見出し画像

【妊婦〜子育て中の方向け】乳幼児の発育発達とがその子の人生を左右する事実を本気で伝えたい。

こんにちは、鍼灸師/治療家/ブレインバランストレーナー(機能神経学、感覚運動科学ベース)の山下玲央です。

今回は、お子様をお持ちの親御様に向けて私からどうしてもお伝えさせていただきたいことがございます。
ぜひ最後までご覧いただき、お子様の見方の幅を広げていただけたら嬉しいなと思います。

今回、乳幼児の発育発達に関して「何をどうやるか」をお伝えしたい訳ではありません。「どうしてそうなったのか?その背景にあるものは何か?そして、なぜやるか?」といった実際には目に見えない本質的で根本的な問題を捉えられる価値観/考え方を得るキッカケの時間になれば非常に嬉しいなと思います。

本題に入る前に、どうして私が子供の発育発達に関して話したいことがあるのか?子育てをしたことがない私が何を言えるというのか?
今回このnoteをご覧くださっている方の中には、そう疑問を抱かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

まずはそんな疑問を抱きながらも、大切な時間を使ってこちらをご覧いただいていることに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
読み終えた時、「読んでよかった!」と言っていただけるような価値あるnoteにしますので、最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

私のミッションとビジョン

まずは私のミッションとビジョンからお伝えさせていただいた方が、今回の内容を発信する背景が明確になるかなと思いますので、お話しします。

ミッション:「一度きりの人生にワクワクを」
ビジョン:「人類/子供たちに挑戦の選択ができる心身を」

考えるキッカケになったのは、私が19歳の頃の交通事故で死にかけた経験でした。人間どのタイミングでどんな形で死ぬか本当に分からないなぁと身をもって感じたからこそ、自分自身の人生もそうですし、周囲の人に対しても1秒1秒後悔なく、ワクワクした日々を過ごしてほしいなと思いました。そこからはこのミッションにかけた想いを一途に思い続け、常に目の前の仕事に向き合ってきました。

これから将来的には、子供(特に乳幼児)を対象としたサービスの展開を考えております。なぜなら、無限大の可能性を秘めた子供達に対して、一度きりの人生を最大限の楽しんでほしいなと想っているからです。
乳幼児はまだ心も身体の真っさらで、どんなことでも吸収できます。可能性を最大限広げられる大切な時期です。人間としてのベースを形成するためにも非常に重要な時期でもあります。
だからこそ、とても大切にしたい。その時期を無碍にしたくない。可能性を広げるお手伝いがしたい。親御様に対しても変な情報に惑わされてほしくない。悩んでほしくない。そんな想いでいっぱいです。

そもそも「ワクワクした人生にするためには何が必要か」というもの私なりにまとめたnoteはこちらになりますので、ぜひお時間ある際にご覧いただけますと幸いです。

私がどうしても乳幼児期の発育発達の重要性について伝えたい理由

これまで私は、主に痛みや不調を抱えて一度しかない人生に制限をかけて生きている方々に対して、改善の治療やトレーニングを提供してきました。
そんな中、数々の治療法やトレーニング法を試し。勉強してきた中で最終的に辿り着いたところは、「機能神経学」「感覚運動科学」という学問で、これは人間の根本から改善するアプローチでした。1mmもスピリチュアルが入ってないエビデンスベースの根拠がある学問です。
それまではどんな痛みや不調も筋肉や関節に問題があると考えていましたが、これらの学問に出会ってからは、痛みや不調の全てを脳機能から分析してカラダとココロを捉え、根本的な改善に注力できるようになりました。
治療家/トレーナーに向けてセミナー等も行わせていただいたりもしましたし、現場の臨床経験もしてきたからこそ、脳機能がどれほどに心身の健康に重要なものなのかを私なりに理解しているつもりです。

実はこの学問ですが、さらに学びを深めていくと様々な可能性を秘めていることに私自身気付くことができました。この気付きの瞬間こそ、私の人生の一つのターニングポイントでした。それが子供へのアプローチです。

