変わる授業、変わらぬ教師の役割
先日、他校の栄養教諭に来校してもらっての食育の授業がありました。
対象は5年生で以下のような流れで進めました。
1.好き嫌いの確認
2.班で給食で使用されている食品を3大栄養素に分類(※miro)
3.正解の確認(※miro 背景緑)
4.個人のワークシートへの記入(※紙+miro)
普段の授業で使っているmiroの基本フレームを活用しました。目次から自分の班の番号のついたフレームに集まり、栄養教諭の先生の説明を聞いてから、グループでの活動を始めました。解答は栄養教諭の先生が教師用フレームで示してくれました。栄養教諭の先生はmiroを使うのが初めてだったそうですが、スムーズに授業が進みました。
コラボレーションツール、特にオンラインホワイトボードは直感的操作が不可欠です。タップ、スワイプ、ピンチ操作など、誰もが簡単に使える機能で一通りの活動が可能です。ツールの操作習得が目的のような授業も目にしますが、それではいけません。学習内容への集中を目的にしたいものです。直感的な操作性により、学習者は本質的な活動に専念可能です。
授業後に玄関で、他校では「こういったツールを活用できない教室も多い」という話を聞きました。子どもたちのアプリ操作能力不足の多くは、教師の指導不足が原因です。基本操作は簡単で、適切な指導さえあれば、子どもたちは速やかに使いこなせるようになり、授業でトラブルが起きることもありません。結局のところ、子どものICTスキル向上には、教師の指導が鍵だと思います。
勤務校でも日常的な活用が進んでいる4,5,6年生と比べて、2,3年生はまだまだアプリの操作に不安があります。そういった子たちにはこちら側が意図的に働きかけて操作技能や何ができるかを身に付けさせるような機会を設けていくことが重要です。それは担任が考えるのはもちろんですが、学校全体を見る人間が授業観察や担任とのやり取りを通して把握し、実態に応じた持続可能な取組を考え、担任と一緒に実践していくことも大事だと私は思います。少し、具体例を紹介します。
3年生を対象に、オンラインホワイトボードと思考ツールの操作習得を毎週朝の学習10分で行っています。10分で操作スキルと思考ツールの使用法を同時に指導します。準備から完了まで迅速でトラブルは皆無です。継続的な取り組みの成果を振り返ることもでき、子どもたちの上達が見られます。
また、低学年でもICTツールは十分活用可能です。もう一学年、朝学習で練習をしているのは2年生です。
①では付箋で植物・動物・昆虫の分類をしています。
②ではYチャートで野菜と果物の分類をしています。
③ではひらがな・カタカナの言葉分けを行っています。
比較や分類のスキルは低学年から育成すべきです。ワークシートと比べ、オンラインホワイトボードは時間効率が良く、評価も容易で、学習履歴も参照しやすいです。ちなみに、この問題は生成AIに作らせているので、1つアイデアを固めれば、あとはいくらでも量産可能です。
教育には創意工夫が必要です。自作が難しければ、他の実践を参考にすればよいのです。しかし、「用意されていないからできない」と言い訳する人が増えています。これは働き方改革の意図せぬ結果かもしれません。本来の教師の仕事である教材研究や授業改善の努力を、単に効率や時間の問題として軽視しているようなことはありませんか?
ICTは確かに便利で、適切なアプリ活用により作業効率が向上します。しかし、努力や工夫なしに全てが簡単にできるわけではありません。教師の専門性は、目の前の子どもたちに応じてICT活用を調整し、工夫する能力にあります。少しの困難ですぐ諦めたり、特定のアプリにこだわりすぎたりする教師(「〇〇じゃなきゃダメだ、、」「前の市で使ってた〇〇があればできるのに、、」)は、本質を見失っているのかもしれません、、
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