イノベーションに必要なメンタリティの話。それをサッカーW杯の盛り上がりに便乗してサッカー選手で考えてみた
ということで、ついに2022年の王者が決まったサッカーW杯! 決勝のアルゼンチンvsフランスの一戦は凄まじい内容でしたね。日本も1次リーグを1位通過!しかしながら、クロアチアにPKで敗れてしまいました。結果は9位。次回大会にベスト8以上を期待したいです。
そんなこんなでタイムリーなサッカーという話題で岩佐さんとの定例ミーティングが盛り上がったので、今回は自分の頭の中の整理のために、ひさびさにnoteを書いてみようと思います。
上のらーめん屋の話も面白かったのですが、今回書くのは、題名にもあるサッカーをメタファー(隠喩)にした、イノベーションに必要なメンタリティについてです。なるべくわかりやすく書いていこうと思います。やや極端な話になりますが、その辺は差っ引いて読んでみてください。
1)ドイツ戦を振り返る
今回、例として取り上げる題材は、2022年11月23日に行われたドイツvs日本戦です。別にどの試合でも良かったのですが、日本が勝った試合の方が書いててテンション上がるので。
試合結果は1対2で日本の勝利!
今回、参考にしたい数値は、シュート数と得点の関係です。ドイツのシュート数と得点は25本で1点、それに対して日本は11本で2点。(他の数字は一旦見ません!w)
日本はドイツに比べ、シュート数こそ少ないもののよく2点決めました!
一方、ディフェンスはこうなります。
日本の守備すごいですね。防御率96%となります。
もちろんシュート数と得点以外にも様々な要素が勝敗に繋がるわけですが、今回はシュート数と得点の関係に着目して以下書いていきます。
2)サッカー選手のメンタリティ
サッカーの試合における目標は勝つことです。 これは満場一致の目標だと思います。もう少し噛み砕くと、「相手より多く点を入れること」になります。
数式で表すと、 相手の得点<自分たちの得点 であれば勝ちです。
自分たちの得点を最大化するのはオフェンスの役割、
相手の得点を最小化するのはディフェンスの役割となります。
もう少し詳しく、オフェンス・ディフェンスにそれぞれ求められることについて書いていきます。
●オフェンス・ディフェンスに何が求められているか?
先に結論。
オフェンスに求められるのは得点です。
日本は11回攻撃して、2得点をとりました。ドイツは25本、1得点です。
たくさんシュートを打った方が得点は最大化できます。シュート数はチャレンジ数とも言い換えられ、そのチャレンジの回数以上に得点が入ることは決してないのです。そう考えると日本の2倍以上のシュートを打ったドイツが勝っていても全然おかしくない試合でした。
だけど、ドイツ戦では日本はチャレンジ数に劣るものの、それをものにする力に長けていたため、結果として勝つことができました。
一方、ディフェンスに求められていることは失点をゼロにすることです。つまり完璧な結果です。
日本は25回攻められ24回守りました。ドイツは11回攻められ9回守りました。日本はドイツに比べ2倍以上攻められているけど失点は少なかったです。日本はディフェンスが良かった!
ということで、オフェンスには多くのチャレンジとそれを得点に繋げる力(1/10)・ディフェンスには完璧に守る力(10/10)が求められることが整理できたので、次はメンタリティについて整理します。ちょっと飛躍する部分もあるけどそれはどんまい
同じ競技なのに真逆のメンタリティが存在するのは面白いですね。
以降、書き進める中で、 多くのチャンレンジができ、確率は低くとも点がとれる人材をオフェンス型人材、10/10でミスなく確実な仕事を求められる人をディフェンス型人材、と表現していきます。
3)オフェンス型人材・ディフェンス型人材の行動特性
さあ、ここでは事例を紹介していきます。
オフェンス型人材、ディフェンス型人材にそれぞれどんな行動特性があるのでしょうか?仕事以外の話も含め、事例で考えていきたいと思います。
以降、オフェンス型人材は(オ)、ディフェンス型人材は(デ)と表現します。
こうやって並べてみると面白いですね。簡単に理解できる。
オフェンス型人材は、攻めてますねー。チャレンジ大好き。一方で成功する確率が高いとは言えない行動でもあるのでコスパは悪いですね。その代わり大当たりを引く可能性がありそうです。
ディフェンス型人材は、過去のデータ、経験を重んじて、兎にも角にも失敗しない選択をすることが良くわかります。
これらをビジネスっぽく書いてみます。
こうやって書くと圧倒的にオフェンス型の方がカッコイイ感じですが、そもそも人間の歴史は不確実性を減らすことを重んじて発展してきたことを忘れてはいけません。つまりディフェンス重視です。その結果が長生きであり、安全・安心であったりします。なので、オフェンスの方が偉いとかすごいとかっていう話ではないのです。
では、今回の主題である”イノベーション”についてはオフェンス型、ディフェンス型のメンタリティ必要なのか?