今から私は、このnoteで最も皆様にお伝えしたいことを話します。

これは以前私が実際に数十名のお母様方に「我が子には将来どんな子に育ってほしいと思っていましたか?」とアンケートを取った際の回答の一部です。

明るく周りを笑顔にし、たくさんの人と幸せを共有できる人。
自分で選択し目標のために努力できる子
たくさんの人に出会い支え合う人に育ってほしい。自分の人生を納得感を持って選択していける人であってほしい。
自分の好きなもの、ことを大切にしてほしい
知的好奇心を持って自ら考える力を持ってほしい
元気に健康に育ってほしい!お友達と仲良く、人の気持ちがわかる子であってほしい。
夫→愛嬌がある子 私→強くて優しい子。自立して好きなことに夢中になれる子
周りの人を大切にできる子に育ってほしいです。
グローバルに活躍して欲しい
人の気持ちがわかる子になってほしい。
世界中の多様な環境の中で活躍できる人
自分で考え行動する。人に思いやりを持って接する。
自分のなりたい姿を思い浮かべ叶えられる人間
自分の意志をしっかり持って人への優しさ感謝を忘れず自分の道を自分で決めて行けるように願っていました。
自分ができることで、何かの役に立つ人。
大金持ちにならなくても、自分で働いて食べていける人。信頼される人。
自分で考えて選択できる子になってほしい
自分の意思で選択し可能性を広げられる子
生きていく力がある子。笑顔で対応できる事。ごめんなさいが素直にいえる。
しっかりしていて気が利いて賢くて優しい。
健康で心優しく、好きな事、得意な事をみつけ自分らしく生きて欲しい
健康であることが一番。どこにいても、信頼される、なくてはならない存在に成長してほしいと思っていました。
自立して自分らしく人生を楽しんでほしい。
嘘をつかず、信念を持って生きていけるような子
自分のやりたいことに突き進んでほしい
他人を思いやれる子、人の為に動ける子

非常に素晴らしい想いをお持ちで、素敵な親御様だなぁと感じました。
想いは十人十色でとても素敵だと思います。
実際の子育ての中で、お子様の可能性を広げる方法は多種多様でしょう。どんなことでも正解だと思います。

そんな中、一つ私からお伝えしたい。
どうしても伝えたい。
伝えられずにはいられない。

子供の可能性を広げ、好奇心や心身の健康を育くんでいく上で欠かせないのが、乳幼児期の脳の発達だということを。
乳幼児期の脳の発達は、大切な我が子の人間としての基礎を形成するために非常に大切だと言うことを。

そんなお子様にとって大切な時期を共に過ごす一番は親御様であります。
だからこそ、私は一番に親御様に向けて発信したい。
でも!何も難しいことをしろとも言いませんし、そんなに思い詰めて考えることは一切必要ありません。今回お伝えするある考え方だけ理解することができれば、寛容にお子様に向き合うことができるようになりますし、ご自身の気持ちも非常に楽になると思います。
そして、お子様の可能性を根本から広げられることができます。
私はこの世界で起こる様々な問題の根本的な原因/悪循環が止まらない根本的な原因は、「本質的で原理原則となる必要な知識を持っていないから」だと思っています。
物事には原因と結果がありますが、現代では「何をするか」といった目先のHowや結果にばかり注目してしまい、本当の原因を捉えられていないと個人的には思っています。これではいつまで経っても、素敵な世の中にはならないのではないでしょうか。

今から、このnoteを読み進める上で大切なキーワードを言います。
それは…

「目に映る全ての結果は、氷山の表面部分に過ぎないという事」

です。つまりそれは原因ではなく、結果であるということです。
我々は表面化した結果しか目で見ることが出来ませんから。
今は何の事か分からないと思いますが、詳しくは読み進めていただければご理解いただけると思います。

