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パガニーニの家族

ヴァイオリンが上手すぎて本気で悪魔だと信じられていた
19世紀のヴァイオリニスト&作曲家のニコロ・パガニーニ。
彼の人生が面白すぎて夢中になった私は、パガニーニのことを
調べまくって漫画に綴っているわけですが…

(パガニーニの人生漫画はこちらからどうぞ!↓)

せっかくnoteを始めたので、漫画以外にもコラム的なことを書けたらいいなと思い、今回はパガニーニの家族について紹介することにしました。

パガニーニ家は6人家族


本当はこの他に2人兄妹がいましたが、
生まれてまもなく亡くなってしまいました。

父アントニオ

父親のアントニオは、ジェノバの港で荷下ろしなどの仕事をしていました。
テレサとは1777年に結婚しています。
趣味でヴァイオリンやマンドリンを弾いていたアントニオ。自身の腕前は
定かではありませんが、ニコロにヴァイオリンを教えて才能を開花させたのは
(ほぼ虐待のスパルタ指導ですが)このアントニオなのです。
しかしニコロとの仲は最後まで悪かったようで、家族思いのニコロが父親には
一通の手紙も書いていません。1817年に父が亡くなったときも、ニコロは
ほぼ無視状態でした。
余談ですが、アントニオの死因は胸膜炎でした。パガニーニ研究家のDe Courcyによるとこれが結核性胸膜炎だった可能性があり、ニコロが生涯結核に苦しんだのは父親からの遺伝だったということも考えられるそうです。

母テレサ

テレサはニコロの良き理解者で、ニコロはお母さんのことが大好きでした。(後にちょっといろいろありますが…)母の手料理を恋しがり、母宛てに大量の手紙を書き、演奏で稼いだお金を定期的に送金したり、さらには土地や家をプレゼントしていました。
テレサは歌が上手で、夫の伴奏で一緒に音楽を楽しんでいたようです。
ところで、ニコロの女性の好みが”歌が上手でかわいい子”なんですよね。もしかして交際相手にママの面影を求めていたのか…な…!?(汗)

兄カルロ

カルロはニコロの4つ上のお兄さんです。詳しいことは分かっていませんが、カルロもヴァイオリンなどの楽器を弾いていたと思われます。父親は最初カルロに楽器を教えていましたが、ニコロの方が才能があると分かると弟の教育に力を注ぐようになりました。
漫画にも描きましたが、ニコロはこの兄カルロと一緒にルッカに赴き、父親の支配から逃れることに成功しました。その後カルロが真っ直ぐ家に帰ったかどうかはわかりません。それからしばらく経った後、1824年にカルロは妹のニコレッタの夫との乱闘事件に巻き込まれ、怪我をしてしまいます。そしてその怪我が原因かどうかは不明ですが、1830年、母親よりも早くカルロはこの世を去ってしまうのでした。

妹ニコレッタ

4つ下の妹ニコレッタ。ニコロと名前が似ていることにお気づきでしょうか。
実はニコロは4歳の時、重い麻疹にかかり生死をさまよいました。
もう助からないだろうと、両親がニコロを白い布に包んだ時、わずかに体が動き一命をとりとめた…というギリギリセーフなエピソードがあります。
その後もしばらくニコロは危篤な状態が続いたため、両親はニコロがダメでも名前が一族に残るようにと、次に生まれた妹に”ニコレッタ”と付けたのです。
ところでパガニーニ家の女性はダメンズウォーカーの気質があるようで、このニコレッタもなかなかのダメ男と結婚しています。夫はギソルフィというガラス職人ですが、起業するもうまくいかず、ニコロに借金をしますが返す気配を見せません。挙句、先ほど述べた兄カルロと揉め暴力沙汰になり、カルロは負傷、ギソルフィは傷害罪で逮捕されてしまいました。

妹ドミニカ

6つ下の妹ドミニカ。こちらも例に漏れずダメ男と結婚しています。
パッサドーレという夫はギャンブル中毒で、ドミニカに金を調達するよう脅していました。ドミニカは最初兄のニコロにお金を送ってもらうよう直接頼んでいましたが、次第に兄に愛想を尽かされるようになります。困ったドミニカは母を通じて…(続きは漫画で!)
パッサドーレも後に何らかの罪で逮捕され、釈放された後は妻子を置いてアメリカへ行ってしまいます。残されたドミニカは自分の子どもの養育費をニコロにせがむことに。「そこまで面倒見れん!ちょっとは自分でどうにかしろ!」と呆れるニコロと揉めている様子が手紙に残っています。

パガニーニの家族紹介、いかがでしたでしょうか。
妹2人の夫がなかなかクズ男達で、ニコロにとばっちりが来ているのが
かわいそうですよね…
パガニーニのこと、まだまだ書きたいことがあるので
興味を持ってくださったかたは今後もよろしくお願いします!

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