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「顧客の成功」の定義(カスタマーサクセス)

マーケロボでカスタマーサクセスを担当している、山縣(@shoyaatg11)です。

今、ネット上にはカスタマーサクセスに関する多くの情報が載っており、セミナーでも事例が多数紹介されていますが、「顧客の成功の定義ってなんだっけ?」という部分に触れながら、改めて「顧客の成功」について考えてみます。

カスタマーサクセスって何?という人は過去の記事を見ていただければと思います。


1、自社の数字は良いけど、本当に顧客は成功しているか?

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今まで約3年間カスタマーサクセスを行ってきていることもあり、個人的に考え方がアップデートされていると日々感じます。

前職では数百社の管理をしていたため、ChurnRateがどうだとか、MRR/ARRが成長するしないとか、NRRで考えた時に成長率どうなのか、とか話をすることが多く、顧客1社1社と向き合っていたつもりでも、数字の増減をベースに業務内容を決めていたように感じます。例えば、このような会話が多かった記憶があります。

・Churnが出ないように解約しそうなクライアントのフォローをしよう!
・解約依頼があったら訪問してとにかく話を聞こう!
・アップセル出来そうなクライアントの分析をしよう!
・この層のクライアントにはハイタッチしよう!

個人的には、もはや、目的が顧客の成功ではなく、「Churn Rateを下げるためにフォローする」「NRRを上げるために提案する」という思考になっていた時期もありました。

実際、数字を意識していたからか年間の解約率7%という良い結果を出すことが出来てはいたのですが、もちろんこの数字は「顧客の成功」を判断する指標にはなりません。ではNRR(アップセルとクロスセルの売り上げを含む利用継続率)だとどうでしょう。カスタマーサクセスを行っていく上で重要な指標ですが、NRRでも分からないと考えています。

これでは、上手くいっているとは言え、多少使っている顧客が増えるだけで、成功している顧客が少し増えているだけではないか。

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SaaSを解約する時の理由のほとんどが「全く使っていない(使いこなせなかった)」というものですから、金額にもよりますが、継続的に少しでも使っている状態にすることが出来れば解約率自体は減ります。

そうすることで、解約見込みの割合が少なくなり、多少活用されていればChurnRateは低くなります。また、良く使っているアクティブユーザーにハイタッチしていくとNRRは伸びていきます。結果、「多少使っている」層が増えて見た目の数字は改善されますが、心の中ではこれってどうなんだろうという疑問を持っていました。


2、「顧客の成功」の定義

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「顧客の成功」って曖昧な言葉なので、定義を考えると「顧客それぞれにあった目標を達成することだ!」という結論になることってありませんか?

マーケロボでは「顧客の段階的成長」と定義しています。

MA(マーケティングオートメーション)で例えてみましょう。

<顧客の段階的成長>
1、バラバラになっていた見込み客情報(名刺など)がMAツールにインポートして管理出来るようになった→成功

2、メール配信を行い、見込み客に定期的に接触することが出来るようになった→成功

3、設定したシナリオからお知らせ通知が届き、興味がある見込み客にアプローチ出来るようになった→成功

4、中間CVを作るために、Web上にホワイトペーパーを設置した→成功

これら全て小さな成功なのです。この小さな成功を繰り返して最終的に顧客と設定した「目標(実現したいこと)」の達成に向かいます。なので目標を達成することが成長ではなく、目標は通過点であり、成功には終わりはありません。伴走するとはこういうことだなと。

これにより、段階を追って成功に向かっているという意識を持った上で顧客と向き合うことが出来るようになりました。


3、段階的成長をどうやって実現するか

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各社様々な方法があると思いますが、本当に顧客を成功に導くのであれば、堂々とカスタマーサクセス料を頂くのが良いと考えています。無料でサポート、つまり、月額利用料にカスタマーサクセス料が加味されていない場合、1社あたりにかけられる工数に限界があります。

ちなみに、マーケロボはツール0円・カスタマーサクセスは有料という料金設定を行っています。

これにより、私たちカスタマーサクセスは「顧客が成功」して目標に向かって伴走出来ていなければ、サービスを提供出来ていないということになりますので、1社あたりかなりの時間を割いて成功を目指しています。

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以前、別のnoteにも書きましたが、カスタマーサクセスに正解なんてないです。各社それぞれやり方が違うし、サービスによって大きく内容が変わってきます。

ただ、顧客との繋がりが薄いのに「本当の成功や伴走」なんて有り得ないということは言えるのではないでしょうか。

定期的に某有名企業のカスタマーサクセスが広告についての連絡をしてくれますが、当社のことを全く把握していないので、「一般的には、〇〇しないとダメですね」という会話にしかなりません。知識量・ノウハウは素晴らしいですし、ケーススタディも豊富にあり参考にはなりますが、それだけで改善していける訳ではないですよね。

ツールを中心とした考え方から脱却し、会社と会社、人と人で繋がっていくことで「本当の成功」に向けて伴走出来ると思います。

#カスタマーサクセス #ビジネスモデル #マーケティング #MA #ビジネス



「コンサルティング事業部がカスタマーサクセス事業部になった理由」も記載させていただいてますので、是非見ていただけると嬉しいです!


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