フィリピン人エンジニアの給与事情

日本やフィリピンに限らず、ITエンジニアのニーズが世界的に急増しています。
弊社はITエンジニアを有し、それをお客様に役務提供する事で対価を得ております。しかし、今はすぐに新規のプロジェクトは請けたくてもお請けできない状況です。

そういった中で様々な取り組みをしているのですが、直近としては弊社のフィリピン人エンジニアの給与をベースアップし、採用強化(および離職対策を)することを予定しています。

今まで弊社では、新卒のフィリピン人エンジニア(4大卒)の基準は2万ペソ(今の為替レートで44,000円程度)ですが、20~25%程度上げるつもりです。
それに伴い、既存メンバーの給与も改定するつもりです。

日本人の場合、大手は分かりませんが、4大卒だと25万円程度でしょうか?20年以上前の自分の時は、18~20万円程度だったと思いました。
25万円だとすると、日本人とフィリピン人の新卒で5倍以上の差があることになります。

日本人の場合、25万円の給与を2倍にするのにどのくらい時間が必要でしょうか?
月給50万円ということであれば、年収にすると600万円以上。
優秀なITエンジニアでれば5年で到達する人もいるでしょうが、あくまでその中の平均で考えれば10~15年はかかるでしょう。

それに対し、フィリピン人ITエンジニアの場合は、これはあくまでの弊社の基準ですが、3年で2倍程度です。
ただ、もとが5分1の給与ですから、2倍にしてもまだ新卒の半分以下です。3年経験がある人であれば、プログラマとしてはそれなりに任せられるレベルです。

そこからもう2~3年経験して給与が1.5~2倍になりシニアエンジニア。
さらに2~3年経験してマネージャーと言ったイメージ。

マネージャーになると、日本人の新卒と同程度かちょっと上と言ったところでしょうか。
ここまで年数的に7~9年程度で、給与は5倍くらい。
日本に置き換えると、新卒で25万円の社員が、30くらいで月給100万円を軽く超えているイメージになります。

こう考えるとかなり違和感があるかもしれませんが、フィリピン人の場合、特にITエンジニアのような高学歴人材の場合は、英語が堪能な人が多く、今のコロナ禍でリモートワークになってしまうと、フィリピンに住んでいようがアメリカに住んでいようが、仕事が出来さえすればあまり変わりません。

英語の出来ない日本人が、自身で海外企業の仕事を請けてやるということはあまり無さそうですが、英語の出来るフィリピン人からしたら、そういったものにはそれほど抵抗はないはずで、それなりに出来るレベルになるとそういったグローバルで給与を考えなければならず、日本と同じような昇給率では雇用を維持するのは難しいのです。

給与だけで評価されるような会社にしたいとは思いませんが、コロナ禍でオフィス関係費用や交際費、旅費交通費など様々なコストが減っているのも事実なので、それらは可能な範囲で人件費に還元出来ればと考えています。

フィリピン開発拠点の立ち上げやマネージメントや主に日本でのBizDevなど。