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山田組文芸誌 第7号「映画」

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2019年に発足された文芸部です。現在は会員4人、準会員1人で活動しています。指定されたテーマに沿って小説を書き、季節ごとに文芸誌を発刊します。 第7号のテーマは『映画』
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#物語

十二年越しの伏線回収 (著:千秋 明帆)

十二年越しの伏線回収 (著:千秋 明帆)

『十二年越しの伏線回収』 千秋 明帆

 隣で動く気配がしても、前を見つめつづけた。

 白黒しかない画面の中で浮かび上がるThe Endの文字と共に右側だけ沈み込むソファーも、薄暗い部屋に落ちる衣擦れの音も、左頬を照らした蛍光灯の眩しさも、何もかもを無視して前だけを見つめる。

「じゃあね。」

 静かな声は、肩をひと撫でして去っていった。

 エンドロールすら無い、余韻に満ちた物語の終わり。止

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ドリーム座の休日(著:高平 九)

ドリーム座の休日(著:高平 九)

ドリーム座の休日 高平 九

 夢見橋の石の欄干にもたれて川の流れを見ていた。昨夜の大雨のせいでいつもよりずっと水面が近く見える。寛之は濁った水の勢いに焦りのようなものを感じて川の終点である港の方角に目を移したが灰色の空以外には何も見えなかった。

 午前七時。雲が空を覆っているので今はそれほど暑くはない。予報では昼にはまた晴れるそうだ。寛之はショルダーバッグからペットボトルを取り出しマスクを顎に

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