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あなたも今日から占い師?

最近、占い師になりたい人が増えてきている、と思います。
私が占い師になった20数年前に比べて、占い師が仕事として認められてきたのかなと思います。
それだけ世間の認識が広がってきた、ある意味怪しさと敬遠したい意識が薄れてきたのは良いことだと思います。

ただ、何事もそうですが、裾野が広がる=いろいろな人が参入してくる。
ということで、「占い師になる」「占い師という仕事」をキーワードに
さまざまな人が関わるようになりました。
占いを学ぶ環境は私が占い師になった20数年前に比べてとても良くなってます。オンライン、教室に直接行く、どちらの方法もあるし、オンラインはアーカイブもあるし、学べる占術の種類も格段に多くなっていて、選ぶのに困るくらいです。
昔語りをするようで恐縮ですが、私が占い師になった1990年代はオンラインの講座などは夢のお話でメールのやり取りこそあったものの、通信教育が主流。私はそれと併用して電話で講座を受けていました。

占い師になるためのハードルはかなり下がってきています。
そして、世の中が「副業」を認める、というか推し始めていることも、占い師になることを後押ししてくれています。
「お仕事や、育児、家事の空いた時間を利用して占いのお仕事をしませんか?」
すごく、興味をそそられる言葉ですよね。
占いにあまり興味がなかった人でも「ちょっとやってみるか」と思うし、それを受け入れる講座もたくさんあります。

ただ、こうなってくるとクオリティに問題のある「占い講座」が増えてくるのも事実です。
「1日で占い師になれる」
「すぐに副業で稼げる」
「月収〇〇万円」

という講座が乱立するようになりました。
こういう講座に数十万も払った人も結構いるらしい。

現役占い師の立場で言って、そんな簡単に占い師になれるとは思いません。
こういうと、「長いこと占い師をやってるからそうやって上から目線で語るんだろ?」と言う人もいるでしょう。うちには独特のノウハウがある、という意見もあるかもしれない。
が、占い師という仕事が何をするのかを考えたら簡単になれるものじゃない、と普通にわかります。

『占い師は占いを通して、依頼者に納得や満足を提供する仕事』
私の考えた占い師と言う仕事はこれです。
これは次の2つの要素に分けることができます。

  1. 占いの知識があって占いが出来ること

  2. 人の悩みを聞いてその人が満足できる答えを出せること

この違いがわかるでしょうか?
一見同じものに視えますが、その違いを理解した上で使いこなすことができないと占い師としては不十分です。
よほど頑張れば、どちらか1つを学ぶことはできても、1日で2つは無理です。
それに、学ぶだけでなく、実践ができることも必要です。
つまり、少なくとも1日で占い師になるのはほぼ不可能です。

おそらく「簡単に占い師になれる」と言ってるスクールは「占いの知識」だけを簡単に教えているだけなのでしょう。
実際に短期間で占い師になれる講座を受講した人の個人レッスンをしたことがありますが、占いの知識は基礎的な部分は押さえられていたものの、もう1つの「相談者が満足できる答えを出す」技術がありませんでした。
全ての「お手軽」スクールが同じだとは思いませんが、おそらく時間的制約があるので、占い技術の一部しか教えられないはずです。

「プロ占い師育成」というのであれば、この2つの知識を教えて、実績できるレベルまで引き上げることが必要だと思います。
実際、時間をかけて教えていく占いスクールや個人の占い師は、この2つを意識して教えていると思いますし、現場で売れている先生方は2つの要素のバランスがとても良いのです。

たかが占いにそこまで?と思っている人もいるでしょうが、仕事である以上は自分の満足だけではなく、依頼者の満足にも応えなければ仕事にならない。「占いを楽しく学んで趣味にする」ならお手軽講座はすごくいいと思います(私も開講してます)が、仕事にしたいのなら、それなりの覚悟と時間と努力は必要です。

「私は占い師です」と名乗るのは簡単です。資格もいらないので誰でも名乗ることができますが、それは「仕事として成り立つ」のとは別です。
占い師と名乗ることは簡単ですが
「仕事として成り立つ」占い師になるのはお手軽な話ではない
ということです。


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