見出し画像

📕傲慢と善良

辻村深月、著
傲慢と善良

婚約者が姿を消した…
ストーカーに追われていた。
事件に巻き込まれたのではないか?
カケルは婚約者であるマミを探すため、彼女が暮らしていた地元へいき調査する。
マミの過去に触れていく。

カケルは世慣れした、モテるタイプ。
マミは箱入り娘の、良い子。

前半はカケル目線で、ミステリー調に進んでいく。
結婚相談所や、マミがそこで出逢った男性たち、マミの友人。カケルの友人。彼らの証言から、カケルの知らないマミの姿が浮かび上がってくる。不穏な空気がずっと続く。

後半はマミ目線。
なぜ、結婚を直前にカケルの前から姿を消したのか。真相がわかっていく。

マミが繊細すぎるのか?いや…
多分、誰もがもつ、あたりまえの願望。
自分の好み。世の中に映したい自分の姿。焦り。それを傲慢だとは思わない。

良い子のイメージに相反する行動に対して、過剰に反応する周囲のほうが異常じゃないだろうか。周囲の連中があたりまえのようにやっていることを、良い子、だからやってはいけないのか? 良い子だから汚いことを考えてはいけないのか? 良い子だから他人を判断してはいけないのか?

マミが出逢う人々。
みんないろいろあるからと、言葉をかけられる。その言葉に、人間らしさを感じた。

みんないろいろあるから、誰もが誰かにそう思たのなら、
自分で自分を追い詰めるなんてこと少なくなっていくんじゃないだろうか。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?