獣医師 山本 健二 /ZEROどうぶつクリニック ~東京都江東区〜 猫の避妊去勢手術が得意です

2010年から、猫の診察を中心にした診療所を運営   獣医師向けにTNRの手術や 今さ…

獣医師 山本 健二 /ZEROどうぶつクリニック ~東京都江東区〜 猫の避妊去勢手術が得意です

2010年から、猫の診察を中心にした診療所を運営   獣医師向けにTNRの手術や 今さら人に聞けない基礎的な情報を発信   慢性腎臓病を持つ猫の飼い主さんが直面する悩みには 『だったらこうしてみたら?』という選択肢を発信 HP▶https://nekodoctor222.com/

最近の記事

動物病院、”奥の部屋”での検査・処置

時に不安・不満、疑問の種になることについては、理解できます。 飼い主さんにとっては、動物の安全や、検査・処置の必要性について心配になるのは自然です。 動物病院がこのようなスタイルをとるにはいくつかの理由があります。 動物のストレス軽減: 動物は飼い主さんと一緒の時には落ち着かない、または逆に過剰に興奮することがあります。 これにより検査や処置が難しくなる場合があります。 飼い主さんがいない環境で、より落ち着いて処置を受けることができることがあります。 専門的な環

    • 獣医師の仕事で、一番嬉しい瞬間は?

      2024年、元日。 新年の寒空の下、開業15年目を迎えた獣医師の福原先生は、かつて勤務した山中犬猫病院への登り坂を歩んでいるところから始まります。 彼の足取りは軽やかで、新年の清々しい空気が彼の心を満たしていました。 病院に到着すると、彼は深く息を吸い込み、大きな二重扉を開けます。 待合室は、新年を祝う飾りで彩られ、暖かな灯りが優しく包み込んでいました。 「変わってないな」 福原先生の顔には自然と笑顔がこぼれました。 「福原先生、お久しぶりです!」受付の動物看護師が明る

      • もう少し早く連れてきてくれれば…

        ハッピーエンドよる20時。 倉田どうぶつクリニックは診療業務が終わり、スタッフは退勤の準備。 いつもの静かな時を刻んでいました。 その平穏を破るように、五十嵐さんが愛猫を抱えて駆け込んできました。 彼女は仕事が忙しく、帰宅が遅い32歳の独身女性です。 長年の相棒である12歳の猫を連れていました。 この猫は、五十嵐さんが学生の頃から共に過ごしてきた大切な相棒でした。 ぐったりとして、眼に覇気がありません。 院長の倉田先生(55歳)と田辺先生(33歳)は、緊急で猫の診察を始め

        • 【最善の治療法を選びたい】動物病院が新薬を採用する基準は?~決断の舞台裏~

          積極採用のケース高橋先生は緊張しながら院長先生の部屋に入りました。 「院長先生、この間のセミナーで、消化器系の疾患に対する新薬について学びました。新しい作用機序で、副作用も少ないそうです。私たちのクリニックでも試してみませんか?」 院長先生は興味深くうなずきました。「ほう、それは面白い。我々も常に最新の治療法には目を向けなければならない。データや研究結果はどうだった?」 高橋先生はセミナーで得た情報を詳細に説明しました。 院長先生は納得し、 「それなら、まずは詳細な情報

          【獣医師研修日誌】~飼い主さんからの電話相談~ 不満を残さないコミュニケーション

          小雨が降る6月の夕方。今日は来院数も少なく、 診察が一息ついて、皆が少しずつ後片付けを始めていました。 院長先生は、4月から勤務している新人獣医師の高橋先生と、 飼い主さんからの電話の対応について、話し合いをしていました。 「高橋先生、飼い主さんからの電話対応は、獣医師の仕事の中でも特に難しいものの一つですよ」 彼は長年の経験から、その微妙なバランスを理解していました。 高橋先生は首をかしげながら聞き返しました。 「どうして難しいんですか?」 「飼い主さんは、愛するペ

