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【LDLバディ対談】期限は半年!?子連れUターンでまちづくり(あみくみさん)

LDL(Locally Driven Labs)とは、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんを所長としたオンラインラボで、全国の仲間と研究と情報交換を重ねています。

今回、私とバディを組んでくださったのは、あみくみさん(阿見久美さん)
町にしっかりお金が入ってきて、そのお金が奄美の人の生活や楽しみに使われ、子どもたちの教育に投資され、そうやって未来に種まきしながら次世代を育てていく。
そこへの動き自体が、奄美の魅力になる。
そんな素敵な未来を実現するために、半年の期間限定で中学1年生と奄美への短期Uターンで活動中のあみくみさん(阿見 久美さん)にインタビューしてみました。


あみくみさんはこんな人


あみくみさんは、どんな仕事をしてきたんですか??

構造設計の事務所勤めをしばらくしたのち、夫の転勤の関係で、フリーに転向しました。現在は、建築に関するオンライン講師として、現在はメンバーシップ向けにYoutube配信しています。

あみくみさんのYouTubeはこちら

期間限定子連れUターンのきっかけとは?


横浜から出身地奄美へ、期間限定で子連れUターンしながら活動されていますね。
なかなか珍しいと思いますが、どんなきっかけだったんでしょう?

いつかは地元で活動してみたいと、ずっと思っていました。
ネット環境さえあれば、いつでもどこでも収入が得られるスタイルを確立していましたので、子どもたちへの影響が大きすぎない時期として、上の子高1、下の子中1のこのタイミングで、5月から10月の半年間を故郷の奄美で活動しています。
最初はネット環境が悪かったこともあり、帰りたいと言っていた息子も、大人といろいろ話すなかで価値観に少しずつ変化が出てきたようです。
最近、ラジオ局の見学など、横浜ではできない経験もさせてもらったり、学校では人と人との距離感が近いことに嬉しさを感じていると話してくれました。


現在のプロジェクトについて教えてください。

活動を始める前は、このエリアに必要なのは「教育」だと思っていました。実は、活動を始めて地元の方々と話をするなかで、「稼ぐことに対する取組」が必要なんじゃないかと思い始めました。現在は、「夏休みの子どもの預かりプロジェクト」と「漁協関係の飲食店のサポートプロジェクト」の2つに取りかかっています。

①夏休みの子どもの預かりプロジェクト

転居してすぐ、「夏休みの子どもの預り場所がない」という相談が寄せられたことをきっかけに、このプロジェクトはスタートしました。
私自身の経験上、「子育て環境は仕事をする上で不可欠」という思いがありますので、まずは、地域の方々と課題を整理し共有する学習会を行いました。
結果的に、学童がない地区ということもあり、学童の代替案として終日の預かりができるよう、地区の事業者さんや子ども教室さんとのリレー形式で終日のお預かり態勢を作ってみようという形で、ちょうど準備が整ったところです。
準備期間約1ヶ月でしたが、実行に向けては、寄付の申し出があったり、地域の方々や、学校もアンケート調査など積極的に関わってくださっています。
今後、この地区でこのプロジェクトが来年以降の学童等の設置や、若い世代の親御さんたちが安心して働き安心して子育てできる環境作りにつながるよう、データやアンケートなど「誰がみてもわかる証拠」をしっかり残しながら動いています。

始動したばかりの子どもの預かりプロジェクトのパンフレット

②漁協関係の飲食店のサポートプロジェクト

データ活用して、町内のお店の売上を改善する取組もはじめています。
現状を把握し、しっかり「儲ける」ための経営を一緒に考えています。お客さんに喜んでもらいながらポジティブに売上をあげていく流れを作れるといいなと思って、一緒にチャレンジしてくれる店舗さんを探すところからスタートしました。

新鮮な魚料理が魅力。瀬戸内漁協直販店「海力」

同級生が働くお店で、コロナ感染対策の入店記録データを分析したところから、このお店で伴走型のサポートがスタートしました。ここでは、人件費を増やさずタブレット&クラウドでアンケートデータを取得できるようにしたり、現状分析から、商品構成や価格の見直しをしたりしています。
先日、顧客バランスを考えてメニューの棲み分けを提案したところ、新メニューの開発や、店内のレイアウトを変えてのスムーズな動線設計に取り組んでくださっています。まだ新メニューが登場して数日ですが、売上が増えたという嬉しい報告がありました。今後も「儲かる仕組み」とお客さんの「選択肢」をバランスさせるお手伝いをしたいと思っています。

タブレット端末を設置して、データ分析までの動線をスマートに。
観光客向けの贅沢メニューが新登場。美味しそうです。


「商売の土台を学ぶこと」を通して、お金が循環する仕組みを

お話を伺っていると、商売の土台を学ぶ場を一緒に作っている感じがしますね。

データを分析していくと、時間の使い方にも戦略が持てるようになります。海力さんでは、「経営を全員で考えるミーティング」の計画も立ちそうです。

「町にお金が循環する仕組みを作りたい」という部分は、私の活動のブレない軸です。町にしっかりお金が入ってきて、そのお金が町の人の生活や楽しみに使われ、子どもたちの教育に投資され、そうやって未来に種まきしながら次世代を育てていく。こんなことが実現したら素晴らしいし、そこへの動き自体が町の魅力になると思います。そのために自分達が持ってる力を信じたいと思うし、伝えて動いてやってみせて、町の人が持つ潜在的なパワーを引き出したい。
将来的には、学校やいろいろな人を繋いで地場の産業をテーマにつながる取組をデザインしたいと思っています。移住して活動してみる中で、「少しづつ形になりそうだ」と、手応えを感じているところです。

地方都市の場合、コンパクトだし、人の距離が近いので話が早いですよね。
今後はどんな感じで取り組んでいきますか?

そうですね。年代的にも自分たちの発言できる場が増え、できることの幅の広がっているのかなと思います。動くなら「今」という感じですね。瀬戸内の人たちが「儲けるにはどうするか、儲けるとはどういうことか」を考えられるようになったらいいなと考えています。
半年間しかいないのが前提です。まだ中身は見えませんが、期間後もつながるような芽は何か作っていきたいと思っています。
今は、目の前の課題をひとつづつ、自分のアイディアを活かし、一緒にやってくれる人と全力でやっていこうと思います。

2022/07/19  14:00インタビュアー 山口ひとみ



余談ですが・・・子育て談義

実は同学年と判明したあみくみさん。子どもの年代もだいたい一緒。子どもが小さいうちから、何かやりたいことをやれる方法がないかと、もがいてきたところは、2人の共通点でしょうか。

我が子たちの自立がうっすらと見えてきて、子どものことで拘束される「密な日々」は減っていき、自分でコントロールできる時間が増えています。

ふと考えると、あの時の、自分でコントロールできる時間への渇望感が、今も「1分の価値を考える」「チャンスを逃さないマインド」にいきているのかもしれないね、という話になりました。

長期の計画も、短期の計画も、しっかり立てるいっぽうで、チャンスを生かすことを躊躇しない。そんなあみくみさんの魅力をたっぷりお話しいただきました。

あみくみさん、素敵な時間をありがとうございました。


LDLのお知らせ

LDL(Locally Driven Labs)とは、『まちづくり幻想』や『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』などの著者で、高校在学時からまちづくり事業に取り組み、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取り組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げた「未来に向けて、今すぐ動く人のプロジェクトラボ」です。
基本はオンラインなので、全国各地・職種も様々なメンバーが集まり活動をしております。また、狂犬ツアーへの優先参加ができるのも魅力の一つ。
興味がある方は是非ご参加を。



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