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シン・スラムダンク


作者の井上雄彦さんが映画化にGOサインを出したのは2014年とパンフレットに書かれている。8年前。東日本大震災の3年後である。原作をただなぞって同じものを作ることにそそられなかったと話されているが、単行本発行部数1億2000万以上でテレビアニメ化もされた大ヒット漫画を劇場用に作り替えるのは困難で勇気が必要だっただろう。チャレンジは成功。「スラムダンク」らしくリアル且つ無理なく描かれている。「週刊少年ジャンプ」で連載されたのは1990年から96年。昭和が終わり、平成2年から8年、バブル崩壊直前から崩壊後、26年前までだ。当時は才能に恵まれたキャラクターが持て囃された時代であった。インターネット、スマホが全盛となり、ヒーローはどんどん等身大になった。リアルな視点を追求する作者だからこそ本作は時代背景を反映。シン作として登場したのだろう。メジャーリーグで日本人がMVPを取り、NBAで活躍する選手も現れている。舞台は日本のみならず。令和を実感した作品であった。

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