          【獣医師研修日誌】~飼い主さんからの電話相談~ 不満を残さないコミュニケーション

          【猫の慢性腎臓病】家族や友人、社会からの支援や理解について

          社会的サポートの重要性1. 精神的な負担の軽減: 社会的サポートは、ストレスや孤独感を軽減し、飼い主さんが直面する感情的な困難を乗り越えるのに役立ちます。   2. 財政的な援助: 猫さんの治療費は高額になることがあり、家族や友人からの資金面での援助が大きな助けとなることがあります。   3. ケアの負担分担: 猫さんの日々のケアや獣医師の予約に同行するなど、実際の手助けを提供することで、飼い主の負担を軽減できます。   理解の不足に直面した時の対処方法1. 伝え

          【猫の慢性腎臓病】家族や友人、社会からの支援や理解について

          【猫の慢性腎臓病】獣医師や専門家からの情報と非専門家からの情報のバランス

          獣医師や専門家からの情報1. 専門的な知識と経験: 獣医師や専門家は、長年の教育と実践を通じて専門的な知識と経験を積んでいます。 そのため、病気の診断、治療、予防に関する最新の科学的根拠に基づいた情報を提供することができます。 2. 情報の信頼性: 研究結果、臨床試験、医学的レビューなどの信頼できる情報源に基づいて情報を提供している獣医師や、専門家からの情報は、一般的に信頼性が高いと考えられています。 3. 個別のアドバイス: 主治医は、あなたの猫さんの特定の健康

          【猫の慢性腎臓病】獣医師や専門家からの情報と非専門家からの情報のバランス

          【猫の慢性腎臓病】インターネットなどからの情報の信頼性の判断

          情報源の評価1. 情報源の信頼性: 信頼できる情報は、獣医大学、専門の獣医団体、認定された獣医師など、通常、専門家や獣医学の専門機関から提供されます。 2. 情報の確認: 同じ情報が、複数の信頼性の高い情報源で確認されているかを確認します。 一致する情報は信頼性が高い傾向があります。 3. 最新の情報: 最新の研究結果や治療法に関する情報を得るために、日付を確認し、定期的に情報を更新している情報源を探します。 情報の解釈と使用1. 専門家の意見を求める: 疑問

          【猫の慢性腎臓病】インターネットなどからの情報の信頼性の判断

          【猫の慢性腎臓病】治療による潜在的な健康リスクや長期的な影響

            治療に伴う潜在的なリスクCKD(慢性腎臓病)の猫の治療には、薬物療法、食事療法食、サプリメントなどが含まれますが、これらは次のような潜在的なリスクを持つことがあります: 薬物の副作用: 長期間にわたる薬物使用は、肝臓や腎臓に追加の負担をかけたり、他の健康問題を引き起こしたりする可能性があります。   栄養バランスの変化: 食事療法食は、CKD(慢性腎臓病)の管理に効果的ですが、不適切な使用は栄養バランスを損ねる可能性があります。   サプリメントの過剰摂取: 必要

          【猫の慢性腎臓病】治療による潜在的な健康リスクや長期的な影響

          【猫の慢性腎臓病】治療に使用される薬の副作用への対処

          【関連記事】 薬物治療とその副作用CKD(慢性腎臓病)の猫に使用される薬物には、血圧を下げる薬、リン吸着剤、エリスロポエチン製剤、吐き気止めなどがあります。 これらは、CKD(慢性腎臓病)から生じる症状を緩和するために効果的ですが、以下のような副作用を引き起こす可能性があります: 食欲不振: 特定の薬物は、猫の食欲を減少させることがあります。   消化器系の問題: 吐き気、嘔吐、下痢などが生じることがあります。   血圧の変化: 血圧を下げる薬物は、時に血圧を過度に

