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【読書感想文】自由な選択とは?クローンが問いかける人間の存在意義『遠すぎた星 老人と宇宙2』

遥か彼方のコロニーを舞台にしたSF小説。主人公のジェレド・ディラックは、天才科学者ブーティンの遺伝子から作られた特別なクローン兵士です。裏切り者のブーティンを追う彼の戦いが、壮大な宇宙のスケールで描かれます。

この作品のテーマは、クローンとしての存在意義と、自由な選択です。ディラックは、ある目的のために作られた存在です。しかし、彼は徐々に自我を芽生えさせ、自分の意志で行動するようになります。クローンである自分と、人間として生きる自分、どちらを選ぶのか。この葛藤が、物語に深みを与えています。

また、ディラックが、冷徹な兵士から、感情豊かな人間へと成長していく過程も見どころの一つです。最初は任務しか頭にないような彼でしたが、仲間との出会いを通して、友情や愛情を学び、人間らしい一面を見せてくれます。

SFとしての面白さと、人間ドラマの深みが絶妙にバランスが取れた本作。壮大な宇宙を舞台にしたアクションシーンも迫力満点で、最後まで飽きずに読むことができました。

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