このnoteを読み終えた時には、子供に対してはもちろんの事、今の世の中全体の見え方がすらも180度変わると思います。これぞ本質であり原理原則であり、より広い視野で現実を捉えられるようになるかと思います。
いかに今、目に見えている現実が氷山の表面だけを捉え、その表面に対して対処療法的に対処してしまっているかに気付く事でしょう。

余談ですが、実は近年問題になっている発達障害や問題児問題、大人でも様々な社会的問題が取り上げられいますが、これらのほとんどは脳機能や発育発達に問題あるケースが多いと言われています。

では本題に入る前に、私がとても好きな言葉を二つ紹介させてください。
これが私が脳科学のアプローチを通じて、実現したい子供たちの未来の姿です。

感覚統合を通じて、環境に対する脳と身体の適応力が高まり
「やりたい事に満ちたアタマ」
「やりたいことができるカラダ」
「できる!という実感」を育むこと。

日本感覚統合学会資料より

感覚統合の最終的な目標は、
やりたいことがあり、
それができる存在となり、
環境の要請に対して満足感を持って反応し、
自己を意味ある存在に導くようになることである

Ayres,A.J.博士

【感覚統合とは…?】
・脳の無意識のプロセスである(呼吸と同じように、自分で考えることなく生じる)
・感覚(主に五感)によって感知された情報を組織化する
・全ての情報をふるいにかけて、意識を向けるべき情報を選択する(外の車の騒音を無視して先生の話に耳を傾けるなど)ことで、経験に意味を与える
・状況に合わせて意図した方法で行動したり反応したりできるようにする(=適応反応)
・学校の勉強や対人行動の基礎となる土台をつくる

著:Ayres,A.J「感覚統合の発達と支援」より引用

子供の発育発達段階と最終産物までのプロセスを知る

前振りが長くなりましたが、ここからが本題になります。
ここは最も大切な構造理解のパートになりますので、ゆっくり読み進めていただければと思います。

こちらが0歳からの脳の発育発達段階と最終産物までのプロセスを図にまとめたものになります。
先程も申し上げましたが、大切なのは「目に映る全ての結果は、氷山の表面部分(最終産物)に過ぎないという事」です。

感覚統合のプロセスと最終産物についての図

人間は上の図の一番左側にある「五感」と言われるような感覚の機能が上手く脳内で統合された結果正常に脳機能が働き、その脳機能によって様々な思考や行動反応(=最終産物)が発現する構造になっています。この図にもあるように、実は「自尊心」や「自信」「学習能力」「身体能力の最大化」など心身の問題は共に感覚統合が上手くいった場合のみ発現できるのです。
逆を返せば、正しく五感が機能せず、発達しなかったら当然最終産物にエラーが生じ、「自尊心」や「学習能力」などは上手く発現しません。

本質的に大切な第一段階が正しく発達するから、良い結果に繋がる。
(根本的な原因と結果を表した図)

ここで一回、皆様の普段の生活の中でイメージしやすい子供の例を挙げますので、一緒に考えてみましょう!

「この子は、本当に落ち着きがなく、集中力ないんだから…」
「姿勢が崩れやすくだらしなく見えるから、ちゃんと座って!」
「もっと自信持ちなさい!そんなんじゃ、いけないでしょ!」
「好き嫌いせずに、ちゃんと何でも食べなきゃ!」
「うちの子、勉強させているんですけど頭が良くならなくて…」

このような事例はよくありますし、よく見ますよね!

ではここで先程の「感覚統合のプロセスと最終産物」の図を思い出してみましょう。今挙げた問題の根本は?本質は?何だと思いますか?
氷山の図で考えてもいいかもしれません。これは顕在化している氷の部分の問題なのか?もしくは顕在化してない海の中に浸かっている氷の部分の問題なのか?

