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【薬学部】薬学部について

こんにちは。やまぶきです。
今回もnoteをご覧いただきありがとうございます。

薬学部に合格し、入学を決めた大学受験生も多いと思います。しかし、「勉強についていけないかも…」「留年しないかな…」「サークルやバイトはできるだろうか…」などと不安になるかもしれません。

そこで今回は、この春薬学部に入学する方に向けて、薬学部の勉強、進路やキャンパスライフに至るまでまとめてみたいと思います。


1.薬学部とは?

「薬学部」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?多くは「薬剤師を目指すための学部」というイメージではないでしょうか。これは、半分正解で、半分不正解です。

これから紹介するように、薬学部を卒業した後の進路は、薬剤師として薬局や病院で働くだけではありません。企業に就職する人、行政機関で働く人、研究を行う人などさまざまです。

では、薬学部の卒業生が、そうした幅広いフィールドで活躍しているのはなぜでしょうか?それは、薬学部での勉強が幅広いからです。

また、薬剤師を目指すのなら、薬学部でも6年制の課程に通う必要があります。同じように6年間大学で勉強しなければいけない学部には、医学部、歯学部、獣医学部があります。薬学部は、以前は4年制でしたが、2006年(平成18年)から薬剤師を養成するための課程は6年制になりました。

その理由は、ひとつは医療や薬がどんどん発展しているからです。遺伝子情報をもとにした薬や、患者に合わせた投与計画など、高度で複雑になっている医療、薬のことを勉強するには十分な時間が必要なのです。

また、もうひとつは薬剤師に求められる役割が広くなっているからです。チーム医療の一員として、患者や他の医療従事者と関わる場面が増えているのです。

薬学部には主に2つの学科があり、薬剤師を目指す「薬学科」と薬の研究者を目指す「薬科学科」です。薬学科は6年制で、卒業すると薬剤師国家試験の受験資格を得られますが、薬科学科は4年制で、卒業しても薬剤師国家試験の受験資格は得られません。

以下は、断りのない限り、薬剤師を目指す6年制の課程の「薬学科」について書いていきます。

2.勉強すること

<薬剤師に求められる資質>

薬学科は薬剤師になるための知識。技術、姿勢を「薬学モデル・コアカリキュラム」に基づいて勉強します。「薬学モデル・コアカリキュラム」では、薬剤師に求められる資質を次のように定めています。

  1. 薬剤師としての心構え

  2. 患者本位の視点

  3. コミュニケーション能力

  4. チーム医療への参画

  5. 基礎的な科学力

  6. 薬物療法における実践的能力

  7. 地域の保健医療における実践的能力

  8. 研究能力

  9. 自己研鑽

  10. 教育能力

<勉強すること>

1.物理
・原子の構造や熱力学について勉強する。
・化学物質を適切に分析する方法について勉強する。

2.化学
・有機化合物の反応などについて勉強する。
・生薬について勉強する。

3.生物
・機能形態学(臓器レベル)、生化学(分子レベル)、分子生物学(遺伝子レベル)、微生物学、免疫学の面で体について勉強する。

4.衛生
・健康:集団の健康と病気について勉強する。
・環境:有害物質の体への影響や環境問題について勉強する。

5.薬理
・薬が体でどのように効くかを勉強する。

6.薬剤
・製剤学:「薬物(体に影響を与える化学物質)」を「薬剤(患者に投与できる薬の形)」としてデザインする方法を勉強する。
・薬物動態学:体内に取り入れた薬が、体の外に出ていくまでの道のりを勉強する。

7.病態・薬物治療
・病気とその薬物治療について勉強する。
・薬物治療に必要な情報を適切に収集するための知識、統計学について勉強する。

8.法規・倫理・制度
・薬剤師業務にまつわる法律や制度について勉強する。
・薬剤師としての適切な心構えについて勉強する。

9.実務
・薬剤師の具体的な業務について勉強する。

1年生は薬学基礎や一般教養などの基礎的な知識を勉強し、次第に専門的な講義が増えていきます。
また、1年生の後期あたりから4年生まで午前は座学(講義)、午後は実習(実験)という時間割になります。実習を通して、実験を安全に効果的に行えるようになるために、実験に用いる試薬や器具の使い方、動物実験を行うにあたってのルールや倫理、実験ノートの取り方などについても勉強します。
4年生後期になると薬学共用試験(CBT(知識)、OSCE(技術))を受験し、合格しなければ進級することができません。薬学共用試験については、詳しくは以下の記事をご参照ください。

