見出し画像

音楽ビジネス=デジタルマーケティングの時代がまもなく訪れます。エンタメはテクノロジーと共にしか発展しない時代です。

 これまでも先駆的な取り組みをしてきたトロイ・カーターが、また新しい施策をやるようです。
 背景としては、音楽ビジネスの最重要ポイントが、データ解析になっている現状があります。SpotifyやApple Musicなどストリーミングサービスでの
再生数が主たる収入源になると共に、楽曲やアーティストを知ってもらうメディア的な機能もSpotifyの存在が大きくなっています。ユーザー行動がすべてわかる時代ですから、データ分析を踏まえた適切な対応が、音楽の宣伝販促の基本というか中心というか、ほとんどそれだけやればいいのでは?という時代が目の前に迫ってきています。そういう状況認識を踏まえて、アーティストとレーベルのために必要なデータ分析を行うサービスを行おうとしているようです。

 今年はオンラインのみでちょっと地味になってしまった音楽見本市MIDEMの変遷が音楽ビジネスの変化を象徴しています。
 50年以上の歴史を持つ世界一の音楽見本市MIDEMでは、以前は、国ごとに別々にビジネスが行われていた音楽の版権(原盤権、出版権)の売り買いのマーケットとして、隆盛を誇っていました。ドイツの人気ロックバンドと契約して日本版のCDをリリースして、ラジオ局でPRして、人気が出たら、コンサートの招聘元を紹介してといったビジネス展開です。
 音楽を聴くための主流がグローバルな配信サービスになって、国ごとの版権の売買は意味がなくなりました。一時期、影響力を落としたMIDEMが盛り返したのは、テクノロジーとスタートアップを取り込んでからです。
 友人の鈴木貴歩さんがアンバサダーになったと聞いて、MIDEMの"Tech化”も本気なんだなと感じて、昨年は久々にカンヌに行ってきました。レポートはこちらに書いたので、御覧ください。

 10数年ぶりのMIDEMで感じたのは、欧州音楽業界の本気度です。ITスタートアップを支援、提携することで、音楽ビジネスを活性化しようという業界全体としての意思を感じました。素晴らしいと思い、同時に日本でできてないことを悔しく感じました。コロナが収束したらまたカンヌに行きたいですし、日本版(できればアジア版)MIDEMはやるべきだなと思っています。

 僕が、『新時代ミュージックビジネス最終講義』で、「テクノロジーがわからない人には音楽ビジネスができない時代になっています」とITリテラシーの重要性を強調したのは5年前ですが、着実に事態は進んでいるのです。日本のデジタル化は約6年遅れているというのは僕の見立てですが、世界一ITが遅れている日本の音楽シーンにもこの自体は必ずやってきます。

 SNSでのユーザー動向やリスティング広告の手法を取り入れながら、ストリーミングサービスでの再生回数を上げていく(=売上増)のためのデジタルマーケティングが音楽において最重要になることは確定しています。

 Studio ENTREでも、キュレーションメデイアやサブミッションメディアの開発、デジタルマーケティングをスムーズにするツールの開発など、デジタルに特化した音楽活性化を実践的に研究して、事業化する準備を水面下で始めています。すでに動いている会社や個人、この分野でビジネスしたいと思っている人は、連絡ください。一緒にやりましょう。ビジネススキームの構築や必要なネットワーク作り、資金調達の面で僕がお役に立てることは多いはずです。


モチベーションあがります(^_-)