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船橋が好きだからここで起業した。

「この街が好き」今回そういうテーマのお題だったので、それに則してnoteを書いてみようと思った。何にしても街が好きって、僕にとっては最も書きやすいテーマ。

このnoteを読んでいる方のほとんどは船橋という街を知らないか知っていても「ふなっしー」「市立船橋高校(いちふな)」「中山競馬場」「ららぽーとTOKYO-BAY」あたりは知っていると思います。

あっ、最近だったらバスケの「千葉ジェッツふなばし」とか、口コミ旅行サイトトリップアドバイザーでアジア3位になった「ふなばしアンデルセン公園」ですかね。

昔の人は、「船橋ヘルスセンター」とかもご存知かもしれません。

もしかしたら、フラダンスとかハワイアンが好きな方で「ふなばしハワイアンフェスティバル」とかを知っていたりするかも!

コーヒーが好きであれば「ふなばし珈琲タウン化計画」とか「船橋コーヒーフェスティバル」を知っているかも知れませんね。

僕の仕事

僕は船橋市をPRするための会社を経営しています。

行政に頼まれたのでもなく、市長に頼まれたのでもなく、国とか市役所からお金をもらっているのでもなく…

この街が好きで、この街で育ってきて、自分の子どももこの街で育てているからこそこの街を「もっとよくしたい」と考えてそういう会社を作りました。

出資してくれたのは、この思いに賛同してくれた船橋の経営者団体を代表する経営者たち9人。

船橋の商工会議所、法人会、倫理法人会、中小企業同友会、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、医師会、歯科医師会、薬剤師会…300人近い船橋の旦那衆(立派な経営者)が会費という形で応援してくれて僕の会社は存続しています。

普段どんなことをしているのか…

朝のルーティーン

朝起きて、いつものコースをジョギングします。
いつもの時間にいつものコースを走っていると、いつものおじさんに会います。

昨日から寒くなったので新しいジャンバーを着込んで犬の散歩をしている。

「オレンジのジャンバー良いですね!遠くからでも目立つし、これなら少し暗くっても目立ちますよね!!」と、声をかけた。

うれしそうに微笑み「あぁ!そうなんだよ!」と返してくる。

いつもの時間にいつもの場所で会う3人組の女子中学生。いつもせかせか歩いて駅に向かうOLさん…

いつも同じ場所で会うあのおじさんは今日はいつもよりもペースが速いみたいだ。僕も負けじと…少しだけペースを速めてすれ違う。考えてみると、この人とは挨拶をしたことがない。

いつも同じように過ぎていく景色。
最近は、少し寒くなったので朝起きるのが辛くなってくる。

でも、みんな同じ時間に同じ場所で出会うのが面白い。

船橋市場にある事務所に出勤する。

市場の中にある小さなカフェが僕の職場だ。

市場の朝

自宅から持ってきた新聞をコートのポケットに丸めて突っ込み、仕入れの牛乳と珈琲豆を小脇に抱えて車から降りる。

雑貨屋のおじちゃんが「おはよう!今日は荷物多いね!」と声かけてくれる。卵焼き屋さんからいい香りがする。ここの店は朝…というか夜中の12時とか1時に出勤してきて卵焼きを焼いている。お寿司屋さんが買いに来るとっても甘くてふわふわした卵焼きが自慢のお店。

若い従業員さんたちが元気よく「おはよっ!」と口々に挨拶してくれる。

漬物屋の従業員さんたちがお客さんの漬物を量(はか)りながら挨拶してくれる「おはようございます」。

駄菓子屋のご主人が「おはよう。先週さー、また競馬で負けちゃった」この人が負けるのは珍しい。勝った話しか聞いたことがないのに。

カフェの仕事

「ガラガラガラ…」地域の若手アーティストの子たちと一緒に雪の降る日にシャッターアートを書いた思い入れのあるシャッター。

自分でDIYして作った市場の中の小さなカフェ。
色んな所を取材して、色んなカフェで記事とか企画書を書きながら「こんなカフェあったらいいなぁ」って妄想していたものを少しずつ形にしていった店。

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市場の廃材をもらってきて作ったパレットの本棚。型抜きの納品箱を使った植木鉢。長野から来たりんごの木箱を使ったカウンター。漬物の蓋を使った看板。どれも市場らしくてでも「ちょっとおしゃれ」にこだわってみた。

開店準備を終えるとすぐに来客。

この間、旦那さんをなくした奥様だ。とってもいい旦那さんだったようで、「いつもあの人が海外でもどこでも連れて行ってくれたから私…自分でどこに行ったら良いのか分からないのよ…」途方に暮れた顔で話してくれる。

家に居ても寂しくて…最近、免許も返納してしまったので動きが制限されてしまうらしい。

「ここに来ると誰かに会えるから朝からまた来ちゃった」

「どうぞどうぞ、そろそろ誰か来ると思いますよ~」と、僕。

「おはよ~」いつものおじさんだ。トレードマークのオレンジつなぎはジャンバーに隠れて見えない。「あったけえの頂戴!この間足を怪我しちゃってさ~」と裾をまくる。

ちょうどそこに「おはよ~ございます~」と入ってきたのが整体師のお兄ちゃん。
「ホットで良いよね!?あっ、足が痛いって言っているからコーヒー淹れる間に、ちょっと診てあげて~」

