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真夏の嵐山日帰り旅「涼風そよぐ渡月小橋」


大河ドラマ"光る君へ"第34回「目覚め」観ました。

子にさえ嫌われてしまった藤原伊周。その様子を見てさすがに可哀想だなと私は同情しました。兵庫県議会議員86人全員から辞表要求がなされて、アシックス尾山基氏が後援会を辞任し経済界からも見放され四面楚歌となった斎藤元彦兵庫県知事。彼に同情する県民は果たしてどれほどいるのでしょうか。彼の嫌われっぷりは伊周とだいぶ違うような気がします。

伊周は上昇志向と傲慢さと他責思考が行き過ぎて嫌われました。一方、斎藤兵庫県知事は極度のナルシシズムと公務員を絶対悪とする歪んだ正義感が混ざり合って独裁者気質となり、その人間性が百条委員会で周知されたことで兵庫県民だけでなく日本国民からも嫌われることとなりました。彼の言動と態度は道長を逆恨みする伊周より圧倒的に危うい感じがするんですよね。

官僚の「無謬性むびゅうせい」をとことん煮詰めて大阪維新の公務員改革を曲解し、自己陶酔を押さえつける人間が周囲にいなかったことで彼の人間性は大きく変貌。独裁者同然の公益通報潰しとパワハラにより県職員二人が自殺する最悪の事態となりました。権力欲に取り憑かれただけなら話は単純です。斎藤知事の場合、色欲以外の七大欲求を最大限に発露させて本当に気味の悪い厄介事になっています。確かに財政再建や職員幹部天下りは解決しなければならない大きな行政課題です。だから三年前の兵庫県知事選挙で反井戸知事体制を掲げた斎藤元彦氏を多くの県民は支持したのでしょう。しかしその解決に導くための手法が完全にアウトでした。自殺者の隠蔽も最低な行為です。この問題は他の方もたくさん話されていることなのでここまでにしておきますね。次回伊周による道長暗殺計画が始動します。貴族らしからぬアクションシーンが見れそうなのでどういう顛末になるのかとても楽しみです。

オードリーが出演しているNHK総合『100カメ』が大河ドラマ特集だったのでこちらの感想も綴りたいと思います。

「曲水の宴」の舞台装置大変スゴかったですね。はんにゃ金田さんがユーチューブ動画で感想を仰られていて私もそう思いました。なぜロケじゃなかったんだろうって。京都市だけに限定しても城南宮、上賀茂神社、北野天満宮と曲水の宴ができる場所は三つもあります。なんなら毎年宴が催されている鹿児島の名勝仙巌園に昨春訪れました。今年30回目を迎えたそうですよ。全国選り取り見取りなのになぜスタジオ撮影だったのか謎でした。

番組では言及されませんでしたけれど、外ロケは「天候」が一番の懸念点だったのでしょうね。晴れの中で雨を降らすのは昔からよくある撮影手法なのでとても簡単です。逆に予期しない雨が降ると中止になり下手をすれば高価な衣装が傷んですべてが台無しになってしまいます。気まぐれな風も大敵です。杯を運ぶ水鳥さんがひっくり返っちゃいますからね。理想の気象条件を待つ余裕は映画にあっても大河ドラマにはありません。だから莫大な苦労とコストをかけてでもスタジオにこだわったのでしょうね。

「曲水の宴は後半一番の見どころ」いうスタッフの話を聞いて私は驚きました。ストーリー的にはそこまで重要な場面ではなかったし、優雅さや華やかさでいえば実際行なわれている曲水の宴のほうがずっと上です。誰にも気づかれなくても細かな演出に命をかける。そうした努力をいくつも積み重ねて奥行きを出す。これが大河ドラマの大きな魅力なんだなと舞台裏を見て感じました。