それはもちろんオフェンス型です。
10回チャレンジにして10回成功するイノベーションなんて聞いたことがありません。起業の成功確率とか見れば一目瞭然です。
0→1のイノベーションにはチャレンジの数が必要です。
そして、そのチャレンジをものにする力が必要です。
イノベーションにはオフェンス型人材の力が不可欠です。
4)オフェンス型人材はどうやって育てるんだ?
既存事業で拡大してきた日本の大企業には、そもそもオフェンス型人材は(ほぼ)いません。なぜなら売上の超絶大きな既存事業を守っていくのはディフェンス型人材だからです。だけど、もう既存事業大きくならないんだから、少人数でもいいのでオフェンス型人材が欲しかったりします。
この辺が今の大企業の抱える大問題でもあり、日本の課題でもあります。
では、オフェンス型人材を育てたり、獲得したりするにはどうしたらいいのでしょうか。
少しだけ話が逸れますが、オフェンス型人材が言われがちなことを書いてみます。(結構面白いです)
「異質・異才・異端児……」
そんな風にオフェンス型人材は扱われます。
要はこんな感じのオフェンス型人材にとって居心地が良かったり、存在が推奨されたり(否定されなかったり)、評価されるように会社が変わればいいのです。
制度やマネジメント、そして風土をどうするか考える必要があります。これが言ってしまえばハードの話。
ソフトの話はもちろんプレーヤーの話です。
にわとり卵の話になってしまいますが、
オフェンス型人材を育てるためには、環境(ハード)とプレイヤー(ソフト)の両方が必要です。
日本の教育は金太郎飴をつくるような教育であることがほとんどです。個々のオリジナリティを育む教育は苦手です。逆にディフェンス型の教育は超絶得意です。
日本の教育環境下でオフェンス型人材が育たないのであれば、ディフェンス型の大企業の中でも同様にオフェンス型の人材が育ちません。
だからお金持ちの大企業(ディフェンス)はベンチャー企業(オフェンス)を買うことによってイノベーションを達成していることが主流になってきているのです。まあ大企業(ディフェンス)の環境(ハード)にそのままベンチャーが取り込まれると折角のオフェンス力がなくなるんですけどね。
ということで、イノベーションに向けて大改革が必要な会社がほとんどになってしまうので、まずは何も言わずにイノベーション用の別会社つくりましょ。それが一番手取り早い。
5)最後に、、、
冒頭に書いた話について。
これ、岩佐さんが例えてくれた話なんですが、超絶わかりやすかったのでシェアしちゃいます。
「繁盛するらーめん屋は、10人中1人が美味しいというらーめんを提供するお店である。」
僕なりの解釈と事例で解説します。
※実名あげてごめんなさい
※あくまで主観です。
10人中9人がまあいいよね、というらーめんの代表例は日高屋のラーメンであり、バーミャンのらーめんだと思うのです。これに異を唱える人はいないと思うのです。日高屋でらーめん食べるのに並んでいる人、見たことあります??
一方、ラーメン二郎はどうでしょうか。
僕の友人が二郎に奥さんを連れて行ったら、もう絶対行かないと言っていたそうです。つか、なんであんなのに並ぶの?なんで連れて行ったの?とちょっとキレ気味で言われたそうです。
だけどいつも長蛇の列です。並びます。
ラーメン二郎は僕も愛しているのですが、あれは10人中1人が大好きなラーメン屋です。10人中9人は「油がきつい」「ニンニク多すぎ」「量が多すぎ」「麺が見えない」「麺が重すぎ」「なんで喋っちゃいけないの」と苦言を呈します。
つまりここで言いたいのは、
10人中9人が「いいんじゃない」という新規事業が成功する確率は極めて低いということです。誰も否定しない代わりに、誰も列には並ばないのです。
10人中9名が「うまく行かない」、残る1名が「超いいじゃん!」という新規事業はうまくいく可能性が高まります。その事例がラーメン二郎なのです。
全員がまあまあ好きなものを見つけるより、
10人に1人が大好きなものを探す。
オフェンス型のメンタリティを育む上での参考になれば幸いです。
最後に予告、2023年に向けて。
1)オフェンス型人材をつくるための実践型研修
2)外からイノベーションを連れてくる(人or事業)
これらを来年、新サービスとしてリリースします!
ご期待ください!
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