答えはめちゃくちゃ簡単です!
上記の問題全てに共通することは…

「感覚の未発達による感覚統合不全の結果(表面化している氷の部分)」

だということです。
何も複雑な事として捉えなくていいのです。物事は突き詰めて本質を考えていくと、至ってシンプルなことに気付きます。
ですので、この場合、問題行動や困りごとを起こしている原因を解決するためには、全ての根本になる「感覚機能」の問題を改善することで自然発生的にいい行動が誘発されるように手助けをしてあげる事が必要になるのです。

最終産物となる第五段階を形成するためには、
基礎感覚の土台がしっかりしてないとうまく発現できません…
これは最終産物までのプロセスをピラミッド化した図です。
もし下層が不安定の場合、全体がグラグラするので上層は綺麗に積み上がりません。

何度もお伝えしますが、上記の図にもあるように、現実で目に見える全ての結果(思考、行動)=最終産物は、ピラミッドの土台がしっかりと形成されている場合のみうまく発現できるのです。集中力や自尊心、学習能力と感覚機能の繋がりは中々目に見えて理解しずらいので、非常にイメージしずらいですが、根本的にはこれらが関係していると捉えてください。
学習機能に問題があれば、まずはそもそもピラミッドの土台が安定しているかどうかに目を向け、土台を安定させてあげるために何ができるかを考えてあげる。自信や自尊心を高めてあげたいなら、これもまずはそもそもピラミッドの土台が安定しているかどうかに目を向け、土台を安定させてあげるために何ができるかを考えてあげる。

ですので、お子様本人の行動に対して注意する/叱るなどのアプローチを行なったとしてもそれは対処療法的であり、子供本人にとっても意図してない行動の結果なのでお互いにとってWin-Winな状況になりません。子供は自ら大切な親に対して「意地悪をしてやろう」「迷惑をかけよう」「集中力を低下させよう」なんて考える訳ないのですから。

今世の中で起こっている子供の問題の構造を客観的に見てみると、「どうして自分の集中力がもたないのか分からないが、頑張る子供本人」と「どうして我が子の集中力がもたないのか分からないが、頑張りなさいと表面的なアプローチで解決しようとしてしまう親」の戦いが日々行われている状態だと私は捉えています。
これではお互いにとって非常に悩ましいですし、いつまでも解決しない悪循環に手をつけてしまっているのです。

ではここからは、そもそも「感覚とはどんなものがあり、乳幼児期どの段階でどう発達し、最終的にどう統合されていくのか」について解説していきます。
出来るだけ簡単にお話しできるよう頑張ります!

人間の基礎/土台となる感覚機能について解説

ここでもう一度、「0歳からの発育発達段階と最終産物までのプロセス」を一緒に確認していきましょう!

感覚統合のプロセスと最終産物についての図

ここまでは最終産物に目をつけてきましたが、ここからは一番左側の「第一段階」の部分に着目していこうと思います。
なぜならこの構造・プロセスを理解し、ピラミッドの土台を形成していくためには、一番左側を押さえておかないと意味がないからです。

図にもあるように、「聴覚」「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」「視覚」がピラミッドの土台形成に大切な感覚機能になりますが、今回は特に大切な3つ「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」に着目してお伝えしていきます。
それぞれ《用語の意味》→《身体にとっての意味》→《何によって発達するか》→《よく大人が補助してしまいがちなケース》→《発達不全が起こると、子供の心身にや行動・言動がどう変化するか》の順で解説していきます。

「固有受容覚」

まず固有受容覚と聞いても「なんやそれw」ですよねw 今から説明します。

《用語の意味》
「筋肉(縮む/伸びる)」「関節(曲がる、伸びる、牽引、圧縮)」に刺激が入ることで発達する機能

《身体にとっての意味》
・自分の身体が今どこでどう動いているかの(無意識的化での)認知
・力加減の調整
・情緒の鎮静・安定

《何によって発達するか》
・モノを握る/触る/つまむ
・頭を動かしてモノを追いかける
・ずり這いやハイハイをする
・ヘッドリフト(うつ伏せから頭を上げる動作)
・立ち上がる、歩く、飛ぶ、投げる、押す、引っ張る など…

