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ワーク・エンゲイジメントに着目した我が国における「働きがい」の概況(正社員)(令和元年版「労働経済の分析」より)

ワーク・エンゲイジメントに着目した我が国における「働きがい」の概況(正社員)です。

これは、(独)労働政策研究・研修機構が2019年に正社員対象に調査した結果を元に分析されたものです。
「熱意」「活力」「没頭」というワーク・エンゲイジメントの構成要素を調べるため、
「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」(活力)、
「仕事に熱心に取り組んでいる」(熱意)、
「仕事をしていると、つい夢中になってしまう」(没頭)
といった質問をし、回答の選択肢を、
「いつも感じる(=6点)」
「よく感じる(=4.5点)」
「時々感じる(=3点)」
「めったに感じない(=1.5点)」
「全く感じない(=0点)」
として調査したものです。
「活力」「熱意」「没頭」の3項目全てに回答している16,579サンプルについて、1項目当たりの平均値として算出したそうです。

以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。
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●ワーク・エンゲイジメント・スコアは、加齢又は職位・職責の高まりに伴って、高まる傾向がみられることに加えて、「教育関連専門職」「管理職(リーダー職を含む)」「接客・サービス職」などの非定型的業務の比重が高いと思われる職種では高い傾向にある

ここからは、(独)労働政策研究・研修機構が2019年に調査を実施した「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」(注)を活用し、スコア化したワーク・エンゲイジメントをめぐる状況を考察することで、我が国における「働きがい」の現状を示していきたい。

(注)本調査は、2019年2月末時点の状況について、調査を実施しており、企業調査票は4,599サンプル(有効回答率23.0%)、正社員調査票は16,752サンプル(有効回答率16.4%)の回答を得ている。

同調査では、企業調査及び正社員調査を実施しており、例えば、正社員調査では、ワーク・エンゲイジメントの下位因子に着目して、調査時点の主な仕事に対する認識として、「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」(活力)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(熱意)、「仕事をしていると、つい夢中になってしまう」(没頭)といった質問項目が盛り込まれている。
当該質問項目に対して、「いつも感じる(=6点)」「よく感じる(=4.5点)」「時々感じる(=3点)」「めったに感じない(=1.5点)」「全く感じない(=0点)」とスコアを付した上で、「活力」「熱意」「没頭」の3項目に関する1項目当たりの平均値を算出し、ワーク・エンゲイジメント・スコアとしている(注)。

(注)ワーク・エンゲイジメントの測定に当たっては、ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(Utrecht Work Engagement Scale:UWES)が最も広く活用されており、通常、「活力」「熱意」「没頭」といった下位因子を17項目の質問で測定している。その他、UWESでは、3つの因子を3項目ずつ、合計9項目の質問で測定できる短縮版、合計3項目の質問で測定できる超短縮版(Ultra-Short Measure)も開発されている。本稿におけるワーク・エンゲイジメント・スコアは、合計3項目の質問で測定できる超短縮版(Ultra-Short Measure)の質問を参考にしている。
なお、本来のUWESでは、スコア化するに当たって、「いつも感じる(=6点)」「とてもよく感じる(=5点)」「よく感じる(=4点)」「時々感じる(=3点)」「めったに感じない(=2点)」「ほとんど感じない(=1点)」「全くない(=0点)」としており、「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」では、スコアの配分方法が若干異なる点に留意が必要である。

その上で、第2-(3)-3図では、我が国の正社員のワーク・エンゲイジメント・スコアについて、様々な属性に着目しながら、その概況を示している。
まず、我が国における正社員全体のワーク・エンゲイジメント・スコアは3.42となっており、「熱意」が3.92と最も高く、次いで「没頭」が3.55となっており、「活力」が2.78と低くなっている状況にあることが分かる。
性別でみると、男性と比較し、女性のワーク・エンゲイジメント・スコアがやや高く、「活力」は男性より低いが、「熱意」「没頭」は男性より高い状況がうかがえる。
年齢別又は役職別にみると、加齢又は職位・職責の高まりにともなって、ワーク・エンゲイジメント・スコアは高くなっていく傾向にある。こうした傾向は、加齢又は職位・職責の高まりに伴って、自己効力感(仕事への自信)や仕事を通じた成長実感が高まることに加えて、仕事にコントロールが効きやすくなること、また、難易度が高めの仕事に挑戦する機会が増えることなどが影響している可能性が考えられる。
他方、ワーク・エンゲイジメント・スコアの平均値からは、居住地や勤め先企業の規模によって、特定の傾向はみられない結果となった。
さらに、職種別にみると、「輸送・機械運転職」「事務職(一般事務等)」「建設・採掘職」「製造・生産工程職」などの定型的業務の比重が高いと思われる職種と比較し、「教育関連専門職」「管理職(リーダー職を含む)」「接客・サービス職」等といった非定型的業務の比重が高いと思われる職種では、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高い傾向にあることが分かる(注)。

(注)2019年7月4日の日本経済新聞(朝刊)の経済教室において、慶應義塾大学・山本勲教授は、AIと雇用といった観点から、「AI導入により反復的な作業が減少し、複雑な問題への対処が増加するといったタスクの高度化がみられる。さらに注目すべきは仕事のやりがいの変化だ。既にAIが導入されている労働者は仕事のやりがいが増加したと回答する一方、それ以外は減少すると予想している。同様の傾向は、経済産業研究所のプロジェクトで実施した黒田祥子・早稲田大教授と筆者による共同研究結果でも確認できる。労働者を追跡調査したパネルデータを用いると、AI導入により仕事のやりがいだけでなく、ワーク・エンゲージメント(仕事への活力・熱意・没頭)やメンタルヘルスが改善することが示された」と指摘しており、定型・非定型といった仕事の作業内容とワーク・エンゲイジメントとの間に関係があること可能性が考えられる。

つまり、定型・非定型といった仕事の作業内容は、ワーク・エンゲイジメント・スコアの水準にも影響を与えている可能性が考えられる。
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ワーク・エンゲージメントの高さが、性別や、年齢、役職、職種によって異なることがわかります。
地域や企業の規模はあまり関係がない、というのも興味深いです。
伍魚福のエンゲージメントの結果を見る際にも参考にしたいデータです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan