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2222年問題

案内所に戻ってきた着ぐるみの二人が、単発バイトのわたしくらいしかいないその場所でも着ぐるみとして振る舞っていた時のことを度々思い出す。休憩も着ぐるみのまましていたのか、着ぐるみのまま電車に乗って帰ったのか、そこは知らないけれど、そういう存在が世の中にいたら楽しいのになと、度々思う。


ガストの数年振りに訪れた店舗にも猫型配膳ロボットとセルフレジが導入されていた。次に行く頃には厨房も案内も、セルフレジの説明をする人も猫になっているかもしれない。
パートの猫型ロボットの家には小さい猫型ロボットがちょろちょろしていてほしいし、すかいらーくグループの入社式には新入社員として猫型ロボットも並んでいてほしい。バイトの猫型ロボットはシフトを終えた後、ギターを担いでライブハウスへと向かってほしい。


労働力の大部分が猫に置き換わった頃、相変わらずセルフレジの場所が分かりづらいなと思いながら近所のファミマでAfternoon Tea監修 シャルドネ香るストレートティー 600mlを買おうとしていたところで、「まったく、人の手も借りたいくらいですにゃ」というあのロボット特有の口調のぼやきを聞いてしまい、有猫レジの方向をちらりと見ながら、思えば遠くまで来てしまったな、と思う役を、わたしはやります。

ファミマのセルフレジの場所がことごとく分かりづらいの、わたしの知ってる店舗だけ?


着ぐるみの恋人のこと愛してる 着ぐるみの恋人のこと 愛してる

レジの人と小粋なトーク レジの人も家で思い出してたらいいな

/山形さなか

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