短歌60
2022/9/21
年下の歌人 年下の恋人 年下の僕にいてほしいなぁ
液体になってしまった先輩がその旨をずっとLINEしてくる
2022/9/23
天窓があったらもっと生きていけたかなって足取りで、母校を
きみの歩き方を肩として思い出す 肩のこと好きだったな
「来週のサザエさんは?」「カツオです」「スズキです」「ハマチです」「カンパチです」
2022/9/25
ギリ差せるから差している折りたたみの曲がってはいる骨 六連勤
忘れたいこの海が干上がる頃に桜が百万回咲く頃に
2022/9/28
寝る前のスマートフォンを否定する人からスマートフォンを守る
2022/9/29
乞われればいつであろうとコンビニでたばこを買ってきてくれるひと
2022/10/9
リコリスの窓辺いかなるあなたでもそこにいたならそれはまぼろし
2022/10/10
この恋を呼吸と思う思うけどずっとはしないんだろうと思う
暗喩のように君へと送る手紙では漢字を過度にひらいてしまう
あなたからいいねをもらうどこの馬の骨かも分からん女の自撮り
なんかいい名前の集合住宅に住んでる客の手続きをする
2022/10/11
いまいちなマジックアワー バイト代渡した後に少し話した
2022/11/15
PHONETICあなたからきいた言葉はあなたの思いであってほしいよ
2022/11/19
夢の中で読んだ小説に救われてこれは誰による救いだろう
レインインザレイン半分も知らない人のこと好きだって言える
台風に名前があってあなたにもあなた以外の名前があった
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