フィリピン開発組織を成長させるための取り組み(その2)

前回の続きです。
前の記事を見ていない方は、以下もご覧ください。
https://note.com/yamanabu75/n/n97ce9725f682

前回フィリピン組織で行っている事の一部を記載しましたが、さらに記載していきます。
(記事自体は書いてあったのですが、投稿を忘れて放置していました・・・)

カルチャーギャップの理解と教育
先に書いたようにフィリピンはベースとなる常識が日本とは違うと思って仕事をすべきだと思っています。
マネジメント側がそう認識するのも必要ですが、彼らも日系企業で仕事し、日本のクライアントから対価をもらい、それで給料が支払う事ができるわけですが、彼らにも日本のことを理解してもらう必要があります。

2019年からフィリピン人の組織開発担当を採用し、社内研修をやるようにしました。
新入社員向けのビジネスマナー研修から、7つの習慣のセミナーや日比のカルチャーギャップなど。
いろいろやり方は変わっていますが、当初は毎週金曜日に社内セミナーをやっていたと記憶しています。

「カトリック」というものを(完全には理解できずとも)知ろうとする、ということを我々のような外国人のマネジメントの人間は必要だと思っています。

次の離職率低下にも関係しますが、勤続年数の長い社員を日本に連れてきて研修させるといったことも過去に行いました。
(また出来ればとは思いますが、コロナ禍により停止中)

離職率低下のための施策
ちゃんとしたデータは持っていないので定かではないですが、以前こういったことを言っていた人がいました。
「フィリピン人のITエンジニアは、経験年数と同じだけ転職している」
ようは、1年に1回くらい転職するということですが、そんな状態でまともな組織経営が出来るとは思えません。
YNS Philippinesが少しずつでも成長できているのは、そうはならずに初期メンバーも含めその他古参のメンバーが多く残ってくれているからだと思っています。
ですので、以前から重要だと思って取り組んでいることは離職率の低下です。

今はかなり変わってきているかと思いますが、数十年前は終身雇用と言われていた日本と違い、フィリピン人の仕事観はドライです。以前の記事で 「仕事 < 家族」 と記載もしましたが、家庭の都合で簡単に辞める人もいましたし、ステップアップだといって特に不満はなくとも辞める人も少なくありません。

フィリピンのITエンジニアの転職市場としては、新卒や未経験の人は、まずはどうにかして経験を積ませてもらうところを探す、といったところだと思います。そこから、ちゃんと数年経験を積めれば、今度は自分を高く買ってもらうステージに上がれます。
そのステージにきた社員を放っておくと、特に不満があるようには見えずとも転職活動をしていて、良い給料でオファーがもらえたら「新しいチャンスのため」といって辞めていきます。

上記がフィリピンのITエンジニア事情で、弊社として行っている事を書いておきます。
エンゲージメントを高めるための施策
・毎月社内イベントを実施
といっても、これはコロナ前までです。毎月バンディングといって、相互理解をしつつ楽しむことを目的として社内イベントを開催していました。内容としては「食事会」「ボーリング大会」「カラオケ大会」「ビリヤード大会」「バドミントン大会」「社内でゲーム大会」など。
基本的にはフィリピン人の人事チームから企画を上げてもらい、こちらは承認だけして後の運営は任せていました。

コロナになってリモートワークになってからは、オンラインで社員総会という形で3か月に一度の頻度でZoomイベントをやっています。

・アウティング(社員旅行)とクリスマスパーティー
これはほとんどの企業がやっていることなので、簡単に。フィリピンでは毎年大体夏に社員旅行に行くのが一般的です。当社では日本が休みのゴールデンウィーク中に1泊で行っていました。1日は業務時間中に、1日は休みを潰して、といった感じでやっていました。
日本だと「めんどくさい」「休みに行くなんてありえない」と言われそうですが、フィリピンでは行かないと嫌なんだそうです。

クリスマスパーティーも同様ですが、日本で言う忘年会をもっとちゃんと企画してやる感じです。
特に変わったことではないので説明は省きます。

・月1で1on1
人事担当と各スタッフが1対1で面談し、強い不満を持っていたりプライベートでトラブルが発生しているようなスタッフに対しては何等かサポートしています。

・日本での研修旅行
コロナになって止まっていますが、過去何回か実施しました。やはり日系企業で仕事しているスタッフは日本という国が好きな人が多く、日本に来たいと思っている人も多いです。

日本という国に実際に来てみる事で、「カルチャーギャップの理解」という意味でも少しは効果があるかもしれません。

・日比合同でのオンラインランチ会
今後やろうと思っていて、先日一回だけ実施したものはフィリピン人スタッフとのオンラインランチ会。
日本ではコロナ禍になってからたまに実施していましたが、日本人とフィリピン人とでというのは初めてでした。
これは、コロナ禍になってから入社したフィリピン人からしたら、仕事で関わっている日本人とはほぼ接点がなく、社長の顔すら
分からないという状態だろうと思い、自分が起案して実施しようとしています。
しばらくは試用期間が終了して正社員になったスタッフと、古参のメンバー+人事+自分という感じで調整してもらおうと考えています。



フィリピン開発拠点の立ち上げやマネージメントや主に日本でのBizDevなど。