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「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」展 @弘前れんが倉庫美術館

昨日、弘前れんが倉庫美術館で開催された「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」展に出かけてきたのですが。行ってみたらすごく良かったんです!!

これは2002年、2005年、2006年に弘前の吉井酒造れんが倉庫が美術館になる前に、

そこのオーナーである吉井千代子さんが「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」と、

当時、奈良美智さんが所属されていた小山登美夫ギャラリーに電話をかけたことから始まった、三度の展覧会のドキュメント(記録)の展覧会なのですが。

行ってみて驚いたのが、「わたし、奈良美智さんの世界がこんなに好きだったんだなあ」という、なんとも切ない思いでした。

永野雅子さん、細川葉子さんという二人の写真家さんが写した作品の展示風景も、奈良美智さんが生み出す作品を、まるで生きているもののように扱っているのが伝わってくるんですね。

永野雅子さんの撮影した、美しい一枚。ピルグリム(奈良美智さんの造形作品)が生まれたての赤ちゃんのように扱われているのを見ると、この世に大切なものがある、と。

当たり前なんだけど普段なかなか出会えない、尊い気持ちになります。

写真家さんの写真を見る時、その人がどの瞬間を「尊い」と感じているかが伝わってきて、気持ちが静かになります。細川葉子さんの世界の静かさ、ものすごく小さいものを愛おしむ世界感が伝わってきて、よかったです。

感じるというのは、不思議なことですよね。吉井酒造れんが倉庫って、こんな場所だったんです。

『その日も。懐かしいような果てがないような、変な空気に包まれていた。
煉瓦倉庫の中に入り、人と離れ、静かな場所に立つと、意識がとうとうとしてくる。

いつも思う。これはどういうことなんだろうか?と。

暗い廊下に灯された灯りを見上げれば、小さい頃の記憶が引きずり出されそうになり、後頭部がじんわりしているのを感じる。この日は雨が降っていた。」

これは、私が2005年の展覧会の時に書いた文章なのですが。読むと、当時感じていたれんが倉庫の雰囲気を思い出します。

奈良美智展弘前のボランティアをしていた人も、していなかった人も。倉庫の黒い壁から、まだ何か感じるかもしれません。私は今回、美術館に生まれ変わり、剥き出しの美しさを失ったかもしれないれんが倉庫の、元のままだった黒壁に触れて。

その壁が「嘆きの壁」に似ているなと思ったんです。エルサレムにある最も神聖な、神殿の壁。この黒い壁を生かして展示してくれた山本誠さんのすごさを思います。そして、倉庫には、街が再現されていました。これは、とても驚くべきことで、なんとも喜ぶべきことでした。

街に驚き、壁に懐かしみ、
二人の写真家さんが写した奈良美智作品や、ボランティアの記録はもはや透明な記憶という言葉がもっとも近いような気もして。

こんなに美しく、透明で、明るい世界をよく、作り出したなあと驚いた次第です。

あと、あちこちで奈良美智さんの写真に出くわす度に、
やっぱり奈良さんが大好きだ!」と思わずにおれないのでした。

この展覧会は多分、何度も観に行くものになります。奈良さんの作品が実は、何点かあって。作品に出会った時に、いかに自分が奈良美智さんの作品に飢えていたかがわかりました。飢え渇いていたからこそ、心から作品の放つエネルギーを、受け取れたんじゃないかと思います。

「もしもし、奈良美智さんの展覧会はできませんか?」展の詳細はこちら。


れんが倉庫美術館の前は、お祭りでした☆
逆光ですごいことになってる
AtoZメモリアルドッグ
夢のような世界がここに。
自然派のナチュロジーハウスさんの出店☆
シラカバの樹液売ってたので、飲んでみました。すごく、面白かった!!

展覧会の会期は2023年3月21日まで。
美術館のHPをチェックしてくださいね!




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