          【猫の慢性腎臓病】貧血、骨代謝異常など合併症のケア

          CKDに関連する合併症1. 貧血: 腎臓は赤血球の生成を刺激するエリスロポエチンを産生しますが、CKD(慢性腎臓病)の猫ではこの機能が低下し、貧血が発生することがあります。 貧血の猫は、元気がなく、活動性が低下し、食欲が落ちることがあります。   2. 骨代謝異常: CKD(慢性腎臓病)によるリンの過剰とカルシウムの不足は、骨代謝異常を引き起こすことがあります。 これにより、骨が弱くなり、痛みや骨折のリスクが増加します。   合併症への対応1. 貧血の管理:

          【猫の慢性腎臓病】高血圧や甲状腺疾患など合併症のケア

          腎臓病と関連する健康問題の認識 1. 高血圧: 腎臓病の猫は、腎臓の機能低下とともに高血圧を発症することがあります。 これは、視力の損失や心臓・血管の病気など他の重大な問題を引き起こす可能性があります。 2. 甲状腺機能亢進症: 高齢猫の高血圧は心臓に負担をかけ、時間と共に徐々に悪化し、心不全を引き起こすことがあります。 2002年の報告データですが、無作為に検査した8~20歳の猫の8.9%で甲状腺ホルモンの上昇がみられたという報告があります。 甲状腺機能亢進症

          【猫の慢性腎臓病】病気の進行に伴う猫の行動変化

          病気の進行と行動変化CKD(慢性腎臓病)は猫の体全体に影響を及ぼし、その行動にも変化をもたらします。 病気が進行すると、猫は以下のような変化を示すことがあります 睡眠時間の増加: 猫は通常、かなりの時間を寝て過ごしますが、CKDによりさらに多くの時間を寝るようになることがあります。   隠れたがる行動: 猫は病気や不快感を感じると隠れる傾向があります。これは、自然な防衛本能の一つです。   食欲不振: CKDによる吐き気や不快感は食欲を減少させる事があります。  

          【猫の慢性腎臓病】終末期ケアや看取りに関する心の準備

          終末期ケアの理解慢性腎臓病の猫は、病気が進行するにつれて、さまざまな健康上の問題に直面します。 終末期ケアは、猫の残りの生活をできるだけ快適で穏やかなものにするためのケアです。 これには痛みの管理、食欲不振への対応、心地よい環境の提供などが含まれます。   心の準備1. 病気の進行との向き合い: CKD(慢性腎臓病)は不治の病であり、いずれは生命を脅かすことを受け入れることが重要です。 病気の進行について獣医師と話し合い、何を期待すべきか、どのようなサインに注意すべ

          【猫の慢性腎臓病】病気の進行に伴う不安やストレスの対処

          愛猫の健康状態の変化に対する感情的な対応CKDと感情的な対応1. 病気の診断と初期の衝撃: CKD(慢性腎臓病)の診断は多くの飼い主にとってショックを与え、不安や恐れを感じさせることがあります。 初期の段階で猫の健康状態が変化すると、何を期待すれば良いのか、どのように対応すれば良いのかについての疑問が生じます。   2. 日々の変化への適応: 猫の健康が日々変化する中で、飼い主は希望と不安の間で揺れ動くことがあります。 良い日もあれば悪い日もあり、猫の状態が急に変わ

          【猫の慢性腎臓病】獣医師の診察や治療、サプリメントの購入費用

          獣医師の診察コスト1. 診察料の基礎: 診察料は、獣医師の時間と専門的な知識への支払いです。 診療所によって金額が異なる理由は、場所やクリニックのスタッフの規模、設備の違い、などが関わります。 定期的な健康チェックにはある程度の費用が必要になります。   2. 追加費用: 通常の診察費用以外にも、血液検査やレントゲン、超音波検査など、追加で必要な検査や治療があるかもしれません。 これらは追加で料金がかかるので、事前に獣医師とよく話し合っておくことが大切です。  

          【猫の慢性腎臓病】獣医師の診察や治療、サプリメントの購入費用