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精進料理に目覚める3歩前 #61 養生を知る

秋の味覚を楽しむワタクシの頭は見事な毬栗である


あともう少し

を我慢するなんぞ
1カ月前の猛暑に熱せられたワタクシにはもう考えられなかったのである

陽氣な夏のエネルギーを一心に浴びたワタクシのアタマは熱氣を帯びて
分厚くその熱に蓋をして閉じ込めているカミによって
朦朧な世界を創造する

助けてちょんまげ

人生初の日傘成るものに手を伸ばしてみるも
どうやら熱と湿氣はワタクシの頭皮と重いカミの隙間が大好物のようである


どうせ

微々たる潤いなんぞ紫外線と潮風と汗によってごっそり奪われるのである

カミと心地よい関係を築くのであれば
ギシギシ傷ついていく様子を見ずに楽にお別れする方が
お互いにスッキリである

ぼんやり そんなことを思いながら
巨大な温泉施設の受付を済ませて
横にひょっこり存在している1,200円カットに吸い込まれる

雨の平日
運良く貸切状態の1,200円カットの店内で
ベリーショートを宣言してみるが

まあ
ワタクシの頑丈なカミはお洒落な響きを纏う


"ベリーショート"

なんぞ受け入れる筈も無く
すんなり生まれ持った色と相乗して
結果見事なイガグリ予備軍となる

そして
八百屋の店先につるんとした栗が並ぶ今
ワタクシの頭上には
秋の穏やかな日差しを浴びてイガグリ頭の完成である


秋の味覚を始める前に
もう少し現状に辿り着くまでの思い出を引っ張り出してみる


前回この記録をつけてから
どうやら一年も経っているらしい
毬栗になってスッキリしたアタマには
此処にアカウントがあった事すら記憶に遠い

食事から肉と乳と小麦粉を遠ざけて
アトピーさんや寒暖差、ネコ、花粉症などの
アレルギーさん方の存在を忘れて
のほほんと暮らせているものの

どうやらワタクシには体力なるものが
世の中のリズムに合わせて行けるほど存在していない

倒れるタイミングを察知出来るスキルを身に付ける事によるその回避と
ブラックアウト寸前の緩やかにチカチカと
世界が遠退いて行く視界の氣配を掴む事で
何とかのらりくらりと暮らすことに慣れていた様である

昨年末辺りから
どうにもこうにも漢方が氣になる

試しにちょっと


開いた動画に
ぬるっとはまり込んで
ずぶずぶと埋もれて溺れて


"カンポウ"や"ヨウジョウ"などと検索を繰り返し
色んな方々が解説してくださっているお動画を
あっちへふらり こっちへふらりと
観漁ってみる


そして 氣づく


どうやらワタクシが今まで目を背けて来た違和感や不調に名前が付くらしい



おえ?


アトピーさんやアレルギー方以外の不調は
どんなに毎日げろりんちょであっても
世界がぐるぐる回っていても
お腹が雷鳴を作り出しても
耳がキンキン高周波を奏でていても

ワタクシがこれまで対面した数々の白衣のお方は
皆一様に

氣のせいである
まあそれかストレス



ワタクシにとっては綿菓子みたいにふわふわとした診断と
その場をやり過ごせるであろう処方箋を与え続けてくれた

その答えに堪えたワタクシは
食事管理から始めるべく
精進料理に目覚める3歩前生活へと突入したのである


どうやら違う世界が存在しているらしい

アトピーさんやアレルギーさん以外の不調である
"キノセイ"なる不思議な精霊は
ワタクシが生きている限りひと時も離れられる事なく側にいるものである


アロンアルファなる単語が頭によぎる
その強力な結びつきを
疑う事すら忘れたのかそもそも知らなかったのか
うっかり此処までずるずる生き延びて来れたので

"キノセイ"なるワタクシの不調な精霊達に
各々 名前がつくという衝撃的な事実は

危うく買いたての
1カ月コンタクトレンズをポトリと眼から落とすところだった


数ヶ月後
ずぶずぶと溺れた漢方の沼に
こちらから意志を持って飛び込んでみる


へっぽこ体力で久しぶりに机に向かう機会に肩を強張らせつつ
講義そして余談として語られた内容があまりにも
喉から二の腕まで出そうな程欲しい情報に溢れていて
あっという間に講習期間が過ぎる

復習用のお動画に映る
先生の姿は背景のホワイトボードに照らされて
もはや神々しい


氣虚、血虚、氣滞、瘀血、水滞

とりあえず
ワタクシにツイテいる“キノセイ”なる精霊さん方の正体そして彼等のお名前である

先生が限られた時間にノリに乗ってると早口で
グイグイ詰め込んでくださった知識は
2冊のテキストを遥かに超えて

教室に並ぶ我々の顔やカラダに現れている
サインにまで氣を遣って授けてくださった
幅広知識である


兎にも角にも
すぐに実践できるものから始めよう


ここに養生ライフの幕開けである




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