短歌62

2022/11/20

五右衛門のちっちゃい豆腐 文学はわたしを置いていったりしない

call my name そうやってこの世を少しだけ占拠したあかしの

モノレール/ジェットコースター 人生のコマンドはたぶんめちゃくちゃ長い

町の使い方が違っている町で互いに違う人を想うよ

急降下しちゃっても愛しているし羽が生えたらあたしが捥ぐね

またごはん行こうの時のほんとうにごはんが目的でないごはんよ

ちぎりかけのパンそれ以上ちぎらずにこのままここに住んだらいいよ

斬新なジャズアレンジはひかりゆきない罪さえもあなたに告げる

当時少し流行っただけの替え歌が当時の片恋を凌駕して

する時はするって言って この部屋で使いきれそうな紅茶たち

踏切も一緒に地下に移設して開かないねって横顔の夢

払われた花びら選ばれた花びらきみがいたって伝えていくよ

あいをします あいをしますか? ベランダの君の菜園で血肉を作る

夜の冬 会いたい人に会いたいと伝える石鹸が割れていく

2022/11/22

いつか(今)きらいになってしまっても、わたしが今後違う誰かを
大切と、特別と思うには、ずっとあなたを越える必要がある。
そのことにどうしようもなく持ててしまう確信めいた痛みのことを、
愛なんて呼んでしまいたくないけれど、わたしはあなたが大好きだった。

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