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#旅
パレスチナ自治区ヘブロン(1/4)
エルサレムはイスラム教、キリスト教各派、ユダヤ教が混在する古都。高台から遠くをみると、新造の万里の長城かと思えるユダヤ系とパレスチナ系の人々を分断する「壁」が見渡せます。
そんな旧市街にあるダマスカスゲートという城門に、パレスチナ人のタクシーの運転手が集まる一角があります。そこで、アラブ系の運転手を捕まえ、ガザと共にパレスチナ人の自治が許されたヨルダン川西岸West Bank、ジェリコ Jeri
パレスチナ自治区ヘブロン(2/4)
ヘブロンの中心にある古く大きな建物は、半分がユダヤ教徒、残りがイスラム教徒の祈りの場。中にも壁があるのです。コーランを読む声が拡声器から流れるなか、前の広場は重装備のイスラエル軍兵士が四六時中警備に当たっています。パレスチナ人居住区は、そんな広場の脇の陰惨な二重の鉄のゲートを潜った中の薄暗い路地に沿って広がっていました。
パレスチナ人の運転手と共にしか入れない地区。その薄暗い路地の頭上には黒いネ
パレスチナ自治区ヘブロン(3/4)
出入りは自由にできず、人々は食料を調達し、仕事するために国境を越えなければなりません。それが厳しく制限されると、地下トンネルを掘って密入国です。イスラエル側はそこからハマスなどの兵士が自爆テロとして潜入すると非難します。
それは一部事実でしょう。追い詰められた人々が過激になり、イスラエルに向けて攻撃をします。そのトンネルの入り口が一般市民の住むところにあり、武器を学校や市場に隠しているため、イス
ドストエフスキーとグリニッジ・ヴィレッジのサモワール(1/3)
サンクトペテルブルクにあるドストエフスキーが住んでいたアパートのすぐそばに、食品市場がある。ドストエフスキーもそこに立ち寄って黒パンに紅茶を買っていたかもしれないなどと思いながら、売り場を巡った。
白衣に白いスカーフをかぶったおばさんが並んでいるところでは、にしんの薫製やイクラなどを売っている。イクラはロシア語でもイクラ。そんなことを覚えたのは、ニューヨークはブルックリンにあるリトルオデッサでの
ドストエフスキーとグリニッジ・ヴィレッジのサモワール(2/3)
おっと、そういえばニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるカフェレジオというイタリア系のカフェの奥には、なぜか大きなサモワールがあった。あのカフェでエスプレッソを飲みながらよく知人と話をしたものだ。
そのカフェからほんの2分も歩けばワシントンスクエアに至る。スクエアではストリートパフォーマンスの前に人だかりができ、木陰ではチェスに興じる男達が。そんな広場の角にはとても枝振りのいい楡の木が。その
ドストエフスキーとグリニッジ・ヴィレッジのサモワール(3/3)
「ニューヨーク歴史物語」の企画の取材のため、友人の撮影に同行し、彼のお気に入りのホットドッグ屋で遅いランチをとったことがあった。そのあと、ブルックリンに足を伸ばし、コニーアイランドの錆び付いた遊園地を撮影した。
帰りに寄ったブライトンビーチ。曇天のなか街は重く錆び付いていた。ああ、グリニッジ・ヴィレッジに戻り、カフェレジオで暖かいカプチーノを飲みたいと思ったことを今でも覚えている。
あれから1
火山と殺戮、岩と繁栄
この島は、地中から吐き出された玄武岩でできている。この島の女は逞しく、海に潜りアワビを採る。男はどちらかというとおっとりとしているという。実際、ガソリンスタンドなどで忙しく働く女性が目立つ。
そこは、太古は耽羅国と呼ばれた小さな独立国だった。そんな昔から、人々は岩を削って像を造り、後年になって半島からの勢力に飲み込まれた頃には、石を積み上げて畑を囲み、墓場にも玄武岩を削った守り神をおいた。そして