【薬学部】薬学共用試験(CBT、OSCE)について|やまぶき💊 (note.com)

5年生になると卒業研究と並行して、病院・薬局でそれぞれ11週間に渡り実務実習を行います。実務実習については、詳しくは以下の記事をご参照ください。

【薬学部】実務実習について|やまぶき💊 (note.com)

6年生になると、卒業論文、就活に加えて、薬剤師国家試験の勉強を行います。国試については、詳しくは以下の記事をご参照ください。

【薬剤師国家試験】薬剤師国家試験について|やまぶき💊 (note.com)

3.再試験・追試験や留年事情

<再試験・追試験とは>

CBT・OSCEや実務実習など、毎日忙しい薬学部。卒業後に控える国家試験は最大の目標ですが、そこにたどり着く前にはいくつもの試験を乗り越えなくてはいけません。

薬学部は他の学部と比較して必修科目が多く、苦手な科目や理解しにくい科目を避けられないのが特徴。そのため定期試験の点数が悪く再試験になってしまう場合も少なくありません。さらに再試験で単位を落としてしまうと留年につながることも…。できれば、再試験の段階でクリアして留年を避けたいところですよね。

「再試験」は試験で合格点に届かなかった場合、「追試験」は何らかの事情によって、試験を受けられなかった人を対象にしたテストを指します。薬学生が受験するおもな試験について再試験・追試験になるケースや詳細などを確認していきましょう。

(1)定期試験

定期試験で合格点を下回った場合、再試験が行われます。再試験を受け、合格点に達した場合は単位認定、合格点に達しなかった場合は単位が不認定となります。

また、病欠や家族の不幸などやむを得ない事情で試験を受けられなかった場合、申請することで追試験を受けることが可能です。

「留年」となるのは各大学が定める進級用件を満たせなかった場合、つまり一定数の単位を落としてしまった場合です。大学によっても違いはありますが、再試験・追試験を受ける際には1科目1,000円~3,000円程度の受験料が発生します。再試験の科目が多く「再試貧乏」にならないよう、しっかりと試験対策をしておきましょう。

(2)CBT、OSCE

4年生で行われるCBT、OSCEの二つの試験。この試験に合格しなければ5年生に進級することができません。万が一不合格の場合は下記の内容で再試験・追試験が用意されています。やむを得ない事情で受験できなかった、合格点に達しなかったという場合は各大学の担当者に連絡し今後の対応を進めましょう。なお、再試験・追試験を受ける際はそれぞれ12,000円の受験料がかかります。

●追試験
CBT 本試験とOSCE 本試験の、いずれかもしくは両方を、病気等のやむを得ない事由で受験できなかった場合、追試験の対象者となります。追試験の日程は再試験と同じです。追試験の追・再試験は実施しません。

●再試験
本試験の成績が合格基準に達しない場合、再試験を受験しなければなりません。再試験は本試験と同じ年度内に1回だけ実施します。「CBT」の再試験はすべてのゾーンを再度受験しなければなりません。OSCEの再試験は本試験で基準に達していない課題のみを対象とし、当該領域の課題項目の中から本試験とは異なる課題が出題されます。

薬学共用試験センター 追・再試験について

(3)卒業試験

薬学生にとって6年次は最もハードな1年です。卒業研究や就活、そして卒業試験。

卒業試験は薬学生にとって大学生活の最終テストです。この試験で合格ラインに届かなかった場合、基本的に再試験は行われず留年が確定します。最終的に様々な試験を乗り越えても卒業試験をクリアしなければ国家試験を受けることができません。大学によって卒業基準は異なりますが、しっかりとした対策を立て試験に臨みましょう。

<再試験・追試験への対策方法>

基本的には再試験にならないよう、しっかりと勉強したうえで本試験に臨むことが大切です。しかし、どうしても不得意な科目や理解しにくい科目は点数を伸ばしにくく再試験になってしまうことも考えられます。万が一再試験になってしまった場合、どのような対策をしたらよいのでしょうか。

(1)本試験を振り返る

試験が終わったら内容を振り返り、自分が理解しているところ、理解不足なところを整理しましょう。そして、できなかった原因も分析してみましょう。

本試験から再試験までの期間は長くありません。再試験の科目が多くなればなるほど1つの科目にかける時間は少なくなります。スタートは早い方がよく、落としそうな科目については本試験後すぐに勉強を始めましょう。

