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【プロット】落とし穴のなかにいる自称 除霊師

 除霊師という仕事は、明確な基準がないし依頼があれば請け負うのである。
 この世の中は、彷徨う霊で溢れかえっている。
 言うまでもないが、霊にも人生がある。
 様々な事情を抱えて成仏できずにいるが、自分自身でもどうすればいいのかわからず出口を探しているのである。
 そんな霊たちは、見える者にとっては違和感なく生活しているだけである。
 ホラー小説や映画のようにドラマチックなストーリーなどなく、淡々と生前に近い行動を取っているのだ。
「除霊してください」
 依頼を受けるとき、切羽詰まったように恐怖を顔に浮かべる人も少なくない。
 内心「そんなに怖いか」と疑問を抱くほど霊の振る舞いはゆったりとしている。
 私に言わせれば、罪のない霊を無理やり成仏させようとする自分こそが恐怖の対象だろう。
 そんなことを考えると、時々落とし穴を掘って自分を落したくなる。
 自己嫌悪を暗闇で消化したい。
 今日はそんな日だった。
 達磨大師は何年も洞穴で修行した。
 自分は一日だけ。
 自分の矛盾と向き合う時間を取った。
 だが、霊たちの中には私を誤解する者がいて、襲って来る者もいるのだ。
 念のため持っていた錫杖を振り上げた。


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越庭 風姿 【 人は悩む。人は得る。創作で。】
「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。