できた(もしくは設定に向けてこれから動く)場合の大まかなヒアリング項目です。
場の目的を冒頭話してもらう根回し完了しているか(YES or NO)
推進者の社内影響度
参加人数
参加者全員の氏名
参加者全員の部署・役割
参加者全員の年齢・年代
意思決定におけるキーマン
想定反対者
想定ネック
プレゼン後の意志決定の流れ
所感回収の場設定やプレゼン後の社内確認フロー
結論回収日
特に太字の4つが重要です。
複数参加される場合は、その中でのキーマンやパワーバランス、
その中での各人のリアクションを想定し、誰が反対する可能性があるか、その具体をお聞きします。
オンラインでの商談は背景情報が読み取りにくいため、ここでもやはり推進者を巻き込んだ事前準備が肝になります。
組織図では表せない人間関係
企業規模関わらず、「役職はこの人が上だけど実際のパワーバランスは別」というケースもあります。
相手が「推進者」から「強力な推進者」になった場合は
組織図にない人間関係を教えていただき、商談プロセスを一緒に策定していくことも多々ありました。
誰の合意を得ることができるとよいか、
逆に誰に先に話を通してしまうと不味いか、など
こういった情報こそ必要です。
1対Nプレゼン当日に気をつけること
冒頭で推進者が明言
推進者=決裁者であり合意済み、あとは現場の意見を聞く状況においては
改めてその日の目的がいずれかを確認します。
①導入は前提(金額面含め)で、あとは操作確認の場
②導入に向けて検討する場
その上で、前者の場合はプレゼン冒頭で推進者より場設定やその目的(①であること)をしっかりと話して頂き
参加者が「意思決定するべき場なのか否か」を明確にします。
これを相手から見た社外の人(営業)ではなく、社内の人(推進者)に伝えて頂くことが、耳を傾けて頂く準備に繋がります。
その場でカンペを作成
対面商談の場合は、商談の会議室に向かう途中での他の社員とのやりとりや、雑談踏まえ人間関係の手がかりを掴むこともできます。
オンラインでは名刺交換もできないため
①商談の冒頭、もしくは②概要説明後に(このタイミングはケースバイケース)
「本日の参加者」と言うスライドを1枚用意し
参加者に簡単に自己紹介いただき、その内容を加筆していきます。
お名前や所属、役職を事前に推進者から教えて頂いている場合は、記載しておきます。
当日急に参加者が変更したり、推進者多忙で確認できない場合などはそれらの確認から入ります。
各登場人物の「業務内容」「ご関心どころ」を箇条書きでまとめます。
スライドに加筆していくことで、齟齬がないか確認をとりながらヒアリングを進めることができます。
この「誰」が「どんな仕事」をしていて「何に関心があるか、または懸念があるか」を押さえておくことが後のプレゼン中のカンペとなります。
一方的に自社のproductの説明をするのでは無く、1人1人の困りごとに対して何ができるかの観点を持って進めていくためです。
「新たに参加した人の合意を得る」ことに集中
1人1人の想いをお聞きした上で、「推進者のニーズと他者のニーズは異なるかもしれない」ため、
当日は「新たに参加した人の合意を得る」ことに集中します。
とにかく簡単・シンプルに分かりやすく(単語注意)
必要に応じて案内する内容・機能を絞る
前回の評価ポイントは今回の参加者にとっては蛇足になるかもしれないので省く
前回の評価ポイントは全社としての共通点なので今回も伝える
こういった調整を図りながら、求められているものに対して何がピンポイントで相手のニーズに応えることができるか考え、臨機応変に取捨選択していきます。
productのデモンストレーションの際は、顧客に画面共有している画面とは別で(要ディスプレイ)当日の参加者に関してヒアリングしたスライドを投影し、カンペにします。
デモの際に
「**さんの今やられている▲▲の業務に置き換わる部分です」
「□□さんが今課題に感じられていると仰せでした、○○が解消できると思います」
など、お名前を伝え(ただその場にいて話を聞いているだけではなく)意思決定・活用の当事者であることを認識いただくため、です。
あとは、眠気防止施策でもあります(笑)
6〜8人くらいが参加する場でも、冒頭で1人1人の関心どころを伺っておけばその後のプレゼンがシンプルになりました。
感覚的な話になりますが(前提として絞ってもらった上で)
それ以上の人数になりそうな場合は、商談の所要時間を長めに設定してもらうこと、当日ヒアリングに時間がさけなさそうであれば選択式のWEBアンケートを用意し、1人ずつ事前回答いただくなどの工夫も。
プレゼン後の意思確認
参加者の感想・懸念点はないか
決裁者が参加した場合、具体的な感想・懸念点
懸念が出た場合、払拭のためのロジック有無
結論回収日
それまでに実施されるイベントの有無と詳細
これらをお聞きしますが、一番は「推進者自身の導入したい気持ちに変わりないか」です。
仮に社内反発が出た場合でも、推進者にその状況を覆すまでの熱意が冷めていなければ、一緒に再度チャレンジできるからです。
今回は「決裁者」「影響者」「推進者」など複数のステイクホルダーが意思決定に関与する場合の進め方に関して、大まかなまとめでした。
次回は、転職前のビジネススキル棚卸しシリーズ(?)最終回です!
「フルリモートでの他拠点メンバーマネジメント」に関してまとめようと思います。
ここまで長文に目を通してくださり、ありがとうございました。
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