私は幾度も駄作ドラマを観てきました。スタッフがどれだけ優秀でも脚本や演出がダメだと全てがしょーもなくなります。扇の小鳥が飛び出す演出案が提示されていましたね。CGが流行った頃に散々見た古臭い演出だったので採用されなくて本当に良かったと思いました。万人にみてもらうための想像力の補助輪は時には必要ですけれども、隙間を全部埋めると面白みが一気に失せてしまうんですよね。『光る君へ』は余白がたくさんあるから感想を述べたり考察できたりするのです。わざわざCGで動かさなくても羽ばたく小鳥の動きをみんな想像してますよ。嵯峨嵐山文華館で見た日本画の鳥も優雅に空を飛んでいました。

脚本家の大石静さん100カメに登場されていましたね。スタッフと飲みニケーションしていたり演出担当に酸素スプレーを差し入れしたりと現場を大切にしている姿勢が映像を通して伝わってきました。だからいい作品が作れるのでしょうね。まだまだ言いたいところはありますけれどもこちらも他の方々にお任せしましょうかね。ついつい余白を埋めたくなる私です。それでは旅の続きに参ります。

前回は素敵な嵐山借景の枯山水庭園を眺めながら美味しいパンを頂きました。


人だかりが出来てる。

%Arabicaアラピカ Kyoto Arashiyama』に多くの外国人観光客が集まっていました。京都・東山に1号店が出店されて2015年に国内2号店目となる嵐山店がオープン。白を基調とした外観でエスプレッソとミルクが繊細に混ざり合うラテが味わえるのだそうです。確かに洗練された異国情緒のデザインが嵐山の景観といい感じでマッチングされています。だから外国人さんたちが惹き寄せられたのでしょうね。

店員さんが作業しているガラス張りの店内にカメラを向けるのはさすがにデリカシーに欠けるので撮影はできませんでした。公式インスタがありますので気になる方はチェックしてみてください。かなりオシャレでしたよ。若者やカップル向けって感じでした。あえて欠点を申すならば店内がすごく狭いので冷暖房を当てにすることは出来ません。ショップ形態は屋台と店舗の中間といったところでしょうか。お客さんたちがお店付近で漂っていたのは飲むのに適した場所が見つからなかったからでしょうね。心地いい春秋の季節でしたらテイクアウトして川辺に座ってのんびり景色を眺めながら頂くことが出来ます。


旅後に嵐山特集記事やユーチューブ動画をチェックして気づきました。

どうやら渡月橋の撮影定番スポットはこちらではなく山が背景になる橋の東側だったんですね。しかしその時の私は『琴きき橋跡』石碑のある方面へ歩く気にはなれませんでした。最短距離で目的地を目指したい。そう思うほどに暑かったのです。


旅で感じたことを忘れないようにと帰宅直後にメモを書きました。それを今から皆様にご紹介致します。疲労と興奮冷めやらぬ状態での記述なので温かい目でご覧頂ければ幸いです。


風は涼しかった。
嵐山おろしとでも名付けようか。

思っていたより外国人観光客はいなかった。
日本は暑いと海外にも周知されたのだろう。

アジア人と白人の割合は半々くらいで
家族や団体が多いのはアジア人だった。
欧米系の人たちはだいたいカップル。

大盛況の人力車。
俥夫しゃふさん暑い中ご苦労さまです。

猛暑の嵐山観光は空いているので全然アリ。
ただし日傘は必須。
住宅地や商業地に入るとやはり蒸し暑い。

喫茶店をはしごしたので全然大丈夫だった。
冷房弱い人にはオススメできない日本の夏旅。

電線なくてビックリした。
個人的にはあっても全然気にしない。

喫茶店巡りするなら重い水筒は不要。
ペットボトル1,2本で充分だった。


空に雲がかかっていて陽射しのキツさはありませんでしたが35度を記録していて想像通りの暑さでした。でも自然ってやっぱ偉大ですね。ひんやり涼しい川風が定期的に吹いたのでだいぶ癒やされました。

