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【表現辞典】霊石典/名作家の文章〈3〉岡本かの子『娘』
霊石典
この記事は、私が編集している『霊石典』の派生記事です。名作家の作品の中から、『霊石典』収録の言葉が使われた印象的な文章を紹介します。言葉に興味を持つきっかけとして、あるいは、言葉をさらに深く理解する参考として、ぜひ本編の記事とあわせてお読みください。
岡本かの子『娘』(青空文庫)
腹部の頼りなさが擽られるようである。くく、くく、という笑いが、鳩尾から頸を上って鼻へ来る。それが逆に空腹に響くとまたおかしい。くく、くく、という笑いが止め度もなく起る。
腹が減りすぎて、「くく、くく」と笑いが込み上げてくる様子を描いています。私はこれまでに、「胸に響く」「心に響く」という表現はいくらでも見かけてきましたが、「腹に響く」というのは初めて見た気がします。しかもそれが空腹ゆえの笑いというのが、なんともユーモラスです。
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この記事では、[ひびく(響く)]が使われた文章を紹介しました。
ぜひ、本編の記事もお読みください。
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