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裸電球
ぼくは飲みたくもないアイスカフェオレをオーダーし
小さな丸テーブルとグレーのクッション付きの椅子に座った。
会社にはぼくのデスクが無い
あちらこちらのカフェに行きカフェオレ一杯分の場所を買う。
ふと見上げると裸電球がいくつもぶら下がっていた。
bamboo house がもうボロボロになった頃
ぼくは誰もいない部屋にそおっと足をふみ入れてみた。
部屋はゴミ屋敷のように散らかっていてほのかに煙の匂いがする。
5歩くらい進むと目の前にお弁当箱くらいの大きさのタッパーがあり
持ち上げると中身がザザーザとして
開けてみると数百粒の大麻の種だった。
さらに奥に進むとコンパネが立ててあり、そこに違和感を感じる。
コンパネの隙間に手を入れ力いっぱい手前に引くと
小さな裸電球に照らされた大麻の苗がひっそりと生えていた。
ここで苗をつくりその後山中に植え替えいた様だ。
土で汚れたリュックと小さめのスコップも入口に転がっている。
ぼくは自分が疑われるのも嫌だったのですぐに刑事に電話した。
駆けつけた刑事はタッパーと苗を見て
「部屋が暗くてね、そこまで見えなかったよ。家庭ゴミで出していいよ。」
なんてずざんな家宅捜査だ…
「ぼくも困ります。刑事さんのほうで処分をお願いします。」
刑事が帰った後、母が
「なんか最近電気代が高い気がしてたのよ」
そんな事を言っていた。
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