先進諸国が地球温暖化を叫ぶ中、都市化によるヒートアイランド現象のせいだと主張する人たちがいます。私は後者を支持していて道路のアスファルトを土に戻せば少なくとも熱帯夜の日数を大きく減らせると思いますよ。物流と洗濯物が大変なことになりますけどね。


京都市営バス28号系統「嵐山・大覚寺行き」が颯爽と駆け抜けます。

新幹線で京都へやってきたほとんどの方はこちらを利用するのではないでしょうか。現在京都市営地下鉄利用が推奨されていて、京都駅から太秦天神川駅まで地下鉄に乗って嵐電もしくは市営バスに乗り換える。これがオーバーツーリズムを緩和させる理想のルートになっています。ただ運賃が倍になってしまうのと乗り換えが大変面倒ということでそりゃまぁ便利で安いバスをみんな選ぶよね、と。

嵐山に関しては、京都市営バスを利用する場合に観光客限定で倍の値段取ってもいいと思います。京阪三条駅からでも230円で嵐山へ行けちゃうんですから本当に安すぎです。あっ、いい忘れていました。一日乗車券を利用しないなら私の辿ったJR嵯峨野線もオススメですよ。


伊勢神宮内宮の宇治橋でほぼ同じのを見ました。

一定間隔に並ぶAの形をした杭。ずっと私は橋が壊れた時のための予備橋脚だと思い込んでいました。改めて調べてみたところ、どうやら流木ダメージを防ぐ橋脚のための杭だったようです。ちなみに宇治橋は上の先端部分に雨除けみたいなのが付いていました。それも何かしらの意味がきっとあるのでしょうね。


学生の頃は正直この景色に飽き飽きしていました。

今は『平家物語』『光る君へ』と京都検定の知識が乗っているので輝いて見えます。修学旅行に価値はないとメディアで叫ぶ人がいます。でも未成年のときに気づかなかったことを大人になって見出す。これってとても素晴らしいことだと思うのです。それが人の成長ではないでしょうか。義務教育古典不要論も一時話題になりました。いくら日常生活で使わないからといってなんの教養も持たずにただ生きているだけとかそんな人生つまらないですよ。

人生に何一つ無駄なことなんてないんです。難しいことを考えてしまうのは渡月橋の上空に漂う知恵が私に舞い降りているからなのでしょうか。これはきっと虚空蔵菩薩のご利益なのでしょう。


そんなこんなで渡月橋を渡り切った私は渡月小橋に辿り着きました。

葛野川、大井川、大堰川、保津川、桂川と時代や文献によって様々な呼び方があるのでどう呼べばいいのか混乱することがあります。一般的に渡月橋より下流が「桂川」という認識でいいと思います。


実はここを渡るのは高校時代の遠足以来になります。

観光バスで来たときも自宅から自転車で父と弟と数十キロの道のりを必死に漕いで嵐山に来たときも、嵐山公園中之島地区を歩いたのでこっち方面に来たことがほとんどありませんでした。帰路で利用する阪急嵐山駅は人生初になります。本当に狭い範囲の嵐山しか私は知りませんでした。


江戸時代にタイムトラベルしたかのようないい雰囲気の上流側。

レトロ感最高ですね。


たしかこの裏参道の石段を登って法輪寺を目指した記憶があります。


今回はここまで。いつもより長い文章になってしまってゴメンナサイ。次回は表参道へ向かい虚空蔵法輪寺の美しい境内を歩いていきます。乞うご期待。



今回の旅ルート

「嵐山OMOKAGEテラス⇒法輪寺裏参道前」
©️Googleマップ


関連サイト

% Arabica Kyoto Arashiyama

猛暑だったのでこんなに行列は出来ていなかったけれど外国人観光客が十数人ほど楽しそうに珈琲を手に持って楽しそうに仲間とお話をしていました。


知識があるとこんなにも景色が違って見えるよ、とこちらは公開されたばかりの京都検定YouTube動画になります。



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