ライブラリーミュージックはAIによる創造の有望分野。興味ある人は一緒に事業立上げやりましょう。

 音楽ビジネスが、マスメディアを使って、新譜を販売することを注力する大量消費型モデルから、過去作品(カタログ)を様々な用途での活用を促すライセンスモデルに移行していることを感じました。Spotifyなどのストリーミングサービスでも、楽曲再生については、ユーザーが自分の聴きたい曲をすべて選ぶというより、DSP(音楽配信事業者)側のプレイリストやリコメンドのアルゴリズムに依存している側面が強くなっています。

 ライブラリーミュージックというカテゴリーがあります。主に動画のBGMに使われるインストロメンタルを中心とし楽曲を提供するサービスです。インターネット企業広告で動画を使われるケースが増え、個人での動画の情報発信も激増している中で、著作権違反にならずに合法的に適切なBGMを安価で提供するサービスへのニーズが高まっています。このリリースはソニーミュージックがこの分野に乗り出してきたというものですね。現在海外では、Epidemic Soundは有名です。日本ではAudioStockというスタートアップが着々と業績を伸ばしています。僕は、社名をAudioStockに変える前のクレオフーガの頃からアドバイザーを務めて、資金調達やアライアンス、事業プランなどをお手伝いしました。今は、僕が紹介したスペースシャワーネットワークスとの連携も順調で、AudioStockの事業を真っ直ぐ伸ばすことに注力しているので、僕はたまに社長の西尾くんと話すくらいですが、日本でも音楽系のスタートアップが成功し得ることを証明して欲しいなと期待しています。
 ストリーミングサービスが音楽ビジネス(特に録音原盤ジネス)の幹になることで起きる大きな変化の一つは、売上における新譜旧譜比率の変化です。パッケージ(CD)ビジネスがメインの時は売上の9割は1年以内に発売された新譜でした。ベスト盤やコンピレーションアルバムというのは、過去に録音した原盤を「新譜」にする手法だった訳です。ストリーミングサービスでは、プレイリストなどを通じて旧譜は旧譜のまま再生され、売上が分配されます。
 今回のソニー・ミュージックのライブラリーミュージック進出も音楽の使われ方=マネタイズの方法が変改している文脈で捉えることができると思います。どこまで積極的なマーケティングで仕掛けてくるのか、動画クリエイターが選びやすく使いやすい方法を提示できるのか、まだこのリリースだけではわかりませんが、時代の潮流を感じました。

 時代感という意味では、この分野は音楽創造で最初にAI(人工知能)が活躍すると僕はにらんでいます。例えばJ-POPは、アーティストがどんな気持で創ったのか、失恋した時?みたいな、創作の背景も含めてファンは楽しみます。新幹線や自動車があっても、陸上競技の人気が落ちないことによく僕は喩えますが、映像などのBGMは音楽家は匿名です。ドラマや映画の劇伴作曲家にもスターは生まれて、ブランドになっていますが、今伸びているのは、もう少し安価に作られるウエブ用の企業CMやセミプロ的な個人の動画です。映像に合っていて、価格が高くなくて、著作権がクリアになっているという条件ですから、人工知能が創っていても問題ないわけです。
 僕自身は2〜3年前から研究していて、どういう事業プランと座組でやると成功確率が高いか見えてきています。いくつかAI作曲を行っているスタートアップは出ていていますが、プロダクトはともかく事業スキームは脆弱に僕には見えるので、StudioENTRE発の新規事業として近々立ち上げたいと思っているところです。AIによる音楽創造を映像BGMの切り口から始める事業に関わりたい人がいたら、是非連絡下さい。創業チームの組成にそろそろ取り掛かりたいところです。

まずは、このイベントに参加してもらうことからでも大丈夫ですし、StudioENTREにも問い合わせフォームがあります。僕に直メッセでも!


モチベーションあがります(^_-)