テレワーク実現を通して比較する製造業とIT企業の違い

テレワークが進んでいる会社、進んでいない会社ありますね。
私は、製造業に約20年、IT(というよりも、デジタル映像業界といった方が適切かもしれませんが)で6年、の経験を踏まえて、製造業でも信頼されるテレワークであることを前提に、様々な業務を製造業が求める「長期的信頼」をいただけるか、という判断基準をベースに、完全リモート体制を2020年2月上旬に実行し、今も微調整しています。おそらくほとんどの部分は、
ヒトの問題(感情から来る問題)、モノ(在宅で支給しているパソコンやスマホ等のツールが故障したなどの問題)、創造性(複雑な問題の情報整理と問題解決等ですね)以外は、解決できると思います。
創造性も、目下チャレンジしているところで、あるところまではできると思います。

振り返って、IT企業等はどこがテレワークが難しくて、製造業はどこが難しいのか、両方を知る私の経験を語ることができると思ったので、簡単にポイントをお伝えしたいと思います。

当然テレワークは製造業の方が難易度が高いです。IT企業は基本的に自社努力でほとんどのケーステレワーク可能になります。

製造業が難しい部分を先に結論
①モノを扱う現場の対応
②カネの部分 自社だけでは完結不能な部分(手形の電子化)
(逆に言うと、これ以外はIT企業も製造業も基本的に同じです。)

IT企業のテレワーク

ITや映像の場合、基本的に完全在宅可能です。印鑑・ペーパーレス・社内外コミュニケーションも、業務オペレーションの設計とツール次第です。経理もお金も人事も全てデータなのでデジタル化できますし、安価なツールもそろっているので、業務設計次第で実現できますし、このあたりはどこの会社もクリアしているところが多いと思います。
注意すべきは、機密保持とサービスの質を落とさない通信環境の観点です。
機密保持は、
①セキュリティを考えた技術ツール選び
②デジタルデータの置き場と整理整頓アクセス権
③労務管理(機密保持の誓約書、査定評価、退職時等)
の3点の運用をしっかり行うことで、在宅でもオフィスでも情報漏洩リスクは同じレベルにできます。

・法務


対外的な契約書が印鑑の場合、取引先にも了解を求め、デジタル化することが必要になります。ちょうど、行政や社会が印鑑をなくそうという方向性に動いているので、この流れで契約書のデジタル化を進めることが大事でしょう。これは、IT企業も製造業も同じだと思います。全業界で進めてしまいましょう。当社も全取引先に働きかけます、感染防止のため。

・営業


IT企業の場合、to Bを相手にする場合、当社のように製造業のお客様がお相手の場合にはコロナ前ですとWEBによる打合せに一部お客様は難色を示していましたが、現在ほとんどのお客様が受け入れていただいており、おそらく今後も一部の対人が必要な問題以外は、完全テレワークが実現できるようになりました。しかしながら、対人が重要な部分でありかつ売り上げに直結する業務なので、環境が在宅ならうまくいくというものではありません。
過去記事「良い営業マン=デジタルマーケティング」をご参考ください。

・制作(製造業でいうと製造)環境


商材がデジタル化されているので、基本はテレワークと相性が良いです。
しかしながら、以下の場合には、テレワークが難しいため、デジタルなのに現物確認が必要だったり、現場に行かないとダメだったりするものについては、場合によっては、ソーシャルディスタンスの関係から、コストや納期に影響が出ざるを得ないと思われます。

①現場で作業必要なケース
プロが作る実写映像等は、機材がある場所で作らなければなりません。スタジオなどですね。
この際、自前のスマホやカメラだけでなんとか撮影してみる努力をするとよいと思います。
②コンテンツがテレワーク通信環境では送受信が困難なほど重いケース
コンテンツが通信スピードやハードウェアのキャパの範囲内であることはポイントになります。データ量が多かったり、サーバー負荷がかかるようですと、工夫が必要になるでしょう。
VRがまだまだ難しい理由の一つがここ、データ量が大きすぎることにあります。VRは、受信側のハードウェアが普及していないことや、まだまだ高額でどれだけの人数が端末を購買可能か、という問題もありますが、データが大きすぎる問題もあり、VRのメリットであるリモートで使う、となるには、5G以上であることは最低条件になるでしょう。

製造企業のテレワーク

他方、製造業の場合は、そう簡単にいきません。

・開発業務(試作と評価をするための、装置・材料・作業環境が必須)
・製造(完全自動化工場はまだ無理。アウトソースしていない限り、
 何かしらオペレーションで人が必要)
・入庫・出荷(アマゾンロボットでも、完全人ゼロは無理)・品質検査
 (モノと品質検査装置が必須)

いわゆる、開発・製造・倉庫の現場業務のテレワークはとても難しいです。
はテレワークは難しいです。省人化や人の動線や衝立てによる工夫でしょうか。IoTの導入によりデータを収集することにより予知による効率的なオペレーションが可能ですが、どこまでできるかは、チャレンジだと思います。

・経理・人事・総務・法務

IT企業と同じですので、IT企業の該当部をご参考ください。

・情報管理


製造業の場合、IT企業と比して情報と知識と見極めができないため、
実はとても高額で、柔軟性がなく、それでいてセキュリティリスクが高いツールを導入しているケースが多く、このあたりは、おそらく減価償却5年を過ぎたシステムを使っているなら、すぐにでも見直し、おそらく10分の1のコストで実現できる可能性があると思います。
VPNでシステム業者の勧めで自社サーバーを持っている場合には、情報漏洩リスク・テレワーク実現性・コストの3つにおいてよくない方法で、情報漏洩リスクを下げ・社員がテレワークで安全にアクセスできるようになり・コストが1/10に下がるのですから、すぐにでもやってしまいましょう。

・経理

製造業の場合、手形の問題があります。手形の捺印。裏書の業務。
このような時代ですから、取引先も同じ問題を抱えているので、電子手形化を進めていくとよいでしょう。(実際電子手形は導入したことがないので、詳細はわかりませんが、詳細は取引金融機関にご相談ください)

・営業や販売促進(マーケティング)営業活動

かなりのお客様が事業所への来客を制限し、スマートフォンやオンラインによる面談を推奨しているので、営業活動もテレワークで行うことも取り入れることが可能になります。しかしながら、対人が重要な部分でありかつ売り上げに直結する業務なので、環境が在宅ならうまくいくというものではありません。このあたりは、
過去記事「良い営業マン=デジタルマーケティング」を是非ご参考ください。

https://link-insight.net


よろしければ、フォローとシェアをお願いします。 日本のGDP20%を占める製造業に従事する方々の現場力に 適合できるヒトのためのデジタル化を推進しています。