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天才きどりのアイツときたら 今日も夜からお出かけだ 罪の衣を身にまとい 夜の都へお出かけだ …
悲しみを背負いてひとり たそがれの海に来たれり 幻のごとく消えゆく 青白き帆影を見たり 耐…
何事もなく過ぎゆける 日々の暮らしに生き飽ひて ほろほろと、古きピアノを弾きおれば 生きて…
ちびりちびりと夜が更ける ひっそり閑と寂しい夜だ ああ、俺のあの女はどうしているだろうと …
もののはずみで知り合った 若い二人の恋仲は もののはずみで知り合った わりには相当シリ…
これが今年の初雪だ 大晦日の晩、除夜の鐘 ひらひらひら ひらひらひら こたつの中には足八本 …
月夜の晩に 骨が透ける ぬめるような 月の光に 僕の骨は 微妙に濁り 彼女の骨は 白っぽい 異なるふたつの 骨たちが 月にわが身を 透かしつつ 今宵も哀しく いだきあう カタカタと 骨の音立て…
彼はとっても不思議な奴だ 僕が近づくと 彼もこっちへ近づくし 僕が遠ざかると 彼もそっと遠ざ…
石垣の合間に 可憐な花咲く 立ち止まり しばし見とれり 名も知らぬ 可憐な花なり 名も知ら…
僕が僕を追いかける 僕は僕のストーカー? 僕の一挙一動を 僕が残さずチェックする (あ、…
彼女が部屋で飼ってた猫は なかなか僕になつかなかった まるで彼女の心が僕に なつかぬもので…
彼女が肉を食らう あの美しい彼女が… 銀のナイフを朱に染めて フォークを肉に突き刺…
今宵 虚空に浮かんだ月は 左右が逆の 三日月だ そうか さっきから どうも落ち着かないこの気…
ポロポロと 僕の脳ミソから 僕の記憶が こぼれてく 僕の名前だの 僕の性別だの 僕の言葉だの 僕の過去だの… それでもやっぱり 僕ハ僕 ちゃんとこうして 生きている なあんだ、あんな記憶 いらなかったんだ 消えちまえ、消えちまえ この世で覚えたすべての記憶よ 知識なんて汚いものサ そんな飾りは脱ぎ捨てて 僕よ 僕に帰れ…