見出し画像

退職金にかかる所得税

みなさん、こんにちは。
先日の新聞記事で、退職金の課税制度の是正は、
2025年以降に見直すという記事が出ていました。

ご存じの方も多いかもしれませんが、
退職金に掛かる所得税は、
給与と比べると大きく軽減されています。
それは、労働の対価として支払われる給与に対して、
退職金は勤続に対する慰労であるためです。

そのため、
退職金に掛かる所得税は1つの勤務先で長く働くほど軽減されるため、
終身雇用を前提とした制度となっています。

国は賃金増加のため、終身雇用からより活発に転職が行われることを目指し、制度の見直しを検討しているようですが、
そもそも、退職金に掛かる税金がどのくらい優遇されるかについて、
今回は整理していきます。


退職所得控除の計算

退職金に掛かる税金を考える前に、
給与に掛かる税金について復習したいと思います。
(所得税ってどうやって計算するの?)

給与に掛かる所得税を計算する際、
給与収入(額面)から課税所得額を計算し、
課税所得額に税率を掛けて所得税を算出しました。

退職金に掛かる所得税についても同様で、
退職金(額面)から課税所得額を計算しますが、
算出過程で退職金(額面)から控除できる金額(退職所得控除)が、
給与に比べて多額であることがポイントです。

具体的には、
前述のとおり、勤続年数により退職所得控除額が決まり、長く働くほど控除額が大きくなっていきます。

国税庁ホームページより

そして、
もう一つのポイントが所得を半分にできることです。
退職金(額面)から退職所得控除を差引いた金額をさらに半分にできるのです。

国税庁ホームページより

所得税の軽減額

当然これだけの恩恵を受けているので、
給与収入に比べると圧倒的に所得税は優遇されているはずです。

具体例で、
年収2,000万円の人の所得税と
勤続年数20年の人が退職金2,000万円受給したときに掛かる所得税を比べてみると分かりやすいと思います。

所得税額の差額を見ると一目瞭然ですが、
300万円近くも退職金でもらった方が所得税が軽減されます。
このときの税率を比較すると、
給与収入に掛かる税率は33%、退職金にかかる税金は20%ですので、
税率の階段で2段分の差が生じています。

このように、
退職金には大きな所得税の軽減がありますが、
実際に企業から退職時にどのくらいの退職金を受給できるかは不透明なところもあることから軽減を受けている実感をどのくらい感じられるかは微妙なところでもあります。

やっぱりiDeCo!

そこで改めてiDeCoの登場です。
「iDeCoで節税しよう!」の投稿の
メリットの3つ目、受給時に所得控除が受けられるとは、
まさに退職所得控除のことになります。(資産を一括で受け取った場合)

つまりiDeCoとは、
掛金を納付時に全額所得控除できることから、
納付額 × 税率 について所得税の軽減を受けることができ、
さらに資産受取時には、
一括で受け取る場合、退職金として受け取ることができるため、
上記のような大きな所得税の軽減を受けることができます。

みなさんのご家庭の貯蓄額と相談しながら、
ぜひ将来に向けてiDeCoの加入を検討するのが良いと思います。

今回もありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?