(2)範囲や優先順位を決め、管理する

再試験の数にもよりますが、多い場合は全科目を平等にこなそうとすると、効率が悪くなってしまいます。本試験の振り返りを行い、理解できていない部分を把握し優先順や範囲を決め再試験までのスケジュールを組んでみましょう。100点を取る必要はなく、合格ラインを満たせるかがポイントです。限られた時間の中で効率よく勉強ができるよう、しっかりと計画を立てましょう。

(3)友人や先輩に協力を頼む

わからない部分を一人で理解するには限界があります。周囲の友人から模範解答や資料、レジュメなどを共有してもらったり、教えてもらったりするなどの協力をお願いしましょう。

また、オンライン家庭教師などのサービスを利用するのも選択のひとつ。どうしても友人や先輩に頼みにくい方は、依頼してみるとよいでしょう。

<留年事情>

薬学部は試験の難易度も高く、研究や実務実習、さらに国家試験対策など多くのタスクを抱えているため、他の学部に比べ忙しいです。そのため、勉強に遅れをとってしまう学生も多く、なかには留年してしまうケースも少なくありません。1、2年生など入学初期の段階で留年してしまうと、今後6年間の大学生活に不安を覚え大学を辞めるべきか悩む方も…。

大学によっても割合は異なりますが、他の学部と比較して薬学部の留年率は高いといわれています。では、実際にどのぐらいの学生が留年しているのでしょうか。薬学部の留年率や留年してしまう要因はなにがあるのでしょうか。

(1)薬学部の留年率は?

薬学部に入学したのはよいけれど、周りに留年している先輩も多いため、自分も留年してしまうのではないかといった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実際、薬学部は他の学部と比較して留年しやすいといわれており、令和2年のデータでは、ストレートで国家試験に合格した学生は、平均で6割以下という結果になっています。

2020年(令和2年)度の入学試験・6年制学科生の修学状況 (mext.go.jp)

薬学部における修学状況等:文部科学省 (mext.go.jp)

(2)薬学部はなぜ留年しやすい?

薬学部は科目数が多いだけではなく、ほぼ全ての科目が必修となっています。一般の学部であれば苦手な科目を避けることも可能ですが、薬学部には「逃げ道」の選択はほとんどない状態なのです。

さらに、進級するごとに勉強の難易度も上がり、膨大な量の暗記や深い理解が必要になります。実務実習や研究などと並行した長期的な対策が必要となるため、時間や気持ちに余裕がなくなってしまうことが多く、なかには苦痛を感じて休学や自主退学する学生も。

このように、学習量の多さや難易度の高さが留年のおもな要因と考えられます。

<留年しないようにするコツ>

留年しないためには、早めに対策を立てることが大切です。留年しないために何をしたらよいのでしょうか。

(1)留年の基準を把握し、効率よく勉強する

各学年で必修科目・選択必修科目そして必要単位数が決まっているため、年度始めにしっかりと把握することが大切です。また、万が一試験勉強が間に合わない場合に備え、優先すべき科目は何かを必ず意識しておきましょう。

薬学部の学習量は膨大です。多くの知識を理解するため重要なことは、丸暗記ではなく知識の体系化。教科書の文字情報を図や表、イラストにして目でわかる形にまとめると覚えやすくなります。そのようにして全体像のイメージをつかんだあと、文章で説明する練習を反復するときちんと理解できるようになるでしょう。

(2)講義を休まない

病欠などのやむを得ない事情を除いては講義に参加し、遅れを取らないように気をつけましょう。講義内容の一つひとつを理解することが試験勉強で結果を残すことに繋がります。

また、欠席した場合は友人から情報を共有してもらい、友人が欠席した場合は情報を提供するなど、お互いにフォローしあいながら大学生活を送るのがおすすめです。

大学は高校とは違い、自分から取りに行かないと大切な情報が入ってきません。学生用のホームページや学内の掲示板などをこまめにチェックするようにしましょう。

(3)試験前のアルバイトは控える

試験前は、他の学部に流されることなくアルバイトやサークルの統制を心がけ、試験勉強に集中するようにしましょう。アルバイト先には事情を話し、シフトを調整してもらうか、始めから短期間のバイトを探すなど勉強に影響が出ないように工夫することが大切です。

くれぐれもバイト代が追試代に消えてしまわないようにしてください。

(4)約1か月前から試験対策を行う

他の学部より試験項目が多く、難易度が高いことを加味して試験対策のスケジュールを組むことが大切です。過去問を友人と共有し、効率的に勉強を進めていきましょう。

ただし、先生によって試験問題に個性が出るため、過去問は重要な情報源とはなりますが、そればかりを気にしていると知識の断片化が起こります。過去問から自分の「理解しているところ」「理解していないところ」を洗い出し、苦手分野を克服するように勉強するのがおすすめです。仕組みの理解や用語の暗記などは、インプットだけではなくアウトプットを行うと知識を点数に結びつけることができます。

