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【プロット】謙虚な職業訓練指導員が、地下鉄の駅に

 大きなバッグを抱えて、地下鉄に乗った紀香はよろけながら座席に腰かけた。
 都内にある美容学校で、ネイリストの講義と実習を依頼されたためである。
 美容系の中でもネイリストには夢がある。
 楽しくネイルをデザインして、収入になればどんなに楽しいだろう。
 そんな夢を抱く若者たちに、現実を見せる仕事である。
「うわあ、かわいい」
 キャピキャピして、楽しそうにデコりまくる学生たち。
 プロになるまでの道のりは果てしなく遠いだろう。
 恐らく小躍りして喜んでいる学生は3年以内に転職することになる。
 だが、そんな思いはおくびにも出さず、丁寧に説明した。
 挨拶、名刺の渡し方など、基本的なビジネスマナーを教えると、少々つまらなそうな顔をされる。
 だが紀香は淡々と低姿勢で学生に接した。
「皆さん、立派なネイリストになってください」
 帰りの地下鉄駅で、思わずため息が漏れた。


「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。