温泉チャンス!その22【日の出温泉】(2024.11.11)
仕事を早退した。妻が職場で勉強会があると言う事で帰りが遅くなり、代わりに私が子供たちのお迎えをしなければならないからだ。
それで本来ならば1時間早退すれば済むところを余計に2時間早退して、私は温泉へ行くことにした。そうやって、誰からも関与される事のない空白の1時間を私は手に入れる事が出来るのだ。
行った先は「日の出温泉」。実はここは通勤時の行きと帰りに毎日2回前を通る温泉なのだが、今まで行く事がなかった。灯台下暗しだ。
そんなわけで、「日の出温泉」はバリバリ国道沿いにあって、交通量も多い。が、小さな共同浴場であるのに、案外駐車場が充実している。
中へ入ると、すごく中途半端な時間に関わらず、ちゃんと受付の人がいた。私はそこで200円を支払って、男湯の暖簾をくぐった。
浴場は半地下になっていて、受付から少し階段を下りると、脱衣所と地続きで浴場がある。最初誰もいなかったので私は急いで写真を撮った。
すぐに後から他の入浴客の方がいらしたので、私は写真を撮るのをやめた。そして挨拶をして脱衣。かけ湯して浴槽に浸かった。
めちゃくちゃ熱かった。思わず声が出た。「あっっつ!」と言って。45℃くらいあるだろうか、噂には聞いていたが、やはり熱い。だがそれが良い。
この辺り、別府の海の近くの温泉はほぼ匂いもなくサラサラのお湯であるのだが、だいたいどこも熱い。体感的にはどこも44℃くらいな感じがある。そして熱いのだが、なぜだか体に馴染んで長く浸かっている事が出来る。
この「日の出温泉」もすごく熱いのにも関わらず、お湯が優しい。後から来た方は慣れた感じで水をドボドボ足し始めたが、私はそのままでも入っていられた。とても気持ちが良かった。凝り固まった疲れがほぐされて、お湯の中に溶けていくようだった。
浴槽の傍らでは後から来た方が体を洗い始めていた。地べたに胡坐をかいて座り、ゴシゴシ体をこすっている。女湯の方からは楽し気な声がかすかに聞こえてくる。
外は国道。片道3車線で車がバンバン走っている。にもかかわらずここはとても静かで、わずかな音しか聞こえない。お湯が体に沁みわたる音が聞こえてきそうなくらいだ。
私はお湯を十分に堪能して、温泉を出た。駐車場に戻ると、目の前の国道をすごいスピードで車が走っている。私は車が途切れるのを待って、一番手前の車線に滑り込んだ。