ゴールデンウイークも終わり住宅街をぬうアスファルトの道に、ピンク色のツツジの花が満開に咲いていた。連なった花びらが永遠のように続いていた。空を見上げると暴力的な朝日で目が霞む、ツツジの花を無造作に摘み取った。吸うとほのかにあまい蜜の味がした。私は蜜蜂になった気分で花の蜜を一心不乱に吸っていた。ツツジの花言葉をインターネットで検索すると、「節度」「慎み」の意味があった。
「こんな風にいつまでも鮮やかに生きたい」
そんな私をあざ笑うかのように、青く澄んだ五月の空がどこまでも広がっていた。きょうも空が青い。