また、わからないことはそのままにせず、友人や先生に教えてもらうことが大切。 どうしても難しいと感じた場合は薬学生のための家庭教師や試験対策など外部サービスを利用するのも一つの方法です。

4.サークル

大学生活を送るうえで、楽しみの一つでもある「サークル活動」。

そこで今回は、薬学生のみなさんがサークルや部活に入るメリットや気をつけたいポイントについて詳しく解説していきます。サークル活動について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

<サークルに入るメリット>

学習量が多い薬学部のみなさんは、試験勉強や国試対策などに多くの時間を割かなければならないため、サークルの入会に関しては慎重になってしまいますよね。他の学部に比べ、とにかく勉強で忙しい薬学部。キャンパスも別であることが多いため、サークルに入るメリットが少ないように感じてしまいがちですが、実際はサークルに入らないといった傾向はなく、「限られた大学生活で他に打ち込むことをみつけたい」「サークルや部活を通じて友人や仲間を増やしたい」といった理由から、サークルや部活に入る学生の方が多い傾向にあります。

多くの学生が参加するサークル活動。大学生活を充実させる要素の一つでもあります。6年間しっかりと勉強に励まなくてはならない薬学生にとって、サークルや部活にはどんなメリットがあるのでしょうか。

  • 友人が増える

サークルに入る最大のメリットは、様々な人と出会い友人が増えることです。各大学には運動系、文化系、語学系、サブカルチャー系などの他にもボランティア系やインターカレッジサークルなど他の大学との積極的な交流を図るサークルがあり、そのなかで仲間と時間を共有し様々な思い出を作ることができます。

コミュニケーションをとるのが苦手な方でも、サークルでは同じ趣味や嗜好を持っている人が多いので仲良くなるのも難しいことではありません。

  • 先輩とのつながりができる

同学年の友達はもちろんですが、サークルや部活に入ることにより先輩とのつながりも生まれます。先輩との人脈ができると、試験対策に必要な過去問、効率のよい勉強法、また研究室や就活についてのためになる情報を共有してもらえるでしょう。また、勉強や教授との人間関係などで悩んだときでも相談できる先輩がいるのは心強いですね。

  • 恋人と出会うチャンス

勉強や研究で忙しいけれど、やっぱり素敵な恋がしたい!というのは誰もが思っていること。サークルや部活は、その出会いの場でもあります。中学、高校から続けてやっているスポーツ、自分が興味を持っていること、これからチャレンジしてみたい新しいことについて会話を交わしていくうちに、気の合うパートナーがみつかるかもしれませんね。

  • 就活に有利になる

就活のエントリーシートや面接でよく聞かれるのが「学生時代に打ち込んだこと」。学業を例に出すのはもちろんOKですが、サークルや課外活動など勉強以外での学びやオリジナル感あふれるエピソードで、あなたの人間性をアピールすることができるでしょう。サークルや部活では経験したことは、一生の宝になりそうですね。

<「サークル」と「部活動」、「公認」と「非公認」の違い>

大学によって様々なサークルや部活動がありますが、大きく分けるとそれぞれに次のような特徴があります。

●サークル
同じ趣味を持つ学生たちが、自主的に立ち上げたグループ。公認・非公認問わず、楽しさや自由を重視するので基本的にゆるく、出欠も強制ではないことが多い。

●部活動
大学側が正式に認めている活動で、基本的に大学から活動費の援助を受けられる。専任のコーチ・監督が配属されているケースも多く、成果を出すことが求められるため、部活動の出欠や指導も厳しいことが多い。

また、「公認」「非公認」の条件は各大学によって異なりますが、大きく分けると次のような特徴があります。

●公認
・特定の競技や文化活動についての活動実績がある
・大学から活動費の援助が受けられる
・成果を出すことが求められる
・出欠や指導が厳しいことが多い

●非公認
・スポーツ系文化系問わず、人間関係を作り交流を図ることなどを目的としている
・活動費の補助がないので費用は所属メンバーの負担になる
・基本的に出欠は強制ではない

「非公認」というとネガティブな印象を受けがちですが、実際はどちらにもメリットデメリットがあるので、自分の目的やライフスタイルに合わせてサークルを選ぶとよいでしょう。

