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カンパチかまで泣く(2024.03.06)


※写真はブリかまです。

ちょっと前になるけど、ものすごいバイタリティーとユーモアと料理のセンスを持ってらっしゃる「生まれたてのおっさん」さん(名前が最高にイカしてる)がカンパチかまについて書かれていて、私は深く共感した。

そして我が家には、定期的にカンパチかまをおすそ分けしてくださるご近所さんがいて、だいたいカンパチかま(時々鯛かまやブリかまも頂ける)が冷凍庫に保存されている。有難い。

そして先日、いつもお世話になっているお礼にとちょっと良い卵を差し上げたところ、お返しにまたまたカンパチかまを頂けた。しかもいつもよりずっと大きいやつ。

「海老で鯛を釣る」とはまさにこの事で、妻と私はなんだか申し訳ない気持ちになった。うちが差し上げた卵なんかより、カンパチかまの方が何倍もすごいのだ。

そして今日の夕飯はこのカンパチかまに少しの塩をふりかけて焼いたものだった。どーんと食卓に鎮座ましますカンパチかま様。写真に撮れば良かったのだが、私が下の子二人の風呂上りの作業に手こずっている間に長男がガンガン食べてしまって写真に撮るどころではなかった。

しかしこのカンパチかまはものすごく美味かった。身の中に旨味という旨味が凝縮されていた。ただ塩焼きしただけなのに、どうしてこんなに美味いんだと思った。私が減塩生活をしていて味覚が多少鋭敏になっているせいもあるのかもしれないが、衝撃的なくらい美味かった。「ああ、実家の両親に食べさせてあげたい」とひさびさにそんな事を思ったくらいだ(実家では美味しい魚を食べた記憶があまりない)。

私はあまりの美味さに目を閉じて黙り込んでしまった。涙が出そうだった。というか実際ちょっと泣いた。そして妻に「上半期で一番美味い」と言った。色々と手の込んだ料理を作ってくれている妻に対して何気に失礼なのだが、カンパチかまのあまりの美味さに妻はその言葉を少しも失礼に思わなかったみたいだった。

子供たちもカンパチかまを残さず全部食べた。普段肉も魚も残しがちでふりかけご飯ばかり食べている長女と次男もカンパチかまについては例外だった。美味しい美味しいと喜んで食べていた。

この美味すぎるカンパチかまのお礼をどうやって返そうかと思案したが、到底思いつかなかった。太刀打ちできないと思った。

でもそうやってお返しに困りながらも、「またもらえないかなぁ」と一方で考えているので、つくづく自分は食に対して卑しいなぁと思った。

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