食事     2001/6/14

彼女が肉を食らう
あの美しい彼女が…

  銀のナイフを朱に染めて
  フォークを肉に突き刺して

ああ彼女が肉を食らう
あの大人しい彼女が…

  その紅い唇を
  臓器へ続く穴と変え

噛み砕く歯はキリキリと
味わう舌はヌラヌラと
喉は唾液の渦巻いて
やがてゴクリと音鳴らす

ああ何というおぞましさ
それでも彼女は貞淑な
微笑しながらこう言った

「オイシイ」…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?