<サークル選びのポイントと注意点>
高校時代の部活とは違い、大学にはいろいろなサークルや部活があります。大学の公認を受けた部活、学生が自由に運営しているサークル、なかにはインカレなど他の大学との交流を目的としたものまで、その種類は様々です。

ここでは、安心して大学生活を楽しむために、サークルの選び方や失敗しないためのポイントはなんでしょうか。

  • 自分が興味を持てるかどうか

サークル選びの基準は、やはり自分が興味を持てるかどうかです。「中高で所属していた部活を大学でも続けたいけど、部活動より緩く続けたい」「新しく何かにチャレンジをしたい」「ボランティア活動で人の役に立ちたい」など、まず「やってみたい」と思えるかどうかを大切にしましょう。条件が合っていても興味が持てないものは長く続かないものです。ぜひ、自分がワクワクしたり、やりがいを感じたりできるものを選びましょう。

  • 所属している先輩の雰囲気や活動実績

新入生歓迎会などで、サークルの雰囲気や活動実績は必ずチェックしましょう。遊びがメインになっている、思っていたより出欠や時間に対して厳しい、興味があっても所属しているメンバーの雰囲気が好ましくないなど、当初の説明と違う場合は後々ギャップが生じてしまい長続きしません。また、自分がサークルのメンバーと仲良くできそうかどうかも大切なポイント。なかには危険な活動をしているサークルも存在するので、怪しい雰囲気を感じるときは必ずSNSなどで確認しましょう。

  • 掛け持ちをしていいか

多くのことに興味があるのは良いことですが、あまりたくさんのサークルを掛け持ちしてしまうと、自分の時間が取れなくなってしまいますし、勉強にも支障が出てしまいます。

また、所属しているのに出席できないと他のメンバーとの関係もギクシャクしてしまうことがあるので、自身の負担にならない程度に抑えておきましょう。

  • 事前に大学サイトでもチェックする

大学の多くは公式サイトで公認の部活動やサークルを紹介しています。また、部活動・サークル単位でSNSアカウントを運用している場合が多いので、事前に調べておきましょう。情報を確認することでサークルに対するイメージも膨らみやすくなります。

  • 薬学部内の部活動・サークルもある

大学によっては薬学部内でのサークルや部活があります。薬学部限定の体育会系サークルや漢方・生薬研究など薬学部らしい学術系のサークルがある大学も。学部を超えて友人を作りたい、学部内で友人を作りたい、サークルも学業につなげたいなど、考え方によっては様々な選択肢があります。

また、大学の垣根を超えた薬学部のインターカレッジサークルなどもあり、仲間と一緒に楽しみながら学べる活動となるでしょう。

  • 必ずしもサークルに入らなくても良い

もちろん、必ずしもサークルに入らなければいけないというわけでありません。アルバイトに打ち込みたい、ボランティアをしてみたい、とにかく勉強に集中したいなど、学生生活の目的は様々。他に熱中したいことがある場合は自分の意思を尊重し、そちらを優先しましょう。

5.アルバイト

通常の授業やサークル活動に加え、実務実習、卒業研究、国家試験対策など、なにかと忙しい薬学部。アルバイトをする時間も限られているのではないでしょうか。でも、大学生活を楽しみたいのは誰だって同じですよね。とくに、スマホの通信費や交際費、参考書の購入費など大学生は何かとお金がかかるもの。仕送りだけではなくアルバイトをして自由にお金を使いたいと感じているみなさんも多いと思います。

今回は、そんな薬学生のみなさんにおすすめのアルバイトをご紹介!また、勉強が大変ななかで、いつまでアルバイトを続けるべきかなどの悩みにもお答えします。

<アルバイトをするメリット、デメリット>

学習量の多い薬学部は、他の学部に比べ自由に使える時間が少ないのが特徴です。それでも時間があるときはアルバイトをしてお金を貯めたり、バイト先を通じていろいろな人と出会ったりしたい!と感じている方も多いでしょう。

薬学部の学生がアルバイトをするメリットは以下のものがあります。

  • 知り合いや友人が増え交流の場が増える

コロナウイルス感染症の影響でオンライン化が進んだこともあり、キャンパス内やサークルで人と出会う機会も少なくなってきました。そのような状況で気の合う友人を作るのは、なかなか難しいもの。しかし、アルバイトをすれば幅広い年齢の人や、違った境遇の人と知り合うことができます。また、自分とは違った価値観の人と一緒に働くことで視野も広がり、多くのことを経験できるようになるでしょう。