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そんな感じであわただしく開店する市場の中の小さなカフェ。
僕が店頭に立つのは開店準備の1時間だけと決めている。交代が来たらすぐに仕事に取り掛かる。

編集者としての仕事

今日最初の打ち合わせのお客さん。大手企業の地域連携担当。
地域で開催予定のイベント情報を共有して、この企業の予算の範疇でだせるものを打合せ。

この会社でやりたい事と似ていることをやっている市民団体があればすぐに紹介してあげる。地域の中で長い事やってきた活動にスポットを当ててあげるだけで喜んでくれるのは知っている。

企業がお金で社員を使ってやる地域貢献や社会貢献もありがたいのだけど、地域の人と一緒にやってくれたら資金難の市民団体はすごく助かる。高齢化の進んだ市民団体からすれば孫のような年齢の若者と一緒に活動できるのは何よりの楽しみになるだろう。

今度は取材だ。

商店街のイルミネーションが点灯したとSNSで知らせてくれる地域のおじいさん。さっそく取材に行ってみる。

苦労して飾りつけしたイルミネーション。自分たちでお金を出し合って飾っているのだけど少し寂しい。

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イルミネーションの点灯に関するストーリーを少し掘り下げて話を聞く。予算が厳しい事、人手が足りない事。駅前のロータリーでの許可が年々厳しくなっていく事などなど…

こうした取材におけるフィールドワークが活動の源だ。

そのまま自転車で次の取材に。
子ども食堂を開催する商店会の中にあるカフェ。

サラリーマンを勤めあげて定年後にカフェを開業したマスター。建築士だった彼の作る内装や飾りなどのセンスもさることながら、カフェにやってくる人たちの表情が素晴らしい。

「あ~こんにちは~!久しぶりだね~」

「ごめんね~マスター。しばらく調子悪くって」

「どうしたの??しばらく顔出してくれないから心配していたんだよ~」

「マスターに元気のない顔見せられないから我慢して治して来たんだよ~」

「調子が悪い時は家で無理せずゆっくり休んで良いんだよ。
治ったらちゃ~んと顔を見せてくれれば安心なんだから」

こうやって高齢者の憩いの場になり、皆が自分の存在を認め合っている。

「僕もこういうカフェを作らなきゃだな」と肝に銘じる。

同時に…いま企画中の空き家を使った新しいビジネスモデルに、こういう温かい空気感をどうやって実現させるか考える。

そのまま2つほど取材をして市場に帰って再び打ち合わせ。

いま取り組んでいる「船橋のベイエリアをどうやって観光地にするか」についての打ち合わせ。

船橋の魅力を編集する仕事

(スズキ)の水揚げ量日本一の船橋漁港(ホンビノス貝も日本一)があり、200艇のヨットとクルーザーが係留されているヨットハーバー「船橋ボートパーク」がある。ららぽーとTOKYO-BAYが建つ前には船橋ヘルスセンターがあったこの場所。

当時は、ヘリポートがありローラースケート場があったという。埋め立ての人工ビーチ「ゴールデンビーチ」もあり天然温泉での演劇鑑賞に日本中から人が集まってきた時代があった。

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その後、ららぽーとになってからも年間2500万人が訪れるこの場所。20年ほど前にはドライブインシアターがあり、夏でも楽しめる人工スキー場「SSAWS(ザウス)」もあった。

今は、ららぽーと隣に大型商業施設のビビット南船橋、地方競馬の船橋競馬場、北欧家具のIKEAもあるショッピングゾーン。

この先、本格的な競技も楽しめる三井不動産アイスパーク船橋、プロバスケットボールチーム千葉ジェッツふなばしのホームアリーナ「千葉ジェッツスタジアム(仮称)」もできる予定だ。

僕は、一般社団法人船橋市観光協会の包括地域プロデューサーとしてこの魅力あるベイエリアを観光地化する取り組みとして船橋港親水公園に「FUNAterrace」という企画を立ち上げようとしている。

FUNAterraceでは、キッチンカーによる屋台村の立ち上げ。イルミネーション点灯による夜のベイエリアのにぎわい創出。各種イベントの開催とFUNAterraceとのコラボによって「新しい生活様式」に則した観光スポットとして育てていこうと考えています。

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次々と打ち合わせ、取材とを終えて一日が終わる頃…ふと、市場の広い空を見上げると夕焼け空がとってもきれいだったりする。

船橋市地方卸売市場というのも船橋にとっては重要な観光スポットになる可能性がある場所だ。この市場の開設45周年記念イベントではふなっしーを呼び、全国からご当地キャラクターを集めた「ご当地キャラプロレス」を主コンテンツにしたイベント「船橋市場だョ!全員集合」を開催。1日で6万人を集めました。

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吹奏楽・管弦楽部などのスクールバンドが全国トップクラスの活躍をしているこの街ならではのフィナーレでは10校500人を超えるスクールバンド生演奏による「ふなふなふなっしー」をヨサコイダンサー300人、ご当地キャラクター70体、2万人の観衆が見守る中で踊ってもらいました。

これまでに色々なイベントを立ち上げ、色んな人と一緒に走ってきた船橋での創業からこれまでの日々。これから10年、15年と新しい企画と新しいメンバーとで積み上げていくものがあると思いますがそれもこれも…やっぱりこの街が好きだからモチベーションが続くんだと思います。

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