《よく大人が補助してしまいがちなケース》
・ハイハイする時間を短くしてしまう
・立とうとしている時に、補助して立たせてあげる(時には補助するケースももちろんあります)
・歩行器を使って、早い段階から歩行を補助する
・危ないからなどという理由で、遊び道具の種類を限定する など…

《発達不全が起こると、子供の心身にや行動・言動がどう変化するか》
・力加減が分からず、モノを壊してしまう
・身体の使い方がわからないので、本能的に運動等を避けるようになる
・字が上手く書けない
・簡単な動作に時間がかかる、動作がぎこちない
・情緒が不安定になる
・集中力がもたなくなる など…

著:Ayres,A.J「感覚統合の発達と支援」より一部引用
赤ちゃんは自分で沢山あらゆる方向に身体を動かして
自分で刺激を入れるので、常に優しい眼差しで見守りましょう。

これらは0歳の生まれたての頃から発達が始まりますし、このように心身ともに影響します。
ここからピラミッドの土台形成は始まり、これが最終的な最終産物(思考、行動、自尊心、学習能力など)に繋がるんだというイメージが湧けば、乳幼児期の発育発達がとても重要な意味を成すということのご理解をいただけるかと思います。

「触覚」

《用語の意味》
皮膚に優しく触れる、強く圧がかかる、温冷・振動刺激などの刺激が入ることで発達する機能
肌の触れ合い、アタッチメント(愛着)も触覚刺激に該当します。

《身体にとっての意味》
・外界と自己の境界線の線引き(どこからどこまでが自分の身体なのか認識する)=自己理解
・危険回避(=防衛反応)
・触れたものの素材・形状などの判別(=探索機能)
・心地よさ、情緒的安定

《何によって発達するか》
・肌の触れ合い、アタッチメント(愛着)
・指しゃぶり、手を舐める、色んなモノを触る
・ずり這い、ハイハイ、寝返り(床に身体が接触することで刺激が入る)
・モノを握る など…

《よく大人が補助してしまいがちなケース》
・抱っこをあまりしない(頻繁なベビーカー使用など)
・赤ちゃんの身体をあまり触ってあげない(もしくは限定した部分しか触ってない)
・モノを口に入れようとすると、避けるよう誘導する
・ずり這い、ハイハイ、寝返りをあまりさせずに、早い段階で補助具を使う
・危ないからなどという理由で、遊び道具の種類を限定する など…

《発達不全が起こると、子供の心身にや行動・言動がどう変化するか》
・強く、必要以上に壁や人にベタベタ触る
・衣服に不快感を抱き、避けるようにモジモジしてしまう
・他人との関わりを避けようとする(親とですら、触れることを避けようとするケースもある)
・食事に偏りが出る/食べ方が汚くなる
・髪の毛を洗ったり触られたりするのに耐えられない など…

著:Ayres,A.J「感覚統合の発達と支援」より一部引用
実は足裏の触覚刺激は、赤ちゃんの歩行の安定性を促したり、
自律神経系を調整するのに役立ったりと、非常に重要な刺激になります。

こんなにも一見当たり前かと思える触覚の機能が、我が子の最終的な最終産物(思考、行動、自尊心、学習能力、人間関係など)に繋がるんだというイメージまですぐ湧くようになっていれば、乳幼児期の発育発達の重要性の理解がかなり進んできている証拠かもしれません。

「前庭覚」

《用語の意味》
「頭の傾き(三半規管)」と「動き(上下左右前後の移動加速度)」のセンサーとなり、「今自分はどこに向かっているか?どちらが上か下か?」を判別する機能

《身体にとっての意味》
・重力に対して、姿勢を保つ姿勢反射
・筋緊張バランスの保持(環境に合わせて、筋肉の硬さを調整する機能)
・自律神経系の調整
・快感、爽快感、安心感
※近年の研究では、感情の生成/メンタルヘルス/社会的行動にまで影響を及ぼすとまで言われている。

