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Miroを活用した小学校理科の授業の記録「植物の体」

Miroで授業づくりをするとどうなるかを記録してみましょう。Miroはオンラインホワイトボードであり、インターネットを介して複数のユーザーがリアルタイムで共同作業を行うためのアプリです。物理的なホワイトボードと同様に、アイデアを書き込んだり、図を描いたり、情報を共有したりすることができますが、以下の特長があります。

1.miro(オンラインホワイトボード)の特長

(1)リアルタイムコラボレーション
複数のユーザーが同時にアクセスし、リアルタイムで作業を行うことができます。欠席した児童が家から授業のボードに参加することも可能です。Meetを併用するとスムーズにコミュニケーションが取れます。
(2)多機能
テキスト入力、図形描画、画像やファイルの添付、付箋の使用など、多様な機能が備わっています。これにより、さまざまなアイデアや情報を視覚的に整理することが可能です。
(3)アクセスの容易さ
インターネット接続さえあれば、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、どのデバイスからでもアクセスできます。これにより、場所を問わずに作業が行えます。
(4)保存と共有
作業内容は自動的に保存されるため、進捗を失うことはありません。URLを共有することで、子どもたちにアクセスさせることができます。
(5)他のアプリとの連携
Google WorkspaceやPDFなど、他のアプリケーションを貼り付けることで、作業の効率をさらに向上させることができます。

2.授業でのmiro(オンラインホワイトボード)活用

授業にオンラインホワイトボードを活用することを考えた際、単元ごとの活用が効果的です。例えば、6年生理科の「植物の体」の一時間目の授業を紹介します。理科の学習における生命領域の学習では、「共通性」と「多様性」の見方を育てることが大切です。共通性と多様性をキーワードに、単元を通して「比較する」「関係づける」「条件を制御する」「多面的に考える」といった問題解決の活動を組み込むことで理科の教科としての学びを深めていきます。

(1)植物の体の学習

「植物の体」の一時間目では、前単元の「人や動物の体」の学習内容を想起させ、それと比較することからスタートします。植物が生命維持に必要な水の取り入れ方を予想させるため、まず、Miroの非公開モードを使って一面に配置した付箋にブレインストーミングを行います。他の子どもの考えが見えないようにし、自身の予想を書き込むことで、独自のアイデアを促進します。その後、非公開モードをオフにして意見を比べ、共通点や傾向を見つけ出します。これからの学習活動(植物の体の観察)における課題を見いだします。

次に、実験に必要な条件を設定し、自分の考えを元に植物の体内で水がどのように運ばれているかをモデル図で予想します。この作業も個人で行った後、対話を通じて他の考え方との共通点や相違点を見つけ出します。その後、実験の準備を進め、ふり返りを書いてこの時間を終了しました。

子どもたちの考えを分類すると、大きく4つのパターンが見られました。次の授業ではこの考えを確認し、実際の植物の中の水の通り道を観察して予想を確かめます。

学習の効果

こうした学習の展開はこれまでも実施されてきましたが、オンラインホワイトボードを活用することで全ての子どもの考えをいつでも共有でき、次の課題設定や既習事項に戻ることが容易になります。教師が全員に一斉に示すだけでなく、各自が自分のペースで行き来や他者参照ができる点が、従来の方法にはない利点です。


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