  • 社会経験やマナーが身につく

薬剤師として社会に出てから苦労しないためにも、最低限のマナーはこの時期にしっかりと身につけておきたいものです。言葉遣いや接客対応など、ビジネスマナーが身についていれば、この先にやってくる就職活動も慌てずに進めていくことができるでしょう。 バイト先は、上下関係や人間関係を学べる場。電話応対やクレームに対する対応など、社会で役立つスキルを身につける場でもあります。様々な経験ができるので、自分の視野を広げることにつながるでしょう。

  • 自由に使えるお金が増える

大学生活は何かとお金がかかります。サークルの会費や友人との交際費、スマートフォンの通信料など、仕送りだけでは足りないときもあるのではないでしょうか。肝心なときにお金が足りない...といったことがないよう、アルバイトをしてお金をためておくのは大切なことです。自分で働いて受け取るお金は、とくに嬉しいものですよね。勉強に追われるばかりではなく、大学生活を楽しむために金銭的な余裕があると毎日が充実するのではないでしょうか。

  • 就活に有利になる

アルバイトでのエピソードは就活時の自己分析・自己PRを作成する際に力を発揮します。自己分析とは、現在の自分の特徴、長所や短所、価値観を客観的に理解することで自分にとっての「強み」を見つけること。自己PRとは、自分が希望先へ入社・入職後にどのような活躍ができるかを企業に伝えるためのものです。この2つを考える際、アルバイトをした経験が非常に役立つのでぜひ活用していきましょう。

一方で、薬学部の学生がアルバイトをしないメリットは以下のものがあります。

  • 学業に集中できる

ほかの学部に比べ、学習量の多い薬学部。試験対策に費やす時間も多く、試験が終わっても余分な時間はほとんどありません。薬学生がアルバイトをしない場合、本業である学業に専念することができ、レポートや研究なども計画的に進めることができるでしょう。 講義時間も前後の余裕があるため、内容の整理に時間を使えるのがメリット。 試験の直前になってから慌てて勉強することがなくなります。

  • 自由に好きなことができる

アルバイトに縛られず、自分の時間を自由に過ごせるのは大きなメリット。インターンに参加、好きなアーティストのライブに遠征、友達と旅行など、今しかできないことはたくさんあります。読書やゲーム、サークル活動など、共通の趣味がきっかけで新しい出会いや発見につながることもあるでしょう。金銭的に可能であれば勉強以外の時間を大いに楽しみたいですよね。また、バイト先によっては金髪NG、ネイルNG、髭NGなど髪色や髪型の規則を設けているところもあります。アルバイトをしない場合は、時間だけではなく自由なファッションを楽しむこともできるでしょう。

<アルバイトはいつまで続ける?>

薬学生はいつまでアルバイトできるの?といった疑問ですが、結論として、はっきりしたきまりはありません。しかし、多くの学生は実務実習のある5年生から国家試験を控える6年生なると勉強が忙しくなり、アルバイトをやめる傾向にあります。なかには、「勉強ばかりしていると気が滅入るので、リフレッシュのため週末だけ…」といった方や、「自宅で効率よくできるプログラミングや、短時間の在宅ワークを6年間続ける」といった考えの方もいらっしゃいます。

5年生以降もアルバイトを続けていきたいという方は、勉強が疎かにならないよう、しっかりと計画を立てて行うようにしましょう。

<薬学部にオススメのアルバイト>

薬学生がアルバイトをするなら、お給料以外にもメリットがある職種がおすすめです。ここでは、薬学生におすすめのアルバイトを紹介します。

  • 調剤薬局

薬学生はまだ「薬剤師」としての資格を持っていないため、すべての業務に携わることはできませんが、先輩薬剤師の姿を身近に見ることができるのは貴重な経験です。調剤薬局でのアルバイトを経験していると、将来どのようなところで働きたいかをイメージできるようになりますし、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。ただし、調剤薬局によっては早めに閉店するところもあり、授業が夕方まで入っている学年では遅くまで働けない場合もあるので確認が必要です。

  • ドラッグストア

働きながらOTC医薬品について学べるドラッグストアは、薬学生におすすめのアルバイト。ドラッグストアは深夜まで営業しているお店が多いため、授業が終わってからでもシフトが入れやすいといったメリットがあります。ドラッグストアではお客さまとの距離が近いためコミュニケーション力が求められるのが特徴。社会に出てからも必要なスキルなのでよい勉強になるでしょう。

