おすそ分けの初物きゅうり
朝食にきゅうりを出した。歯があまり丈夫でない母のために、斜めに切ったものを千切りにした。
母はいつもは塩もみをして欲しいと言っているが、あえてそのまま食卓に載せた。「お母さん、友だちの菜園の初物のきゅうりよー」と伝えた。
母がきゅうりを食べ始めた。しゃきしゃきといい音がしている。
暫くして母が台所の私に語り掛けてきた。
「あんた、これはみずみずしいわい、きゅうりの味がしっかりするよ」母は美味しものを食べた時のニコニコ顔になっている。
「菜園の初物だからって、一本だけいただ