インテリアの提案と暮らしのコーディネートデザインも住まいを設計する際に大切な建築家の仕事の一部、住まいと暮らしの空間構成と間取りそして広さと使い勝手のバランス提案。
使い易い一枚板テーブルのある暮らし。
毎日使うものは
良いものを選びたい、
というのはある意味
当然の心理だと思います。
※一枚板テーブル用脚のセレクト
「良いもの」の定義は
その人それぞれの感性によっても
分かれることだと思います。
そして世間で「良いもの」と
されているものは
比較的長く愛されてきたもの
という見方もできます。
長く愛されてきた
という理由を探ると
そこに共通するのは「使い易い」
ということの存在があります。
使い易いという定義と感覚。
「使い易い」を定義する場合、
それがどのような分類に
属するものかで
多少変わってきます。
例えば家電であれば操作性、
ファッションであれば
TPOを選ばない、
日用品であれば
手に馴染む・使用時に違和感がない
というところ。
そこで家具において「使い易い」を
定義した際には
過度な重量を感じない
扉や引き出しの位置
数が適切で開閉も容易
といった実用面から
自身の住まいに合っている
住み替えがあったとしても
どのような空間にも合うと、
いくつかの要素から
語ることができると思います。
そのうえで「使い易い」という
いわば感覚的なものに
由来する表現は
これは使い易い
これは使いにくいと
厳格に線引きされるものではなく、
その人の事情や感性において
使い易いと感じていれば
それで良いという側面はあります。
同時に、
仮に使いにくいものでも
その不便を楽しむ、
例えばアナログなものを
愛好するといった
人もいるという多様性こそが、
様々な楽しみ方を
生むことになっていることも
忘れてはいけないと思います。
人生観と同じです
好きな車やバイク
好みのファッションや料理等。
勿論・・・家造りも一緒です。
そして一枚板テーブルも
使い易いものを選ぶ。
無垢材でつくられる「無垢材家具」は
そのカテゴリーごとに「無垢材〇〇」と
名前が変わります。
テーブルであれば「無垢材テーブル」です。
その無垢材テーブルの中でも
際存在感を放つのが
「一枚板テーブル」と言えるかと思います。
樹齢約100年、
もしくはそれ以上の年月を生きた
大木の表情を余すことなく表現する
一枚板天板。
その天板でつくるテーブルは、
どのような天板を使用するか、
それを選ぶことができる
「楽しみ」を持っています。
どのような天板を選ぶのかで、
そのテーブルを使用する場の
雰囲気も大きく変わります。
また、その天板選びは
様々な観点で行われるはずです。
憧れの樹種がある、
絶対にこの杢が入っている
ものでなければ、
といったこだわりから
サイズなどの実用面や
価格を第一に考える人もいます。
同時に覚えておいてほしいのは、
今選んでいるものは
飾ってあるのを
見て楽しむものではなく、
実際の食事や作業、
つまり毎日の暮らしで
使うためのものだという事です。
貴重な一点ものである
一枚板天板でも
それは変わりません。
そこにはやはり「使い易さ」は
欠かせないはずです。
実際のスペースとの
バランスが使い易さを生むという事。
では実際に使い易さを
ふまえたうえでの
一枚板天板選びは
何を重要視するべきなのか。
第一にサイズが
空間に対して適正か?
使用する際に狭く感じないか?
一枚板テーブルに限らず、
ダイニングテーブルは
空間に対して
ある程度のスペースは
必ず占有します。
そこで大きすぎるものは
周囲の回遊や椅子の出し引きを
不便にし、
それは「使いにくいもの」と
なると思います。
そのうえで実際に使用する際に
狭く感じないものを
選ぶ必要があり、
そのバランスの取り方は
家具販売店などで
客観的に全体像を確認しながら
選定する事で失敗も少なくなります。
軽視してはいけない「奥行き」。
狭く感じない=快適に過ごす事ができる、
あるいは食事や作業の際に
窮屈感がない、
という観点が「使い易い」に
繋がるので
一枚板天板を選ぶ際には
「奥行き」を軽視しないように。
一枚板天板はこの「奥行き」の点で
一般的なテーブルよりも「細い」ものが多いです。
これは一枚板天板が
高樹齢の大木からしか
確保できないという事情によるもので、
一枚板天板の奥行きは
そのまま木の太さといっても
良いものです。
もちろん、
その樹種によっては
細い樹径にしかならないものも
あるのですが、
樹齢が高くなれば
太い木になるなかで、
そのような高樹齢のものは
特に人気樹種ほど
少なくなっている現状はあります。
だからといって、
あまりに奥行きが細い天板を選ぶと、
実際の作業や
食事の際のスペースが
確保できないことや、
対面した人との
距離が近すぎて落ち着かない、
といったこともありえます。
対面した際に
確保しておきたい
互いのスペースは80cm程度と
言われており、
できれば最低でも
その程度の奥行きのある
天板を選びたいところです。
一枚板天板は、
木のそのままの形を
テーブルにするものであり、
皆さんも知っているように、
木には様々な形状があります。
真っ直ぐ空に向かって
伸びているもの
ばかりではありません。
それこそ真横に向かって
伸びていくものや
幹が二股に分かれるもの、
波打つような樹形も
穏やかなものから
大きく激しいものまで
様々です。
一枚板天板は、
それらの特徴的な形状や
自然が生み出した
有機的な曲線の連続、
不均等性こそが
その大きな魅力です。
それらが芸術性を持って
人々を魅了するわけですが、
同時にあまりに
特徴的な形状は
使い易さを損ないます。
空間に対しても
悪い意味での存在感が増幅し、
全体の雰囲気を
ちぐはぐにしてしまう
可能性もありえます。
その形状が魅力的な
一枚板天板であっても、
できる限り
直線に近い形状のものを
選ぶことが
本当の意味で使い易いもの
となりえるはずです。
繰り返しになりますが、
使い易いという感覚は
人によっても異なり、
その使いにくさや不便さを
楽しむことを
良しとする人もいます。
枚板テーブルにするための
一枚板天板選びには
空間とのバランスも
生活の習慣も関係してきます。
ですが、
使い易いものを選ぶことが出来れば、
その愛着はさらに高まり、
毎日の食事や作業もより
楽しくなると思いますよ。
過ごし方と空間
そしてインテリアの
要素のバランスを大切に。
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建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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