  • 家庭教師・塾講師

家庭教師や塾講師のバイトをするメリットは説明力を磨けること。将来薬剤師として働き始めると、患者さまにわかりやすく説明しなくてはなりません。教えることを通して相手にわかりやすく伝えられるような実力がつくのでおすすめのアルバイトです。 また、多くの学習塾は子供向けであるため、子供に対する接し方の勉強にもなります。病院の小児科や子どもクリニックの門前薬局へ就職を考えている学生にとっては、スキルを磨けるよい機会になるでしょう。

  • 接客業

飲食店やホテルなどの接客業はコミュニケーション能力を磨けるのがポイント。薬剤師は薬の知識だけではなく、患者さまや医療関係者とのコミュニケーションも求められるため、接客業から学ぶことが多いのです。とくに、接客中のクレーム対応について一度は経験しておいた方がよいでしょう。クレームの原因や対処法を冷静に考えることは、社会に出てから大いに役立ちます。また、接客業では年齢の領域を超えた様々な出会いがあるのが特徴。自分の視野を広げるよい機会となるでしょう。

  • 短期や派遣のアルバイト

働きたいときに働ける短期間のアルバイトは、忙しい薬学生にとって大きなメリットです。試験前やサークル活動など、時間がないときはアルバイトせずに、ある程度時間に余裕があるときにだけ働くことができます。日雇いのアルバイトは、はじめてやる仕事でも順応しなくてはいけません。臨機応変に対応することが求められており、忙しいときにでも冷静に行動できる対応力を身につける機会となるでしょう。

アルバイトをすると様々な出会いや経験があり、充実した学生生活を送ることができます。しかし、薬学生は国家試験対策や実務実習など多忙な時期もあるため、目的に合わせてシフトの融通がきくアルバイトを選ぶことが理想です。アルバイトに時間を費やすあまり、学業がおろそかにならないようにバランスをとって行うようにしましょう。

6.進路

薬学部の就職先は薬局や病院などの医療機関だけだと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、薬学生の就職先は多岐にわたり、医療機関以外にも様々な働き方があるのです。 「薬剤師」の資格を持っていることで、違った業界への選択肢があることは薬学生のメリット。6年間で学んだことは様々な場で活かされていくのです。

今回は、薬剤師以外でも活躍している薬学部卒業後の進路についてご紹介していきます。 医療機関以外の働き方に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

「就職先=調剤薬局・病院」といったイメージが強い薬学部ですが、実際は幅広い分野で活躍しています。薬学部卒の能力を活かせる就職先は医療機関だけではないのです。

一般社団法人薬学教育協議会が発表した「6年制学科卒業生就職状況」(令和3年3月)によると、薬学部の卒業後の進路は多岐に渡ります。

この報告によると、薬学生の進路は、保険薬局、病院・診療所の他にも医薬品販売業、試験・研究機関、企業や行政など多岐ににわたっており、卒業後は、様々な場において知識や資格を活かした働き方をしているということがわかります。

<代表的な就職先>

  • 調剤薬局

薬学生の約半数以上が就職先として選んでいるのが保険薬局や、ドラッグストアに隣接している調剤薬局での仕事です。

処方箋に記載された医薬品を調合する調合業務、患者さまに薬を受け渡す際に効能や服用方法について説明する服薬指導、患者さまの現在の服用状況や処方された医薬品情報の入力などを行う薬歴管理などがおもな業務です。

  • 病院

臨床の第一線である病院は、薬剤師としてのスキルを存分に発揮できる就職先です。

おもに大学病院や市民病院などの薬剤部や薬剤科に所属し、医師や看護師などと一緒にチーム医療に加わります。一般的に調剤薬局で取り扱っている内服薬や外用薬に加えて、集中治療室で用いる各種薬剤の準備や注無菌製剤の取り扱いなど、大学で学習した知識だけではなく臨床で体得していくことが多い業務です。

  • ドラッグストア

調剤薬局や病院と比較して開放的な雰囲気のドラッグストアは、アルバイトや美容販売員、登録販売者など、様々なスタッフが働いており、たくさんのお客様とも接するためコミュニケーション力が求められる職場です。

OTC薬品のアドバイス、お客さまからの健康相談、商品の陳列やレジ打ちなど業務の内容も幅広く店舗によってはPOPの作成や宣伝などを行うこともあります。

  • 製薬会社(MR、研究職、CRAなど)

医薬品の情報提供とセールスを行うMR、新薬を開発する研究職、臨床試験を行うCRA、そのほか問い合わせに対する返答を行うコールセンター勤務など、製薬会社では様々な職種の薬剤師が活躍しています。 国内の企業だけではなく外資系の企業も多いため、休暇制度や福利厚生が充実している点がメリットのひとつ。自分に合った働き方を探している薬学生に人気があるようです。

