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詩(20~30代の作品)

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私がまだ二十歳の頃の 1990年頃の詩と、30歳過ぎの 2001~2003年頃の作品を掲載しています。
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記事一覧

酔狂詩人      ※1990年頃

天才きどりのアイツときたら 今日も夜からお出かけだ 罪の衣を身にまとい 夜の都へお出かけだ …

山雀ぐり
3年前
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海     ※1990年頃

悲しみを背負いてひとり たそがれの海に来たれり 幻のごとく消えゆく 青白き帆影を見たり 耐…

山雀ぐり
3年前
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夜     ※1990年頃

何事もなく過ぎゆける 日々の暮らしに生き飽ひて ほろほろと、古きピアノを弾きおれば 生きて…

山雀ぐり
3年前
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蟋蟀(こおろぎ)     ※1990年頃

ちびりちびりと夜が更ける ひっそり閑と寂しい夜だ ああ、俺のあの女はどうしているだろうと …

山雀ぐり
3年前
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こそ泥夫婦の話     ※1990年頃

もののはずみで知り合った  若い二人の恋仲は もののはずみで知り合った  わりには相当シリ…

山雀ぐり
3年前
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初雪     ※1990年頃

これが今年の初雪だ 大晦日の晩、除夜の鐘 ひらひらひら ひらひらひら こたつの中には足八本 …

山雀ぐり
3年前

骨     2001/5/30

月夜の晩に  骨が透ける ぬめるような  月の光に 僕の骨は  微妙に濁り 彼女の骨は  白っぽい 異なるふたつの  骨たちが 月にわが身を  透かしつつ 今宵も哀しく  いだきあう カタカタと  骨の音立て…

彼     2001/6/3

彼はとっても不思議な奴だ 僕が近づくと 彼もこっちへ近づくし 僕が遠ざかると 彼もそっと遠ざ…

山雀ぐり
3年前
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花     2001/6/4

石垣の合間に 可憐な花咲く 立ち止まり しばし見とれり 名も知らぬ 可憐な花なり 名も知ら…

山雀ぐり
3年前
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ストーカー     2001/6/5

僕が僕を追いかける 僕は僕のストーカー? 僕の一挙一動を 僕が残さずチェックする  (あ、…

山雀ぐり
3年前
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猫     2001/6/6

彼女が部屋で飼ってた猫は なかなか僕になつかなかった まるで彼女の心が僕に なつかぬもので…

山雀ぐり
3年前

食事     2001/6/14

彼女が肉を食らう あの美しい彼女が…   銀のナイフを朱に染めて   フォークを肉に突き刺…

山雀ぐり
3年前
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月     2001/6/17

今宵 虚空に浮かんだ月は 左右が逆の 三日月だ そうか さっきから どうも落ち着かないこの気…

山雀ぐり
3年前

喪失     2001/6/18

ポロポロと 僕の脳ミソから 僕の記憶が こぼれてく 僕の名前だの 僕の性別だの 僕の言葉だの 僕の過去だの… それでもやっぱり 僕ハ僕 ちゃんとこうして 生きている なあんだ、あんな記憶 いらなかったんだ 消えちまえ、消えちまえ この世で覚えたすべての記憶よ 知識なんて汚いものサ そんな飾りは脱ぎ捨てて 僕よ 僕に帰れ…