【不定期・小説】アマビエ様#4
潮の匂いがする。
目を覚ますと、私は何処かの海辺に倒れていた。
口の中が砂で、シャリシャリする。
起き上がり、辺りを見渡すと薄気味悪い、皮膚がヌメヌメとした太った半漁人がこちらを、じっと見ていた。
私も、半魚人を見つめ返した。
半魚人は、クチバシのような口を大きくカッと開いた。
恐ろしくなり、私はその場合でバタンと倒れた。
すると、半漁人は私の近くにやってきて
「おまいさん、大丈夫かい?」
と話しかけてきた。私は、そのまま倒れたふりをした。
半漁人は、私を抱きかかえどこかの小屋に連れて行った。
それから、眼鏡をかけた半漁人がやってきた。
鞄の中から、聴診器のような物を出し、私の体を診察した。
「先生、どうでしたか?」
「大丈夫です」
そう言うと、眼鏡をかけた半漁人は小屋を出て行った。
その後も、太った半漁人は私を手厚く看病してくれた。
私は、その様子をうっすらと目を開け眺めていた。
つづく、、
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