《何によって発達するか》
・頭を動かしてモノを見る
・抱っこして揺らす
・寝返り
・ずり這い、ハイハイ
・「高い高い」遊び
・歩行、方向転換 など…

《よく大人が補助してしまいがちなケース》
・寝返りを手伝いすぎる
・あまり抱っこをしない
・ずり這いやハイハイをあまりさせない
・室内外共に本人の動きたい欲求を制限してしまう環境設定 など…

《発達不全が起こると、子供の心身にや行動・言動がどう変化するか》
・動くことを避ける or 落ち着きがない
・姿勢が綺麗に保てない(=クニャクニャした姿勢になる、一見だらしない姿勢に見える)
・身体の緊張が高まり、身体が硬くなる
・感情をコントロール出来ない
・社会的行動に問題が出る など…

著:Ayres,A.J「感覚統合の発達と支援」より一部引用
出来るだけ補助せずに、子供自身が一生懸命頑張っている姿を
近くで見守ってあげましょう。

実は皆さんが普段当たり前のように不安定感を感じずにバランスを崩さず姿勢保持でき、併せて感情のコントロールや自律神経調整も出来ているのは前庭覚の機能が関与していたんですよ!
何気ないこと、気にしたこともない機能がこんなにも身体に影響を与えていて、その機能が一番発達する時期が乳幼児期だったと理解できれば、子供が本能的に欲している動きや刺激をもっと尊重してあげられるのではないでしょうか?今のその発達こそが、その子の将来の最終産物に繋がるのですから。

ここまでの基礎が発達すれば、そこから先の第二段階〜第四段階まではそこまで難しい問題ではありません。当然やることは沢山ありますが、そもそも論、第一段階の発達が先にあっての話なので。

現代の発育発達環境の問題点と社会的問題の繋がりについて

ここまで、0歳から発達が始まる身体の機能とそれがどうその子の将来に繋がるのか(=最終産物)の説明までさせていただきました。
今回のnoteで、子供教育において「何をするか(表面的な手段)」ではなく、「どんな背景があって今どうなっている」という本質的な考え方を理解していただけたら、私個人的には嬉しいなと思います。

ここから「現代の発育発達環境の問題点と社会的問題の繋がりについて」というテーマで乳幼児期の発育発達との繋がりを絡めて少しお話ししたいと思います。

今回は…
「人間関係を上手く築けない子が多い」「自尊心が低い子が多い」という2つの社会的問題について話していきたいと思います。

結論からお話しすると、ここまで読んでくださった方ならもう私が何も言わなくても思いつくのではないかと思いますが、「乳幼児期からの発育発達のピラミッドが積み上げられてない」という、普通なら気にしたこともないくらいの当たり前のような事が根本的な背景にあるのではないかと私個人的には考えております。
※今回は詳しく述べておりませんが、成人であっても子供の頃上手く発達していた機能が現代の生活環境になり機能が低下し、結果として社会的問題を引き起こす可能性は十分にあり得ます。ただ乳幼児期に未発達なのはもってのほかなので目を逸らせられないんです。

「人間関係をうまく築けない」は、相手の気持ちを汲み取るスキル(EQ)や言語スキル(IQ)などが絡み、これは実は最終産物の一つなんです。
「自尊心が低い」も同様に、最終産物の一つであり表面化した結果ですので、根本的には発育発達や脳機能の問題があるのではないでしょうか?

