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春風の京都・稲荷山登頂リベンジ旅「始まりは龍谷大前深草駅」


大河ドラマ”光る君へ”第20話「望みの先に」観ました。

藤原伊周の幼児性が特に目立った回でしたね。袖や爪を噛む仕草や往生際の悪さはまさに「見た目は大人、頭脳は子ども」でした。対して一条天皇は立派な帝になりましたね。母の顔色を伺っていた面影はとうに消え失せ、公卿たちを率い身内にも厳しい対処を行える素晴らしい御上となりました。おそらくドラマにメリハリをつけるため、あえて一条天皇と伊周を教養ある大人と幼い子どもというキャラ設定にしたのでしょう。肝心の主人公、藤原道長は氏長者になっても相変わらずののんびり具合ですからね。伊周はドラマ演出の生贄と相成りました。

前回お話しましたがやっぱり面白いですね。藤原隆家のキャラクター。門を打ち破る検非違使の突入に覚悟を決めて男らしさを見せましたが、史実だと結局出雲国(島根県)へ行かないんですよね。病気を理由に但馬国(兵庫県北部)に留まったという。本当に情けない兄弟です。彼らの器はあまりにも小さいのでたとえ長徳の変が起きなくとも中関白家の没落は必然だったと思われます。


定子に話を移します。

私は親ガチャという流行語が大嫌いです。しかし他にふさわしい言葉が見つからないのであえて使用します。関白の娘であり中宮となった定子は親ガチャ最高ランクSSRでした。一条天皇のご寵愛を受けのちに男子を産んだので人生もSSRと言えます。ただ兄弟運が最悪でした。


強い者も弱い者もいないのだ。強い者よりも弱い者が苦しまなかったと誰が断言できよう。

遠藤周作『沈黙』の一節です。

令和の庶民たちはやれ上級国民だやれ世襲だと騒いでいますが、苦悩は強者も弱者も等しく味わうものであって、平等であることにお互い気づいていません。隣の芝生は青く見えるという人間心理がそうさせているのでしょう。誰もが羨む人生を歩んできた定子でしたが、兄弟の不始末により幸せの絶頂から奈落の底へ突き落とされました。彼女と同じ道を進みたいと願う人は一体どれだけいるのでしょうか。

清少納言という部下であり親友を得たことが定子にとっての一番の幸せだったのでは、と私は考えています。親以外で自分を理解してくれる人はそう多くいません。"身分の壁"がドラマの大きなテーマになっていますが、"香炉峰の雪"の時点ですでに二人の間に壁はなくなっていたと思われます。女の敵は女だと影で囁かれる昨今ではありますが、二人の友情は何ものにも代え難く永遠に語り継ぐべきものだと感じました。

まだまだ話したりませんがこのくらいにしておきましょうかね。遠藤周作の沈黙についてはまた機会があればお話したいです。それでは新シリーズとなる新風の京都旅を始めますね。


時刻は9時過ぎ。


今回の京都旅の始まりはこちら。


伏見稲荷駅の一つ南の、龍谷大前深草駅。こちらにはお店も何もなく、閑静な住宅街です。でも実は伏見稲荷に行くにはこちらの駅からの方が近い。また、人混みも全くないため早く神社に到達します。

「197 賑やかさの戻った伏見稲荷で初詣」より

ミヤコカエデさんの記事を拝見し、これは素晴らしいということで伏見稲荷駅ではなく龍谷大前深草駅で降りることにしました。

初めて参拝する方や道に迷いやすい人は、普通にJR稲荷駅もしくは京阪伏見稲荷駅下車がオススメです。下調べをしなくても人の流れに身を任せることで容易に大鳥居に辿り着く事ができます。


TOEICなどの資格試験で何度もお世話になった駅です。

昔から京都が大好きだった私は毎回試験会場を京都に指定していたので、龍谷大学深草キャンパスになることが多かったんです。


私がよく利用していた頃の当時の駅名は深草駅でした。

2019年に石清水八幡宮駅とともに改名されました。多くの龍谷大生が利用しており、早朝の準急列車に乗ると大きなスポーツバッグの学生と乗り合わせることがあります。


春休み期間だったので学生の姿はありません。


新橋上駅舎を利用するのは初めて。

2016年にバリアフリー化工事が完了し使用開始となりました。各駅停車の駅にしては比較的豪華な造りになっています。


自動定期券発行機がありました。学生が多く利用する駅ならではといったところでしょうか。


龍谷大学は東口方面にあります。

今まで西口を歩いたことは一度もありません。伊藤若冲が隠棲した石峰寺や源氏物語ゆかりの宝塔寺があるのですが機会に恵まれませんでした。


周辺観光案内図になります。

そういえば私の他に数組の外国人さんたちが伏見稲荷大社へ向かっていました。先日大岩神社を観光したという外国人観光客を紹介しました。日本人よりも日本のことをよく知る外国人さんたちが増えています。近い将来、彼らに日本のことを教わる日がやってくるかもしれませんね。

ゲーム界隈では戦国時代の日本を舞台にした人気シリーズ最新作が大きな話題になっていて、ポリコレ汚染と時代考証があまりにも酷いと炎上騒動に発展しています。
日本料理店なのに中国風だったり、オリジナルのちょんまげだったり、誤ったニッポン描写は一昔前のアメリカ映画で多く見かけました。ここ最近は理解が深まり日本人が驚くニッポンコンテンツが増えてきています。Ghost of Tsushimaやドキドキ文芸部が有名でしょうか。
間違った日本観が改善されていく中、2024年11月に発売が予定されているアサシンクリードシャドウズ。戦国時代や安土桃山時代であればそれこそ宣教師と禁教令はとてもいい題材だと思うんですけどね。日本人の一人として思うのは、関心を持ってくれるのはありがたいけど文化の盗用とか政治利用は本当に勘弁して欲しいです。

《余談》


以上です。次回は珍妙な鳥居を観るため裏参道を歩きます。乞うご期待。



今回の旅スポット

龍谷大前深草駅の所在地は京都市伏見区深草ケナサ町となっています。なぜカタカナの町名になっているのでしょう。調べてみました。


おまけ

オカルト説、不詳説、いろいろありましたが、私は小字由来説が一番納得しました。


追記

note公式マガジンに記事が掲載されました。ありがとうございます。


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