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京の学び「もっと評価されるべき室町時代最高の文化人」




前書き

業界人の間ではすごく評価されているのに世間の認知度が低い人っていますよね。お笑い芸人でいえば囲碁将棋がそうでしょうか。

THE SECONDでやっと彼らの漫才スキルの凄さが知れ渡りましたが、これまでは水曜日のダウンタウンで根建さんを見る機会くらいしかありませんでした。


突然ですが皆様に一つ質問したいと思います。室町時代最高の文化人は誰ですか?

銀閣寺を作った第八代将軍足利義政をほとんどの人は思い浮かべることでしょう。私も少し前まではそうでした。三条西実隆と答えた方はよほどの文化人もしくは知識人とお見受けします。

私が持っている高校日本史を確認してみたところ、三条実美しか載っていませんでした。皆様が知らないのは当然です。今回取り上げるテーマは無名なのにスゴい人、三条西実隆さんじょうにしさねたかについてです。



三条西実隆って何者?

三条西実隆さんじょうにしさねたかは、室町時代後期から戦国時代の公卿で内大臣の官位を持つ最上位クラスの高貴なお方です。

"室町時代最高の文化人"という異名があるのですが、応仁の乱の中身くらい謎に包まれている人物で、Wikipediaを見ても何がなんだか正直さっぱり。


将棋や囲碁を嗜んでいたことから、将棋ファンや囲碁ファンであればその名を知っている人がけっこういるのかもしれません。👈伏線回収

"武野紹鴎に茶道を教え"という一文がWikipediaにあります。武野紹鴎たけのじょうおうは千利休に侘びの精神を教えた人物です。つまり千利休の師匠の師匠が三条西実隆になります。室町時代最高の文化人という異名は伊達じゃないってことです。



香道の祖

三条西実隆という文化人の存在を知ったのは京都検定の過去問を勉強していた時でした。

御家流香道の祖であり室町時代最高の文化人は誰かという問題にまったく答えられなかった私。香道や源氏香の存在は知っていましたが、流派についてまではこれまで調べたことがありませんでした。


東山文化を創り出したのは足利義政ですが、応仁の乱という乱世の中で茶道や華道を体系化した三条西実隆は、東山文化を成熟させた最高の文化人といって差し支えないでしょう。香道を古典文学や歌道の深い知識と教養を内包した高度な遊びとして確立しました。

ちなみに御家流は、平安時代の貴族や公家たちの間で行われてきた和歌と香遊びを源流とする香道最古の流派になります。

香道 - Wikipedia



まとめ

平安時代から鎌倉時代までの変遷は、昨年三谷幸喜さんが大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』で描写されたので多くの人が知ることになりました。

一方、室町時代は応仁の乱があまりにも難解で、足利義満から戦国時代までの知識が空白になっている方は多いかと存じます。

三条西実隆というWikipediaでも満足な記載がなされていない謎の人物について今回焦点を当ててみました。彼についてまだまだ知らないことがたくさんあるので今後も調べていきますね。


以上です。



追記

昔アロマテラピーが流行しました。PCやTVから匂いが発生する技術が確立すれば香道も大流行すると思うんです。個人的にはVRよりもこっちのほうに力入れてほしいなって思っていますがどうでしょう。

《余談》



『日本史がすき』応募作品の中で、スキの週間一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!

2023.09.25





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