夏祭り(2回目)(2024.08.03)
夏祭りに行った。長女(4歳)が幼稚園のマーチングで再び夏祭りに参加するので、またまたその付き添いで家族全員で行ったのだ。
隣の家に住むご主人がその夏祭りには以前よく行ってたらしく、めちゃくちゃ暑いと言っていた。そんな事聞かなきゃよかったと思った。
あまりに暑いというので、幼稚園も警戒して、本来あったリハーサルを省いて、集合時間を遅らせてきた。どんだけ暑いんだろうと怖くなった。
集合したのは夕方4時半。太陽はまだ高い位置にあって、沈む先である山の稜線はまだずっと遠くにあった。大きな漁港のえんえんコンクリートが打たれた海の際で行われる祭り。日陰もあんまりなくて、ものすごく暑い。
夕方5時。夏祭りの開催が高らかに宣言されて、憎たらしいくらい青い空に爆竹の白い煙が舞った。長女のマーチングは祭りの初っ端にあって、灼熱の太陽にふんだんに熱せられたコンクリートの上で身長100センチかそこらの子供たちがマーチングをやる。
子供たちは皆顔を赤くして、汗を滲ませているが、その目は真剣そのものだ。なぜ、こんなにマーチングに一生懸命になれるのだろうかと思った。長女もでっかいフラッグを左右に振って健気に演技をしている。大人たちはこの暑さの中でただもうそれだけで死にそうなのに、どんだけえらいんだと思う。
その子供たちを見守る先生方も、そのお世話を必死に、しかし笑顔を絶やさずやっておられて、尊敬しかなかった。私にはとてもできそうにないなと思った。私といえば、「これが終わったあと皆で打ち上げとか行くのかな?ビールがさぞ美味しいだろうなぁ」とかそういう余計な事ばかり考えていた。多分あの場所で私が一番薄汚れた存在だっただろう。
夜8時からは花火が上がる予定だった。でも我が家は早々に帰ってうどんでも食べに行くのだろうなと思っていたが、長女が「花火を見たい」というので、花火の時間まで残る事にした。
昼寝をしなかった次男(3歳)が力尽きて眠ってしまい、私は次男を途中から抱っこせねばならなかった。でも私はもう全然平気だった。暑さにも慣れて、楽しい気持ちになっていた。ようやく太陽も沈みそうだったし。
ものすごい人だかりだった。次男が眠ってしまったので一旦車に戻って妻がファミマで買って来たファミチキやおにぎりなどを皆で食べていたのだが、近くの駅からひっきりなしに人の波が押し寄せてきた。こりゃ帰りはひどい渋滞になるなと思った。
8時。花火が始まった。私は目が覚めた次男を抱っこして、車を離れ、人ごみを掻き分けて花火が打ちあがるすぐそばまで行った。大勢の人たちが埋め尽くすコンクリートのその向こう、堤防の上から花火が上がった。
私に抱っこされながら、次男は特に驚くとか歓声を上げるとかする事もなく、ただじっと花火を見つめていた。何も考えていない黒く澄んだ目に花火が映っていた。
それから私は車のところに戻って、長女が座る横に腰を下ろした。長女はマーチングをした際の裾の短い浴衣を着たままだった。長女も次男同様昼寝をしていなかったが、まだ元気そのもので、目を輝かせて花火を見ていた。
それでどういうつもりかしらないが、まるで恋人がそうするみたいに私に体を預けてきたので、私はちょっとどぎまぎした。「この野郎、もうそういうアレを身に着けてやがるのか」と思ったりした。まだ4歳なのに。
帰りは案の定渋滞に巻き込まれて、車はとんと動かなかった。ようやく家に帰りついたのはもう10時過ぎ。帰るやいなや、私は子供ら全員を芋でも洗うみたいにシャワーを浴びせた。
皆が寝静まり、妻がシャワーに行ってから、私は残ったファミチキとカルパスを肴に、缶チューハイを飲んだ。めちゃくちゃ美味かった。
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