実際、現代でよく耳にする「発達障害」というものの背景にあるのも、何かしらによって乳幼児期の感覚器の発達に遅れが生じた結果、脳の機能バランスが乱れ、心身ともに影響したものだと様々な研究結果で証明されています。
※発達障害関連の一番問題なのは、根本的なこれらの問題を認識している人が少ない+表面的な解決法でなんとかしようとしている+明らかに分かる状態でない場合、本人が一番苦しむといった現状ではないかと考えています。これでは本人の周りも行動/言動に制限をかけてしまい、ワクワクした人生を送れないのではないかと思って懸念しています。
これ以上、個人が苦しむ現状を少しでも変えたい。その問題の根本にあるものが何か理解できて、それを解決する方法を知っているのであれば、何かの形で解決していきたいと思っているのが、私の展望なんです。

少し話が逸れましたが、現代では遊具で遊んだり、走り回ったり、他人と触れ合う機会が少なくなったり、スマホが発達したことで身体を使う頻度が減ったり。何なら子供の時からスマホを与えて、画面に向かって時間を過ごすことが多くなったり。。。
これでは、「触覚」「固有覚」「前庭」は本来の発達段階を踏めなくないですか?
これこそが現代の発育発達環境の問題点です。

遊具の問題等は別の大人の問題等が絡んでくると思いますが、私個人的には世の中全体の進化と人間の身体の進化が不一致していると感じていますし、これでは心身ともに未発達な人間がこれからどんどん量産され、難しい世の中になるのではないかと心から危惧しています。

根本的な課題が解決されてない状態で、表面化して出てきた問題をモグラ叩きのように叩きながら解決している風で実際はただ蓋をしているだけのこの世の中。私はこれではいけないと思います。
やはりどこかで根本的な解決が必要で、その為には子供の乳幼児期に一番時間を一緒に過ごす親御様に根底の考え方を普及しないといけないと思ったので、今回のnoteを書き発信しました。

今表面化している社会的問題も、根本的には身体の発育発達が関係していて、その為には乳幼児期の発育発達の現状を変える必要があるということです。

最後に

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

先程も申し上げましたが、私はこれから「一度きりの人生にワクワクを」をミッションとして様々な事業を展開していきたいなと考えています。

その中でも、現段階一番初めに展開しようと考えているものが「乳幼児へのアプローチ」です。
今の世の中には様々な問題があり、複雑に絡み合っています。そして、困っている人が沢山います。でも私からしたら、「複雑に見ているだけ」だと感じます。本当に複雑な問題なのでしょうか?
どの親御様でも、今回の考え方を知れば課題解決に参戦できるのではないかと個人的には捉えています。

だからこそ、子供の乳幼児期に一番時間を一緒に過ごす親御様に根底の考え方を普及しないといけないと思ったので、今回のnoteを書き発信しました。
必要なのは、「何をするか」よりも「現状の結果の裏にある背景を理解し、俯瞰的に物事を捉えられること」です。表面上のテクニックやソリューションに惑わされないために必要なんです。なぜなら、全ての判断/思考の裏には個々人の考え方/価値観が判断/思考の軸になっているからです。

だからこそ、これを読んでくださった方には、ぜひこれから新しい考え方を取り入れていただき、俯瞰的に捉えられるようになっていただけると嬉しいなと思います。

最後に今回のハイライトをおさらいします。

・「子供の可能性を広げ、好奇心や心身の健康を育くんでいく上で欠かせないのが、乳幼児期の脳の発達だということ。乳幼児期の脳の発達は、大切な我が子の人間としての基礎を形成するために非常に大切だと言うこと。」
・「目に映る全ての結果は、氷山の表面部分に過ぎないという事」
・「第一段階にある「触覚/固有覚/前庭覚+聴覚/視覚」の機能が発達しないと、それから先のピラミッドは安定して積み上がらないため、最終産物(自尊心、集中力、論理的思考、学習能力、感情のコントロールなど…)が上手く発現しない。」

子供たちが挑戦の選択ができる心身を持つことができれば、今よりももっとワクワクした人が増え、皆んなが笑顔になる世界になると思います。
その為には、親御様への正しい考え方/知識の普及が一番必要になります。

ここまでご覧いただきこの考え方を「身近なママ達にも知ってほしい!」「広めたい!」と感じてくださった方がいらっしゃれば、ぜひこちらのnoteをシェアしてくださると涙が出るほど嬉しいです!!!
そして、いいねもよろしくお願いいたします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

山下玲央

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?