  • 公務員

公務員薬剤師の業務は特殊なものが多く、薬局や病院で働く薬剤師とは異なるキャリアを積むことになります。臨床の場で働くことは少なく、行政を中心とした仕事に就く場合はデスクワークが中心となります。特徴として挙げられるのは、安定性の高さ。民間企業のように倒産する心配がないので安心して働き続けることができるでしょう。

公務員薬剤師には「国家公務員薬剤師」と「地方公務員薬剤師」の二つがあり、以下のような内容の業務を行います。

【国家公務員薬剤師】
●所属:厚生労働省をはじめとする中央官庁など
業務内容:「薬価の算定や診療報酬・調剤報酬の改定」「医薬品メーカーなどに対する医薬品の製造管理や品質管理の監視指導」「薬剤師国家試験の在り方の見直しや資格取得後の研修制度の検討」など

【地方公務員薬剤師】
●所属:保健所
業務内容:「地域の保健管理・衛生管理」「地域の施設に対する新規開設許可」「立ち入り検査」「食品に含まれる添加物などの規格基準検査」「放射性物質等の検査など化学検査全般を行う試験検査業務」「インフルエンザやその他の感染症に備えた健康危機管理」「医療供給体制整備」「創薬研究」「治験」「住民の健康相談」など

●所属:地方自治体が運営する公立病院
業務内容:「外来調剤」「病棟業務」「医薬品の管理業務」など

●所属:衛生研究所
業務内容:「細菌の検査・研究業務」「食品や医薬品などの安全確保」「食中毒や感染症の予防」など

  • 開発業務受託機構(CRO)

製薬企業から依頼を受けて、治験の業務を行う企業。薬の知識を必要とするため、薬学部の卒業生が多い。

  • 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

治験を経て、安全性と有効性の検証をしたら、その結果をもとに承認審査を行う。また、安全対策、健康被害救済制度を担っている。薬の知識を必要とするため、薬学部の卒業生が多い。

  • 麻薬取締官

麻薬取締官は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に所属する国家公務員です。「違法麻薬や覚せい剤などに関する情報の収集」「流通経路の捜査」「薬物使用者の逮捕」「押収された薬物の鑑定」「薬物依存者の更生支援」など、薬物が乱用されないために活動することを任務としています。また、麻薬取締官になるには、薬剤師国家試験のほかに、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部が実施する採用試験に合格しなくてはなりません。

  • 学校薬剤師

学校薬剤師は、学校保健に携わり子どもたちの快適な教育環境を守ることがおもな役割です。業務内容は「学校内での薬品類の使用や管理」そのほかにも「健康相談や保健指導」「学校環境衛生(採光、照明、換気など)の維持管理」など多岐にわたります。また、子どもたちと接することが多いため、教育現場にふさわしい人格であることも大切な条件となるでしょう。

  • 大学講師

大学講師は、大学教育に携わり、将来の薬剤師となる人材を育成する仕事です。大学で専門の研究を続けて、医療の発展に貢献するとともに、講義を行い、未来の薬学のプロを育てます。また、学校薬剤師と同様に、学生と接することが多いため、教育現場にふさわしい人格であることも大切な条件となるでしょう。

  • 一般企業

化粧品メーカーや食品メーカーなどは、薬剤師が専門性を発揮して活躍できる職場のひとつ。最近は医薬品の豊富な知識や資格を活かし企業で働く薬剤師も多く、開発・研究部門や管理部門など幅広い分野で活躍しています。 メーカーによっては、薬剤師の資格以外に「調理」「メイク」「色彩」などのスキルを求められる場合もあり、知識だけではなく柔軟な発想力が必要となるケースも多いでしょう。

  • メディカルコピーライター

メディカルコピーライターとは、制作会社や広告代理店などで医薬品や医療機器の販売促進のための広告や文章などに携わる仕事です。また、広告のほかにも製薬会社で使用する文言の提案や新薬のインタビューフォームの作成をするなど、それ以外の業務を一任されるケースも。メディカルコピーライターになるには、専門知識はもちろん、文章力や発想力も求められます。今までに学んだ医薬品についての知識や、自分のアイディアが形になるのはこの職種の最大の魅力ですね。自分の文章力や発想力を活かしたいと考えている方は詳しく調べてみるとよいでしょう。

なお、薬剤師、薬学部卒業により取得できる資格については、以下の記事をご参照ください。

薬剤師、薬学部卒業により取得できる資格(まとめ)|やまぶき💊 (note.com)

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