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I don’t need anything, but I want to go there

「何もいらないから、ここに行きたい」
そう強くつよく願うと、絵がその場所に連れて行ってくれる。

ここにいきたい001s

去年は瀬戸芸の制作で8月から高見島にこもり、瀬戸内の撤去後つづけて11月半ばから長野県 信濃大町あさひAIR で3ヶ月半の滞在制作をさせていただき、3月10日に京都に帰ってきました。
信濃大町での作品はほぼ完成ですが、照明や外装などまだ手をいれたいところがあるのでまた制作に行き、完成後は展示を予定。ですがコロナ感染防止のため、滞在制作と発表はしばらく先のことになりそうです。(また予定がつけば告知します)

ここにいきたい003s

そして3月後半から、これらのドローイングを描き出しました。
シリーズのタイトルは『I don’t need anything, but I want to go there』
本作はタイトルにあるように「何もいらないからここに行きたい」という一心で描き出すドローイングシリーズ。

ここにいきたい004s

わたしにとって、作品をつくることは、“本当に帰りたかった場所”に帰るための手段であり、辿り着くまでの道のりが制作のプロセスです。
“本当に帰りたかった場所”とは、自身の内側にあって、自分でも気付けないほど奥深くにあります。そのため、描く時は具体的なイメージがあって描くのではなく、むしろイメージせずにただただ自分の中にあるものに正直に描き出すことを大切にしています。その結果として、画面に“本当に帰りたかった場所”=絵が生まれることを目指しています。
※“本当に帰りたかった場所”については前に書いたので、くわしくはこちら

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自分でも「ここに行きたい」の「ここ」ってどこだろう?と思います。分からないからこそ見てみたくて描いているのかもしれません。
そして、これがなにか分からないのに描いてしまうものこそ、自分の中に確かにあるモノ、それこそが真実だと考えています。

ここにいきたい008s

わたしの創作は、自分を「0」にすることからはじまります。
山田愛という個人の趣味趣向や感情をできる限り捨てて、自分の状態を「0」に近づけると、“本当に帰りたかった場所”(本シリーズでいう「ここ」)の景色が画面に現れてきます。
これは本シリーズに限らず、どの作品においても「0」にならないと現れてきません。もともと、これらのドローイングは、自分を「0」にして瞬時にその景色を掴み、持ち帰る訓練として始めたものです。

ここにいきたい009s

これからも制作をつづけ、しばらくは毎月月末に自身のHP を中心にオンラインで発表と販売をする予定です。(一部の作品はArtStickerにて販売)
ドローイングのページはこちら。現在14点発表しています。次の新作更新は5月末になります。
景色の移ろいをまたご覧いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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